短編夢小説

□【What's gotten into you?】
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俺はソロモン72柱の一柱ダンタリアン・・・西洋の悪魔、とはいえ江戸時代から山ン本様に仕える百物語組構成員:刀馬として今は活動している。

そして・・・今の自分には大事な恋人がいる。

同じ百物語組構成員の一人である切裂とおりゃんせ、だ。
悪魔が恋なんて・・・と嗤う者もいるだろうが実はそんなに不思議なことでもない。ほら、人間の世界にも悪魔が恋をする噺は多く残されているだろう?

この幸せがずっと続けばいいのに

そう、思っていた。






今日は人喰い村の実地調査の任務・・・とはいえ、中々”畏れ”も集まっているようだ。これなら百物語の一つになるかもしれない。
そんな時、携帯電話が鳴り響いた。
メロディから判別するに・・・普段は電話をかけてくることのない雷電からだ。珍しいこともあるものだ・・・何事かと思って通話ボタンを押した。

「もしもし、雷電。どうした?」
『どーしたもこーしたもねーよ刀馬!切裂とおりゃんせが奴良組に負けたんだよ!』
「っ!?ウソだろっ・・・なんだ俺達の計画がバレたのか!?」
『偶然だ、偶然カチ合わせちまったんだ!』
「とおりゃんせは無事なのか!?」

最悪の状況が脳裏に浮かんだ

『奴は青蛙亭に逃げてきた』
「そうか・・・」

雷電の言葉を聞いて、一安心する。だが、雷電は依然慌てたまま言葉を紡いだ。

『でもよぉ!柳田の奴がすげぇ怒ってんだよっ・・・!』
「柳田さんが・・・?」
『早く戻ってこい!このままじゃあ切裂とおりゃんせの奴が死んじまう!』
「ちょっと待て!!どういうことだっ!」
『そのまんまだ!<任務に失敗した奴はいらない>とか言って・・・お前が止めてくれ!俺は無理だっ!!』

雷電のその言葉を聞いた瞬間、携帯電話を握りつぶして即座に青蛙亭に帰った。
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