参加作品
□大切な人への気持ち
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リビングについたころのブルマはすでに息切れしていて、息苦しい
けれど、ブルマは自分のことなど気にしている暇などなく、リビングの暗号を押し、自動で開ける
すると、ブルマの予想は的中し、べジータとルーサはそこにいた
だが、二人はブルマに気づいているわけではなく、ルーサが一方的に話しかけて
べジータはただ無視しているだけ……
けれど、べジータの手には1つのペットボトルが持たされている
だが、そのペットボトルに入っている飲み物は減っていないところから見るとまだ口にしていない
――――のも束の間で、
べジータがペットボトルの蓋に手をかける
ブルマはそのペットボトルに媚薬が入っているかは定かではないが、焦る
だが、ルーサの目の前で疑うのも気が引けて、どうするか迷ってしまう
けれど、時間は待ってくれなくて、べジータがペットボトルに口付けてしまう
ブルマは焦る気持ちだけが先走り………
「べジータっ!飲んじゃだめ!」
そう大声で静止をかける
けれど、その声に驚いたべジータは……
…ゴクリッ、と胃に流し込んでしまった
ルーサはブルマが来たことに内心驚き、声が出ない
だが、ブルマはルーサに気をかけることもなく、べジータが飲み込んでしまったことに驚いて、
勢いよく駆け寄って、ペットボトルを取り上げる
「べジータっ!ダメよ!吐き出して!」
そういって背中を摩るものの、べジータの目はぼやけ始めて、意識が朦朧とする
だが、その中でベジータは必死にブルマを見つめいう
「何だ…っ、これは………」
「あのね、この飲み物に媚薬っていう研究中の液体が入ってるの!でも欠点があってこの液体を飲みすぎると気絶しちゃって気づいたとき、最初に見た人を好きになっちゃうの!?」
「………くそっ……」
それを最後にべジータは意識が途切れてしまった
そのやり取りを聞いていたルーサは小さく笑って
気絶したべジータを支えているブルマに言う
「これでべジータも私のものになるわね、ブルマさん」
そういうと、ブルマの腕からべジータを取り上げて、自分の肩へと担ぐ
だが、ブルマは揺るぐことなく、ルーサを見つめる
「ねぇ、ルーサちゃんは本当にべジータが好きなの?」
そう、尋ねる
すると、ルーサはふっと笑って、ブルマの方へと振り返る
「好きよ、だからブルマさんから奪おうとしてるんじゃない……」
「……そう、じゃああなたと同じようにべジータが好きな私からも言わせてもらうわ」
ブルマは小さく笑うと真剣なめざしでルーサの目を見て言う
「ルーサちゃん、それでべジータが幸せだって思えるかしら…?薬での愛があなたにとってもべジータにとっても幸せなのかしら…」
「………そ、そんなの試してみなきゃわからないじゃない、少なくとも私はべジータに愛されたら幸せだわ」
「べジータの気持ちは考えた?」
「…そういうあなたは媚薬を作って何してたのよ、べジータに飲ませようとしたんでしょ」
「えぇ、べジータに愛してるって言わせたくて作ってたわ…でも考えたら、それはべジータのプライドを傷つけることになるし、私も薬を使って偽りの愛の言葉を聴いて幸せだとは思えないって思ったの…だから薬の研究は切り上げようと思ってたわ」
ルーサはブルマの真剣な表情に自分の決心が揺らいでしまう
けれど、強く頭を振ってブルマをにらみつける
「いいじゃない!私の勝手でしょ?」
「そうよ、あなたの勝手だから聞いてるんじゃない……あなたのべジータを思う気持ちをね」
「その言い方って、渡井よりもブルマさんの方がべジータを思ってるって言い方じゃない?」
「…そうね、少なくともあなたよりはべジータを思ってると思うわ…数万倍もね」
「あなた、殺されたいの?」
ルーサはブルマに言い返す言葉がなくなり、ブルマへと掌を向ける
すると、気を溜め始める
けれど、ブルマは恐れることなくルーサを見つめる
「殺したいなら、殺しなさい……それがあなたにとって正しい選択だと思うなら、私はあなたに殺されても文句は言わないわよ」
その言葉にルーサはそれ以上、何も言わなくなってしまった
そして、気を膨らませることもしないが、掌から気を消すこともなくブルマを見つめる
ブルマもルーサの瞳を見つめ返す
「……ねっ?あなたは私を殺せないわ…正しい答えって思えないのよ」
「……何言ってるの、殺そうと思えば簡単に殺せるわよ」
「じゃあ、殺したらいいじゃない……」
ブルマは怯むことなく強く言う
だが、ルーサは目を逸らすだけで攻撃をしてこない
すると、ブルマは小さく微笑んで口を開く
「…べジータもそうだったの……一度、殺すって脅されたときがあったけど殺そうとはしなかったわ…きっとね、地球にいると心が穏やかになっちゃうのよね」
そういうとブルマは警戒心すらなくルーサに歩み寄る
すると、ルーサは気を縮めて腕を下ろす
そして、ルーサは小さく笑って一言
「……あなたには負けたわ…べジータがブルマさんを好きになる理由もわかる気がする」
そういうと、ベジータを近くのソファへと寝かせる
ブルマはルーサが認めたことに少しばかり驚く
けれど、小さく微笑んでリビングを去っていこうとするルーサに言う
「わかってくれたみたいね、ありがとう……それより、お腹空いてない?」
そう尋ねると、ルーサはブルマの方へと振り返って一言
「……いらないわ、それにもう地球から出てかなきゃね……べジータが気がついたら私、殺されちゃうわ」
「えっ!?もういっちゃうの?」
「えぇ、あなたにはお世話になったわ…こんなに親切にされたの、初めてでうれしかったわ…ありがとう」
そういうと、ルーサは前を向いて歩き出す
ブルマは、待って、と静止をかけるものの、ルーサは高速移動でその場を去ってしまった
ブルマは名残惜しいような気もしたが、小さく微笑んでべジータへと駆け寄る
そして床に膝を着いて、べジータを見つめる
「……気がついたら大変なことになるのよね、どうしましょう……特効薬だってまだ完成してないし…」
そうつぶやくと、大きなため息をついたのだった
それから、1日あまり、気を失っていたべジータだが、気がついたときにブルマが隣に寝ていて……
ブルマは特効薬ができるまで、大変な目にあったのだった……
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69fes祭に参加した作品です!
どうぞお楽しみください!