ぬら孫連載[Eine Fluchttochter]
□その発想はなかった
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「普通の人間だと共に暮らせないと我侭を言いますからね」
ハスターさん、それ我侭じゃないんです。本当のことです。死活問題なんです。その辺理解しろよ邪神さんよぉぉぉぉ!!
だってこの人達、自分のこともしくは山ン本さんのことしか考えていないんだから!人間とかどうでもいいとか思ってるんだから!奴良組みたいなトコじゃないんだからね!
「・・・あの、具体的には、どんな力なんですか?」
私はとりあえずハスターさんに尋ねてみた。
「それは僕も知りたいな」
「・・・組に役立つか、確認しなきゃな」
柳田さんや鏡斎さんなどもハスターさんのほうを見る。というか百物語組の方々は「自分たちの役に立つかどうか」確認したいんだろうね。
・・・これ、もしかして、奴良組相手に私も戦うフラグなんだろうか。
それだけは避けたいんだけれども
私は緊張しながらハスターさんを見つめた。そして、ハスターさんから紡ぎだされた言葉は・・・
「知らん」
『・・・え?』
私と百物語組構成員の心がひとつとなった。
「私は”人間を卒業する”ぐらいの能力を譲渡しただけですよ?適当な能力を適当に渡しただけですから把握なんてしてません。それに彼女が能力を行使できるのかさえ分かりません。まぁ、使いたければ修行なりなんなりすればいいと思いますが・・・」
そして爽やかに笑う茶髪男
・・・その発想はなかったわー
「じゃ、俺らは帰るから後はよろしくなー」
呆然とする百物語組を残してクトゥグアが声をかけた。ハスターさんも「では、我々はこれで」と踵を返して部屋の外から出ようとしていた。
「え、ちょ、帰るって・・・!?」
私が引きとめようとすると「んだよー」とクトゥグアさんが面倒くさそうにこっちを振り向いた。
「あんまり長居するとクトゥルーのアホに場所を特定されるんだよ。」
「まぁ、何か連絡があれば夢で交信しますので・・・戸籍のほうは明日までには作成できると思います。それでは」
ハスターはそう言い残してクトゥグアと共に部屋から去っていきました。
まさに嵐のように来て嵐のように去っていった二人の邪神
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