短編夢小説
□囚われの夕闇色
1ページ/4ページ
逃げても逃げても外に出ることができない
この世界は夕闇に閉ざされている
嫌だ
暗い、怖い、帰りたい
顔の無い少女達の叫び声なんて聞きたくない
走って、走って、走って
なのに最後は、あの人に捕まってしまう
「懲りない女でありマス」
いつの間にか背後に回って
私の腕を掴む
「やだっ、はなして!」
力を入れても、逃げることが出来ない
「断る」
真っ黒な軍服を身に纏い、少女達の顔をマントに張り付けて笑っている
「いい加減・・・<小生>の女になったらでどうでありマスか?」
「いやだ・・・こないで」
「・・・陽菜?」
やめて
私の名前を呼ばないで
「・・・帰りたい、のに」
「陽菜・・・」
「名前、呼ば、ないで・・・」
女の子達を怖がらせて楽しんでるくせに
なんで私の名前を呼ぶ時は違う声色なの
やめて
そんな風に
私の名前を呼ばないで