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□蘭拓の日
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※年齢操作

「なぁ、神童。
俺らはいつからお互いを名前で呼ばなくなったんだろうな。」

「え?」

正直、霧野の質問には驚いた。確かに俺達はいつからか自然と名前呼びから、名字呼びに変わっていた。中学校もそろそろ卒業になる頃に今更そんなことを言われても全くもってわからなかった。

「だって、昔はさお互いがお互いを名前で呼んでいたろ?」

「嗚呼、うん」

「だけど、今になっては名前の"な"の字すら出てこないじゃないか」

そんなことを言われても、困る。俺だって一時期悩んだよ。名前で呼べないことを

「馴れ馴れしすぎるのはよくないからな」

「じゃあ、なんで天馬や信助は名前呼びなんだ?」

確かにそうだが、それはお前も同じだ。なんて言ってやろうと思ったけど不安げに揺らぐ霧野の瞳をみていたら何も言えなくなってしまった。

「わからないよ。そんなこと」

「俺にもわからない」

じゃあ何で?俺に聞いたの?自分の答えが出ていないのに、俺で遊んでいるの、かな?
そんな下らないことを悩んでも仕方無いけど霧野は本気みたい少し、その瞳が怖い。

「じゃあさ、高校生になったら名前で呼
び合おうよ」

「また、昔みたいに、か?」

昔みたい、昔は何て呼ばれていたっけ?確か俺が"たっくん"で霧野が"蘭ちゃん"だったっけ?流石にそれはちょっと、な?

「ううん、今と昔は違うよ。俺は、霧野ことは蘭丸って呼ぶ」

「じゃあ、俺は神童のこと拓人って呼ぶのか?」

「そうしないか?」

「嗚呼、そうする。大好き、愛してる神童。」

霧野の言葉と共に俺は、霧野の体温と香りに包まれた。










名前
いつか、また


(卒業式が終わるまでの辛抱。)
(嗚呼、早く卒業したい。)














20120309
蘭拓の日。


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