◆ 秘密  ◆

□噂の先輩:実紀
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「ちょっ、何あれ?ヤバイっ!みんな、こっち来てよ!あれ、どう思う?」

いつものメンバーと、いつものように屋上で昼食を取っている時に、いつもとは違う『状況』がそこにはあった。

「何が?」

「どうしたの?」

「何だよ、何を騒いでんだ?」

その場にいた全員が、落下防止の為のフェンスに張り付いて何やら騒ぎ始めた友人に、怪訝そうな表情を浮かべながら同じように彼の近くに立つと、指さす方向に視線を向ける。

「うわぁ…」

「マジか…」

その先には、ひと気のない倉庫裏で、3人の生徒たちが固まって『何か』をしているのが視界(め)の中に飛び込んできた。

着ている制服で『その人』たちが『男子生徒』だとすぐに分かる。

「野郎…同士で?」

口々に呟き、顔を見合せて視線を落とすと…

「普通、男2人と女1人のシチュエーションじゃないか?!」

「それもかなり普通じゃないけどな。」

「石英(せきえい)、そういうの好きなの?」

「あれ、絶対にヤバイって!どうする?榎月(かつき)先輩に言う?」

初めて見る他人(ひと)の…

しかも、同性との性行為に焦りや戸惑いと同時に心臓が大きく跳ね上がった。

徐々に、口の中に唾液が溜まってくる。

ど、どうしよう…

目が逸らせない…

  
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