参加作品

□サイヤ人の正体
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10分後―――――



べジータとブルマは荒地に着き、宇宙船が来るのを待つ



べジータは小さな岩の上に座って……


ブルマは落ち着かないのか、べジータの前をうろうろして……




べジータはブルマの落ち着きの無さに舌打ちを打つ



「ブルマ、大人しく座ってろ……」



「だって…気になってしょうがないんだもん…」



そういってブルマは空を見上げる



すると、見覚えのある丸い宇宙船が落ちてきて……


ブルマはあっ、と声を上げる



「べジータ、あれよね?」


ブルマは宇宙船を指差してたずねる


すると、べジータはブルマの問いに答えることなく立ち上がって高岩から降りようと浮かび上がろうとする



だが、ブルマはべジータの中に浮かんだ足を掴んで止める



「べジータ!私も連れてってよ!」



「ダメだ、あいつに殺されたらどうするつもりだ」



「それなら問題ないわよ、べジータが守ってくれるでしょ?」



ブルマは自身有り気に尋ねるとべジータは舌打ちを打つ



そして赤面しながらも地へ降り立つと、ブルマを抱えてもう一度飛び立つ




ブルマは小さく笑うと、べジータの耳元でありがと、と囁く



すると、さらに赤面してしまい、ブルマは内心、笑っていたのだった






それとは打って変わって、べジータは地面へと降り立つ



すると、ブルマを降ろし、自分の後ろを歩かせて腕を引く


ブルマはべジータの行動に従ってただ着いていく




そして宇宙ポッドの前に着くと、べジータは立ち止まって宇宙ポッドを見つめる


だが、ブルマは少し緊張しながら、べジータに尋ねる




「……ねぇ、この宇宙船、勝手に開くんじゃなかったっけ…?」



「勝手にではなく、中のやつが声をかけ開けるんだ……声をかけない場合はスリープ装置が故障している場合か…危険な状態で気を失って声をかけられないか、またはポッドの中で死んでるかのどれかだろう」



べジータは淡々と説明していく



だが、ブルマは最悪の場合を考えてしまい、少し冷や汗をかく


そして、べジータの腕を払いのけると宇宙ポッドへと近づく




べジータはブルマへ静止をかけるものの、ブルマはいうことを聞かず、宇宙ポッドの扉を開ける



扉は宇宙ポッド独特の音が鳴り開く




そして宇宙ポッドに乗っていたのは――――




ショートヘアの女性


だが、べジータのいっていたようにサイヤ人であった



その女性の腰にはサイヤ人の証拠である尾が生えていた


そして戦闘服を身に着けていたが、ボロボロに破壊されていて
黒く固まった血が座席や彼女の全身にこびり付いていた




ブルマは迷うことなく、治療道具が入っているカプセルを取り出すとスイッチを押して投げる



開かれる間にブルマは彼女をポッドから運び出す




だが、べジータは彼女に近づくと姿を見て驚く



ブルマもべジータの表情に気づいて、尋ねる




「何、あんた知ってるの?」



「………あぁ、まぁな」



べジータがそう答えるとブルマは治療道具を取り出してここでできる最低限の手当てをしていきながらべジータに尋ねる




「どういう関係だったの?」



ブルマは内心、怖がりながらも尋ねるとべジータはいう




「……ただのエリート戦士でたまに星へ制圧にいっただけだ」



「…つまり、親密な関係とかそういうんじゃないわよね」



「バカっ!そんなはずないだろう!」



べジータは少し赤面して少し怒鳴る


すると、ブルマは小さく微笑んで一言




「わかってるわよ、あんたが惚れたのは私だけだもんね」



ブルマは内心、安心しながらも言う


だが、べジータは大きく舌打ちを打つ




「勝手に言ってろ……」



「ふふっ、勝手に言ってるわよ」



ブルマは否定しないべジータに心底嬉しくなる



また、べジータは顔をそらして腕を組みながら赤面していたのだった







それからブルマは今、最低限にできる治療を行った



そして治療器具をしまうと、大型ジェットフライヤーのカプセルを取り出す




そのカプセルを岩の少ないところへ出すと、扉を開ける



そしてブルマが先に入ると、彼女を寝かせられるよう、折りたたみ式のベッドを開きべジータに言う




「べジータ、その子さ、ここに運んでちょうだい、私じゃ運ぶのに苦労しちゃうからお願いよ」




そういうと、べジータは倒れている彼女を見て、舌打ちを打つものの

彼女を肩へ担いでブルマが用意したベッドへと雑に降ろす



ブルマは軽くべジータを睨む



「ちょっと、もう少し丁寧にやってあげなさいよ……仮にも仲間だったんでしょ、まったく…」



そういいながら、ブルマはジェットフライヤーを目的地のC・Cへとセットして自動操縦に設定する



そして操縦席から立ち上がると、べジータが座る椅子の隣に腰を下ろす


だが、べジータはブルマの言葉に鼻で笑うと言う




「こいつは仲間じゃない……たまたまエリート戦士だったために組むことが多かっただけだ」



「でも一緒に同じことしたのは変わらないじゃない?だから仲間って言ったら仲間なのよ」



「………ふん、それはそんな感情は持ち合わせていない」



「まったく……いつもそれなんだから」



そういうと、べジータは無言になる


だが、ブルマは小さく笑うとべジータの腕に自分の腕を絡ませて言う




「でも私には丁寧な扱いしてくれるわよね、あんたって」



「…ちっ、勝手にしろ」



そうやってべジータは顔をそらす



だが、隣に座るブルマは嬉しそうに微笑んでべジータの肩に頭を預けたのだった





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こちらの小説は69fesに参加した作品です!



6月9日〜7月31日の期間をお楽しみください!

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