参加作品

□消えた媚薬
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それからべジータとブルマは重力質の前で別れた




ブルマは久しぶりにべジータに打ち解けたためにもう少し一緒にいたい気持ちにもなったが
研究がいっぱいいっぱいなことを思い出す



そして、名残惜しいながらも重力質の前で別れたのだった







ブルマはべジータと別れた後に、すぐ研究室のラボへと向かう




そしてラボに入る前に白衣を着用して普段着を汚さぬよう、ボタンを閉める


それから研究時に失敗を犯した場合に備えて専用のマスクで口元と鼻に着用する





備えは万端になると、ブルマはラボの暗号ボタンを押して自動で開ける



すると、ラボはオイルや研究道具で嵩張るようにたくさんの器具が置かれた場所を通る


そして自分の専用席へと座ると、今、研究中の物を引き出しから取ろうとする





――――――が



ブルマが開けた引き出しの中に研究中の媚薬の入った小瓶がなかった





「……あれっ?私、絶対にここにしまったはずなのに……」




そう、呟くと、ブルマは自分の書類の嵩張る机を見渡す


けれど、小瓶らしきものは一つもなく



ただ書類の山………





ブルマは周りの研究員の机を見渡してみるものの、小瓶らしきものは多少あったものの
全て媚薬ではなく、違う研究の試作品であった




すると、ブルマは作業員に声を掛ける




「ちょっと〜、私の引き出しから試作品の媚薬が無くなっちゃったの〜〜!みんな知らないかしら〜?」




ブルマは機械の音に負けぬよう、大声で声を掛ける



けれど、研究員は首を傾げるばかりで一人の研究員が言う




「ブルマ社長、みんな知らないそうですが、どこか違う場所においたということはございませんか?」



「…それはないと思うわ、まだ試作品の媚薬だから使うと危険なのよ」



「……それじゃ早く探し出したほうがいいですか?」




担当者の研究員がブルマへと近づいて言う



だが、ブルマは左右に首を振る





「別に平気よ、媚薬は急ぎじゃないし、そのうち出てくるでしょう?」



「そうですか、じゃあ見つかり次第、お知らせしますね」



「そうしてちょうだい、これを機に少し休暇をとるから…」



「わかりました、ゆっくりお休みください」




研究員は優しい笑顔で見送る



すると、ブルマも笑顔で笑って、機械音の煩いラボを後にする




そして、白衣も使ってはいなかったが、研究室のオイルの匂いが気になって
洗濯機へと放り込んでしまう








それから時は経ち―――――



食事を用意する時間の5時の少し前





この時間には必ず、べジータガリビングへスポーツドリンクを取りに行く時間で………




ブルマは久々にべジータと話したかったが、未だにルーサの片付けは掃除ロボでは
まだ終わらずに廊下の掃除を済ませている途中……




掃除ロボは勝手に部屋を掃除してくれるだろうが、ルーサのものは全てどこにおいたのかを把握して置きたいため
ブルマは掃除ロボを見守ろうとしていた




だが、この調子ではきっとべジータと話していることなく、すれ違うだけであろうと考えたブルマは自ら片づけをしようとルーサに化している部屋の扉を開ける




ブルマは部屋を貸して以来、部屋を見ていなかったものの、そこは案外きれいなもので……



ブルマは感心して腕を組んで部屋の隅々が散らかっていないのかを確認する





だが、汚れているということはなかった


けれど、興味深いものを発見してしまった




それは半分以上、透明の液体が消えた小瓶………



ブルマはその小瓶に見覚えがあった





「……これって!まさか!?」




ブルマは焦りながらその小瓶を手に取る





そして、一滴だけ指に落とすと、その滴を舐める




「うっ………」



ブルマは強い眩暈に少し足がよろめく






そう、これは試作品のために出る現象……



本来ならば、大量に飲んでしまうと気絶するほどまでに強い薬なのだ





けれど、一滴の場合は媚薬の効果は出ないものの、対外の人間はよろめいたり、眩暈がしたりという症状が出てしまう




そうならぬよう、ブルマは研究に件空を重ねていたのだった






ブルマはその小瓶を握り締めたまま、その場へと座り込む



そして小瓶を見つめると、冷や汗が浮かぶ





「…どうしてこの試作品がルーサちゃんの部屋に………」




―――それにどうして、ここまで減ってるの…?



もしかして…ルーサちゃんが研究室に入って取ったのかしら




いや……


それはないかしら




だったらどうしてここに………





ブルマはあらゆることを脳内に思い浮かべる



すると、一つの答えにつながってしまった





「!もしかして、ルーサちゃんがべジータに!だからここまで液体がないの!?」




叫ぶような声で驚くと、その小瓶をその場へと落としてしまう



すると、それは無様に割れて破片が飛び散る





けれど、ブルマは気にすることなく、走ってリビングへと向かう



途中でスリッパさえも走りにくくて廊下へと投げ捨てて、長い廊下を走り続ける






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69fes祭をお楽しみください!

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