リクエスト・贈り物・頂き物

□二次創作本館5000HIT記念フリーリクエスト企画
1ページ/3ページ

タイトル「燕娘と薬学教授」


「セブルスー!」

ホグワーツの廊下に鈴の鳴るような可愛らしい声が響いた。丁度、休み時間だった学生たちが声の持ち主に注目する。

1年生ほどの小さな少女でアジア系の顔立ちが珍しい・・・いやそれよりも注目する点は生徒達全員(一部除く)に嫌われているセブルス=スネイプをファーストネーム呼び、なおかつ呼び捨てにしていることだろう。

「・・・陽菜・・・」

廊下の向こう側から件のスネイプ教授が出てくる。相変わらず顔色が悪そうだ。

「セブルス!そんなところにいたの!?」
「廊下で我輩の名前を叫ぶな迷惑だ」
「だってセブルスのこと探してたんだもん」

頬を膨らまして怒る少女・・・いや、怒っていても可愛らしいのですが。

「探すならもっと静かに・・・」
「それよりもね!聞いて聞いて!」
「人の話を聞け!!」
「百味ビーンズ買ったらね、なんと梅干し味とか納豆味とかあったの!日本食もレパートリーに増えてくれて嬉しいっ!」
「・・・まさかそのことだけを報告する為に探していたのか?」
「そうだよ?なんで?」
「陽菜、下らないことで人の名前を絶叫するのはやめてもらおう。生徒もいる廊下でそんなことを・・・」
「何よセブセブのばーか、ねっちょり髪!そのままバーコードハゲになっちゃえ!」
「なっ・・・陽菜、言って良いことと悪いことがあるだろう!」
「大体セブたんは生徒に対しても口が悪いのよ!根暗!陰険!インゲン豆!」
「待て!インゲン豆が混じってるぞ!?」

そんな会話が真昼間の廊下で繰り広げられる。上級生は「やれやれ・・・」と呆れた目線だが・・・入ったばかりの1年生は度肝を抜かれていた。

まさかあのスネイプ教授がこんなにも振り回されているとは・・・

「何よセブセブの馬鹿っ!大馬鹿!もう知らないんだから!どうせ今日だって灰色パンツなんでしょ!?」
「誰が馬鹿だっ、いやその前に人の下着の色を勝手に予想するな!」
「どうせ灰色に決まってるんだもん!ねっちょりセブセブ!もう知らない!」
「勝手に怒るなっ・・・なんで我輩が悪いことになってるんだ!?」

陽菜と呼ばれた少女は急いで廊下から立ち去っていった。嵐のような少女だ・・・いやむしろ嵐そのものといったほうがいいだろう。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