参加作品

□半純血のサイヤ人
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サイヤ人である女性、ルーサをC・Cに運び込んでから3日程―――




ルーサを言う名前を知ったのはべジータに聞いてからブルマは知ることができた



だが、肝心の本人であるルーサは未だに目が覚めなかった


ブルマは毎日、看病するものの、目覚める気配はなく3日も過ぎてしまい………




だが、べジータは関心がないのか、ルーサの状態も聞いてこなければルーサを見に来ることもない




ブルマは、なんて無愛想なのだろう、と思うものの
自分以外の女性に関心を持たないべジータに少なからず、嬉しさもあった



そして、今日もブルマは看病を続けて、ルーサを見つめる



だが、容姿を見ている度に思う




「………この子、本当にサイヤ人なのかしら…?」



ブルマは少なからずにそう思う


何故なら、彼女の身体つきは筋肉質ではなく、すらっと伸びる手足で胸も豊満な女性であったからだった




ブルマは戦い専門とするサイヤ人は女性でも筋肉質なのだろう


そう考えていたものだから不思議で仕方なかったのだった




だが、そう考えていると、彼女が少しだけ身動きをする



ブルマははっとすると考えをやめて、ルーサの体を軽く揺らす




「ルーサちゃん、起きて」



ブルマは少し大きめの声で声をかける



すると、ルーサはゆっくりと目を開けようとする


だが、日光が目に入ったのかすぐに強く瞑ってしまう



その様子に気づいたブルマはルーサに一声かける




「ちょっと、カーテン閉めるわね」 



そういうと、ルーサは小さく頷く


ブルマはすぐさま行動に移して、大きい窓のカーテンを閉める



すると、光はほぼ遮断されて薄暗い部屋になる



太陽の光が目に当たらなくなったためか、彼女はゆっくりと目を開ける


だが、彼女の目の色は黒ではなく赤色の瞳だった




そのとき、ブルマはべジータの言葉を思い出す




『純血のサイヤ人は髪色も目も黒だ……何かしら黒以外の色が混ざっている場合は純血ではなく半純血か、サイヤ人ではないかのどちらかだ』



ブルマはサイヤ人のことについて尋ねたとき、確かにそういっていたのを思い出した




ブルマは不思議に思うものの、状況が把握できないのか目を泳がせている彼女に言う



「ルーサちゃん、ここは地球って言う星でここは私の家よ……もう体調のほうは平気?」



ブルマは軽くどこなのかを説明すると彼女の様態について尋ねる


すると、彼女はブルマへ視線をやる




「……地球、……ってことは…」



ルーサはブルマから視線をはずすと、天井を見つめて訪ねる


すると、ブルマは考えているルーサの手を握る




「……ルーサちゃん、今は病人なんだから考えるのは……」


考えるのは良くないから、後にしましょ


――と、ブルマは言おうとするものの




彼女はブルマに触れられたことが嫌だったのか、強く振り払う


ブルマは彼女が振り払う勢いに少し驚くが手首が少し痛む



だが、ルーサは気にせず、ブルマを鋭く睨みつける



「……気安く触らないでちょうだい、あなたのことなんて一発に殺せちゃうのよ」



「殺すなんてあなたみたいな綺麗な女の子は使わない方が可愛いわよ」



ブルマは素直な気持ちを言う


だが、ルーサの勘に触ったのか、威圧されて………



ルーサはベッドから起き上がると座った状態でブルマの目の前に手の平を突き出す


そして無表情で赤い気をためていく



ブルマは焦ることなく、小さく笑って言う




「……あなたには私を殺せないわよ、何故かわかる」



そう尋ねるように言うと、彼女は冷たく笑って言う



「さっきも言ったけど、あなたみたいな軟弱な女、一発で殺せるわよ」



「……そう、殺したければ殺せば?…きっと私を殺したらあなたも殺されちゃうわよ」



「こんな星の地球人には私を殺せないわ、地球人では、ね」



そう笑うと、彼女は大きく気を膨らませていく


だが、ブルマは怯むことなく小さく笑って言う




「…確かにそうね、地球人の人であなたのような強い人は殺せる人はいないわ……サイヤ人の王子、とかじゃないとね」



ブルマは小さく笑うと、ルーサから視線を外し、病室の扉の方に視線をやる



彼女は驚くものの、細心の注意を払って、ブルマの視線をたどる




そして振り向いた先には、ブルマが口にしていた王子、べジータの姿があった



だが、かなり怒っているのか、ルーサの気とは比べ物にならないくらいの大きな気を手の平に溜めている


けれど、外見には怒りのような表情を見せずに、小さく笑って言う




「そいつをやる前に俺が貴様を打つぞ、それでもいいのか」



冷たい声で告げると、べジータは気を高め、気を膨らませる


だが、ルーサは静かに気をしまうと、べジータをまっすぐに見つめる




そして小さく笑うと、一言




「…やっと会えたわ、べジータ」



