クロス・オーバー「Schneeglockchen」
□fulfilled
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「なぁ、シェフ」
「なんだパンサー?」
カフェのキッチンで翌日の為の仕込みをしていたパンサーがシェフに話しかけた。
「何故、私を助けたんだ?」
「・・・はぁ?」
「『はぁ?』じゃないだろう。質問に答えてないじゃないか」
「いやだから、いきなりなんだよ」
パンサーの質問の意図を理解していない
シェフは疑問符を浮かべる。そんな彼にパンサーは溜息を吐きながら「もう少し丁寧に言ってあげよう」と言葉を付けたした。
「君やマスターは人間だろう?」
「あたりめーだ」
「私は妖怪だろう?」
「だよなぁ、西洋妖怪だっけか?」
「・・・何故、私の様な妖怪を助けようと思ったんだ、と聞きたいんだ」
その発言を聞いてシェフは呆れながらも「今更だな、その質問」と答えた。
「君は少なくとも私の素性を知っているだろう?」
「まぁな・・・ゲゲゲの鬼太郎は猫娘可愛さに全話視聴したぐらいだし、お前がやったことも俺は全部知ってるけど。あ、マスターは知らないぜ」
「私の素性を知った上で、何故助けたんだ?」
この発言でシェフはきょとん、とした。その顔にパンサーは眉を潜めながらも彼の返事を待つ。
「目の前で怪我してる奴がいたら助けるのは当たり前だろ」
シェフはあっけらかんと、そう言った。
その態度にパンサーは度肝を抜かれた。
「・・・本気でそう思ってるのかな?」
「まぁな。悪人だといっても目の前で怪我してたら助けるだろ。俺もそこまで非道じゃねぇよ」
そんな風に答えながら小麦粉の補充をするシェフ・・・その少し後に「マスターがいたからってのもあるけどな」と付けたした。
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