ぬら孫連載[Eine Fluchttochter]
□なにそれこわい
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切裂とおりゃんせに弱みを見せてしまってから翌日・・・今日は柳田さんが監視に来た。
「・・・能力はまだ開花してないみたいだね」
「少なくとも自己回復系じゃないのはこの1ヶ月で判明しました」
私が淡々と告げるとあからさまに不機嫌な顔になる柳田さん
こいつ、もうちょっと愛想を振りまけよ・・・
「まぁ基礎体力は向上したのではないかと・・・」
切裂とおりゃんせが私の頭に手をのせてわしゃわしゃとしながら柳田さんに報告した。なんだか飼い犬を可愛がる飼い主のような仕草な気がするのは気のせいだと信じたい。
「ふぅん・・・ま、それだけでも収穫哉」
「今後は<小生>の”畏”の力を使って特訓してみるでありマス。」
「それは面白そうだね」
「なんなら今からでもやってみるでありマス。」
ちょっと待てやコラ。黙って聞いていればいつの間にか柳田さんの前で特訓するとか言い始めたんだがこのロリコン妖怪・・・っ!!
拒否権がないことぐらいすぐに分かるが、それを差し引いても勝手すぎるだろぉぉぉ!!私の意見ガン無視だろ!!
「今から特訓て・・・何するんですか?」
「なぁに、ただ単に燐が<小生>の”畏”を纏った攻撃を受けてみることだけでありマスよ」
「すみません、それ死にますから。全く柳田さんも止めてくだs」
「早く戦ってみてよ、燐・・・とても面白そうだしね」
「止めろぉぉぉ!!なんで面白そうとか言えるんですか!?」
駄目だ、この二人はただの外道だっ・・・!!
せめてっ、せめて鏡斎さえいてくれればっ・・・この状況から脱出できるのに!![多分だがな]
私が逃げようと踵を返したが時すでに遅く・・・しっかりと柳田さんに腕を掴まれて参道まで連行された。
「・・・ほんまにやるんですか?」
私がうんざりしながら抵抗してみるけれど「する」と2人から即答されました。
そのうち、鳥居の影から女の子達が現れた。
「助けて・・・」
「顔が無いの」
「帰りたいよぉ・・・」
「お願い、帰して」
この1ヶ月間聞いたことのある少女たちの声
「さて、と・・・」
切裂とおりゃんせはそう言って少女たちの顔が貼りついているマントを翻した。
何をする気なのかと思ったらその中の一人の少女の顔を握りつぶした。ぐしゃり、と柘榴か桃を潰すようなそんな音が鼓膜にやけに響いた。
「こーこはどーこの細道じゃ、天神様の細道じゃ」
怯える少女達を見降ろしながら、切裂とおりゃんせはいつもは見せない異形の左目を見せつける。
「誰が逃がすか。ここはとおりゃんせの細道でありマス。」
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