ぬら孫連載[Eine Fluchttochter]

□混ぜるな危険
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目が覚めると再び西洋風の部屋
ふかふかのベッド(感触はあるけど暖かいとか感じないんで少し残念だけれども)から飛び起きるとまたもやハスターとクトゥグアがのんびりとアフタヌーンティーを楽しんでいた(実際に今がアフタヌーンなのかは不明だが)

「起きたんですね、燐さん」

敬語口調でハスターがニコリと笑う。

「能力が判明して良かったな」

クトゥグアがスコーンを齧りながら私を見る・・・ってか、せめてスコーンにジャムか何かつけろよ。何もつけずにスコーン食べるとか味覚がおかしいんじゃないか?
まぁ変にツッコミして邪神の逆鱗に触れるのも嫌なのであえてスルーという選択で。

「私の能力、ですか?」
「そうです。私が貴方に譲渡した能力が判明しました」
「どんなのです?」
「平たく言えば、”風”を操る能力ですね」

ハスターに言われ、なんとなく納得した。
そう言えばハスターは風の属性の長だったもんな・・・あぁ、でも都市伝説系スレだと【風使い】って悉く短命って聞いたけど。私の場合は適応されないことを願おう。

「操るっつってもハスターほどには無理だろうよ」

クトゥグアさんが更にスコーンを齧りながら私を指差した。
人に指差しするなと教わらなかったのかこの邪神・・・いや待て、邪神にそんな常識は通用しないか。むしろ常識が来い状態だもんな・・・

「はぁ・・・そうですか」
「しかしクトゥグア、私ほどではないにしろ・・・彼女に譲渡した能力は一般の妖怪のレベルを超えてます。燐さんもそのことを自覚してくださいね」
「了解、しました」

・・・ハスターに言われて今更ながら自覚した。

私はもう、普通の人間を卒業しちゃったんだと

しかもトリップにあるまじき【クトゥルフ神話の邪神の能力の一部】ってなんなんだ。もっと、こう・・・勇者的な何かじゃないか、普通は。
まぁ、この邪神の能力が無かったら【ぬらりひょんの孫】の世界で生きていける自信は到底無い。むしろ皆無だ。私なんてすぐに妖怪にあぼーんされてしまうだろう。

・・・なんて考えてたらまた眠気が襲ってきた

もうこの状態にも慣れてきた



「それでは燐さん、またお会いしましょう」



ハスターの言葉を聞きながら、意識が途切れた


「・・・それにしてもクトゥルーがこれから何をするか怖いな」
クトゥグアが呟いた。
「奴の行動は予測しにくいからな・・・これからも警戒しよう。決して封印を解かれないように」
「そうだな・・・」
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