彼女も目の前にある光景が信じきれていないのか、半信半疑…


だが、嬉しさからなのか声が漏れたのだった




すると、べジータは気を放つことなく大きく膨らんだ気を縮めていく


そのまま、腕を組むとルーサの横を通り過ぎてブルマへ駆け寄ろうとする



だが、ルーサがべジータの手首を掴んで引き止めて一言




「ねぇ、べジータ…どうしてここにいるの?宇宙の支配者になるって言ってたじゃない?」




ルーサはべジータの背中に言うと、ベジータは鼻で笑う


そしてルーサに視線をやることなく言う



「……くだらん話だな、俺は興味ない」



一言告げると、ベジータはルーサに掴まれている手首を強く振り払う


すると、ルーサの腕は簡単に振り払われ、離れる



ベジータはすぐにブルマに立ち寄ると一声かける



「あいつにはあまり近づくな……何するかわからんからな」



ベジータは彼女に聞こえないようにするでもなく、いつものような声で言う


だが、ブルマはべジータの手を借りながら立ち上がるという




「嫌よ、あの子だって昔のあんたと同じような立場にいるのよ、ほおって置くなんて私にはできないわ」



「……では殺されてもいいというのか?」



「大丈夫、あの子は私を殺すようなことはしないと思うわ、少なくともあんたはそうだったでしょ」



「俺は殺さなかったのではない……殺す気がなかっただけだ」




ベジータは少しブルマから視線をずらし言う



だが、ブルマはまっすぐにベジータを見て言う



「あっ、そう……じゃあ、今殺してみたら?さっきまであの子を殺そうとしてたんだから私にもやってみなさいよ、ほら!」



ブルマはベジータの手を自分の胸元へと置いてやる



だが、ベジータは舌打ちを打つと、ブルマの腕を軽く払いのける




そして、ベッドへと座ると今まで、ベジータとブルマのやり取りを見ていて硬直しているルーサへと声をかける




「おい、貴様がもし、こいつに手を加えるようならば次は貴様を殺す……それは頭に叩き込んでおけ」



そういうと、硬直していたルーサはゆっくりとベジータに視線をやる




「ねぇ、ベジータとその子、どういう関係なの?」



ルーサはベジータがブルマを庇うような発言に内心驚きながらも
自分の尋ねたことに恐れを感じる




だが、ベジータは無言で何も答えないで腕を組む



すると、ブルマはため息をついてベジータの代わりに言う




「私たちの関係は夫婦よ、一人子供もいるの、ベジータに似て強くてかっこいいの」



ブルマは息子を自慢するように言う



だが、その発言にルーサは驚いて目を見開く


そして取り乱してしまったのか、ベジータへ近寄って縋り付くように言う




「ベジータ、あの人の言ってること、嘘だよね……ベジータが軟弱な地球人と一緒になんてならないわよね」



「………いいや、あいつの言うように俺たちはそういう関係だ…だから貴様はその怪我を治したら地球から去れ」



「嫌よ……どうして?どうしてよりにもよって地球人なの?どうしてサイヤ人の私は選ばないの?」



「俺はサイヤ人だろうと地球人だろうと関係ない……それにお前だって半純血だろ」



「そうよ、でもサイヤ人の血は混ざってるわ……でもあの人には一滴も混ざってないじゃない」




ルーサはどうして自分ではないのか



どうして自分を選んでくれないのか




全てが気になって仕方なかった





だが、ベジータはルーサの気持ちを無視するように言う




「………そうだ、確かにあいつにはサイヤ人でもなければ戦闘力もない、下品な女で面倒なことは首に突っ込みながり、いいところは特にないようなやつだ…だが、俺は少なくとも貴様のようなやつよりあいつの方がいい」



ブルマは二人のやり取りを静かに聞いていたが、ベジータの最初のほうの言葉に苛立つ


だが、後半の言葉に嬉しさがこみ上げる




そして何も言うことなく、静かに耳を立てる




だが、ルーサはズタズタにプライドが傷ついていく



そして俯くと、一言………




「ねぇ、私と他の星に行く気ないよね」



「……当たり前だ」



「そう、わかったわよ……あの人には手は出さない…約束するわ」




そういうと、ルーサは無言のベジータを通り過ぎるとブルマへと歩み寄る



そして小さく笑うと、ブルマに手を差し出す




ブルマは小さく首をかしげるとルーサが言う




「私の怪我が治るまでよろしくね、ブルマさん」



「あっ、よろしくね、ルーサちゃん」



ブルマはルーサを見上げると、手を握って優しく微笑む



そしてルーサも微笑んでブルマと仲良さげに話すのだった






―――だが、このとき、ブルマは知る由もなかった




ルーサがとんでもないことを考えていることに………





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69fes祭の期間中をお楽しみください!

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