短編夢小説

□囚われの夕闇色
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逃げても逃げても外に出ることができない

この世界は夕闇に閉ざされている

嫌だ

暗い、怖い、帰りたい

顔の無い少女達の叫び声なんて聞きたくない

走って、走って、走って

なのに最後は、あの人に捕まってしまう


「懲りない女でありマス」


いつの間にか背後に回って

私の腕を掴む

「やだっ、はなして!」

力を入れても、逃げることが出来ない

「断る」

真っ黒な軍服を身に纏い、少女達の顔をマントに張り付けて笑っている

「いい加減・・・<小生>の女になったらでどうでありマスか?」

「いやだ・・・こないで」

「・・・陽菜?」

やめて

私の名前を呼ばないで

「・・・帰りたい、のに」

「陽菜・・・」

「名前、呼ば、ないで・・・」

女の子達を怖がらせて楽しんでるくせに

なんで私の名前を呼ぶ時は違う声色なの

やめて

そんな風に

私の名前を呼ばないで
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