クロス・オーバー「Schneeglockchen」
□買い出しと夕立と相合い傘
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「あちゃー…雨か」
「シェフさん、これじゃあ帰るの難しいね」
シェフと地下鉄少女ことチカは二人で仲良く買い出しをしていたが・・・どうやら夕立に襲われたようだ。
大型デパートの入り口で二人は空を見上げた。
どうやら、すぐに降りやむこともないようだ。
「んー・・・とりあえず傘でも買ってくるから、チカはそこで待ってて」
シェフはデパートの中へと走り、チカは荷物の番をしながら地べたに座った。
ぼんやりと、歩く人々を観察する。
傘を差した人、差してない人
自転車に乗っている人もいれば、車に乗っている人もいる
老若男女関係なく、彼女は彼らが羨ましかった。
彼女は土台、妖怪にも・・・ましてや人間にもなれない中途半端な存在なのだ。
このカフェにやってきたから、前よりも切実に思うようになった。
「(いいなぁ・・・)」
雨に打たれる人々を眺め、そんなことを想う。自分だって普通の人間・・・それでなくとも普通の妖怪になりたかった。
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