氷帝
□翌朝
3ページ/5ページ
「まだ痛いん?」
「まぁ…少し」
「ほんまにゴメンな景ちゃん」
忍足は再三頭を下げる。
「鬱陶しい、いい加減謝るのやめろよ」
「だって俺の所為やん」
「別に…………合意の上だろ……」
「景ちゃん……」
「〜〜っ…さっさと自分の教室行け!」
跡部は顔を真っ赤にして叫んだ。
「ん、わかった。お大事にな跡部」
「おぉ」
2人はそれぞれの教室に入っていった。
「………ほんで景ちゃんは何で部活来とんねん!」
授業が終わり放課後、忍足が部室に来ると、既にジャージに着替えた跡部の姿があった。
「朝練休んじまったんだから、帰りは顔出さねぇといけねーだろうが」
真顔で言う跡部に、忍足は思わず溜息を吐いた。
「まったく、大真面目やな景ちゃんは…練習には参加したらアカンで」
「ん…つーかムリだ」
「さよか…」
そのとき部室の扉が開いてジローが入ってきた。
「あっとべー!」
ジローはそのまま跡部に向かって走り、抱きついた。
「〜〜〜〜っ!!」
跡部の腰に激痛が走る。
跡部はそのままその場にしゃがみ込んだ。
「けっ、景ちゃん!大丈夫か!?」
「え、跡部?どうかしたの?」
ジローが少し焦った様子で言う。