◆快楽遊戯◆
□快楽遊戯 - キンジラレタ アソビ -
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「退屈だ…」
いつも繰り返される『毎日』
朝起きて、学校行って、飯食って、寝る…
何の変哲もない日常に、俺は何度めかの言葉を吐き出した。
「また出たよ、夜船のその台詞…」
ぼんやりと視線を泳がせ、聞き覚えのある声の主を探す。
「…宮澤。」
背中を預けていた椅子から身体を起こし、目の前で苦笑するクラスメートを見上げた。
「そんなに退屈なら、部活にでも入れば?」
「…めんどくさい。」
義務教育を終え、親のひいたレールに乗っかって高校に進学したものの、特にやりたいこともなくこの有様だ。
正直言って、つまらない。
いい高校、いい大学、いい会社…
その先にあるのは、何だ?
いい相手に、いい家庭?
…くだらないね。
どんな基準で優劣を決めるのか…
親の顔色ばかり窺って、『いい子』を演じるのも楽じゃない。
「夜船って、『退屈』か『つまらない』か『めんどくさい』しか言わないよね?」
「…そうだっけ?」
何の変化もない高校生活。
無駄に時間、使ってるよな…