参加作品

□嫌な予感
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ルーサが目を覚ましてから5日後―――



彼女は目覚めてからというもの…


傷も全回復していないのにベジータにくっ付いて離れない




だが、ベジータはくっ付かれるのは嫌がるものの、ルーサが着いていく分には何も言わず

重力室に入れば二人はトレーニングを始めてしまう始末―――




ブルマは嫌な様子を見せないものの、内心はルーサが気掛かりで仕方なかった




ベジータに何かするのではないか



それがブルマの脳裏によぎって一人、ため息をつく


そしてリビングのテーブルに顔を伏せると目を瞑る



だが、不意に背後から声をかけられる




「ねぇ、ブルマさん、スポーツドリンクってどこにあるの?」



ブルマは声をかけられた方へと振り返る


すると、そこにはルーサの姿があり、所々怪我をしていた




きっと、トレーニングをしているときにできた傷であろう



だが、ブルマはあまり気にすることもなくルーサに言う




「……ベジータに持っていくの」



「そうよ、ベジータが持ってきてって……でも私、この家に詳しくないから…で、どこにあるの」



「そう……でも私が持っていくからルーサちゃんは戻っていいわよ」




そういって椅子から立ち上がる


すると、ルーサは頼んだわね、と一言言うとリビングを去ろうとする



だが、ブルマは立ち止まってルーサの背中に一声かける




「ねぇ、その前にひとつ聞いておきたいことがあるのよ、いいかしら」



そう声をかけると、彼女はブルマにチラッとだけ視線をやる


だが、再び前を向くが答える



「いいわよ」



「それじゃ、遠慮なく聞くわね……あなた、まだベジータのこと好きなんでしょ?」




そうたずねると、ルーサは小さく笑ってブルマの方へと振り返る



「……そうだけど、何か問題でもあるの?」



「えぇ、あるわ、ベジータにはもう私がいるの、わかってるでしょ?」



「わかってるわ、でも私にだってチャンスがあってもおかしくないでしょ?」



「でもあなたは諦めるんじゃなかったの?だから手は出さないって……」



ブルマは強く粘ってくるルーサに言う



だが、ルーサはあせることなく余裕で言う




「言ったわよ、あなたには危害は加えないって……でもベジータを好きなことをやめるなんて一度も言ってないじゃない」



「……でもあいつには子供だっているし、諦めたほうが……」



「子供がいるから…何?問題ないんじゃないかしら?」



「ダメよ……トランクスにはベジータが必要だもの…」



ブルマは何を言っていいのかさえ、混乱してしまう


だが、ルーサは余裕で笑うと一言……




「……もういいでしょ、話はこれで…スポーツドリンク、持ってきてよね」



そういうと、彼女はリビングから出て行ってしまう



ブルマは緊張感が一気に抜けると、その場へと座り込んでしまう


そして掌で顔を覆うと自然と涙が零れ落ちる





ブルマ自身――


なぜ、涙が出るのかわからなかった



でも、何か、嫌な予感が脳裏を過ぎって仕方なかったのだ




だが、その不安を誰かに話すでもなく、ただ密に隠したのだった





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69fesに参加した作品です!


期間中ですのでどうぞお楽しみください!

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