お菓子

□飴
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カロン。


飴玉が口の中を転がって歯にあたる。

「甘い」

歯に沁みる。
口の中に居座る甘さが、苦手。

袋一杯、小さな球が小さな透明な袋に包まれて、ぎっしり詰まっている。
こんなにあって、どうしろと言うのだろう。多分一生でも消費しきれない。買うんじゃなかった。
馬鹿だな。

飴玉を食べたのは、これが三度目。


一度目は、物心ついて、間もない頃。
甘くて甘くて、苦手になった。

二度目は、あの人から。
甘くて甘くて、笑顔になった。

三度目は、今日。
甘くて甘くて、泣きそうになった。



袋一杯、飴が大量。
だけどこんなもの、あの人ならば三日ともたず無くなるだろう。
あのひとは好きだったなあ。飴玉が。

いつも口の中で、カラカラ言わせていた。


カラン。

「甘いなあ」
沁みる。

泣きたくなる味だ。








(語る)
べっこう飴が好きです。懐かしい素朴な味。
たまに凄く食べたくなる。
「黄金物語」ってべっこう飴をよく買う。

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