dream

『もう1つの出会い』
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(玲奈ちゃん、まだかなぁ〜…。)


翌日、サスケは約束通り森で玲奈を待っていた。


すると――


『サスケくーん!』


玲奈が声をあげながら走ってきた。


『はぁ…はぁ…遅くなっちゃってごめんね。』

「ううん、大丈夫だよ。」

『ほんと?よかったぁ〜。』

「じゃあ、行こっか!」

『うん!』


玲奈はサスケに案内され、サスケの家の前までやって来た。


「ここが僕の家だよ。」

『大きいね〜。』

「そうかな?あ、じゃあちょっと待っててね!」


そう言うとサスケは先に家に入り、自身の母親を呼ぶ。


「かーさーんっ!」

「はいは〜い」


明るい声と共に、中からサスケの母、ミコトが顔を出した。


「どうしたの?サスケ。」

「あのね、友達を連れて来たんだよ!」

「お友達?」

「うんっ!入っていいよ〜!」


サスケに言われ、玲奈は玄関へと足を踏み入れた。


『おじゃまします。はじめまして、涼白 玲奈です!』


にっこりと笑って挨拶をすると、ミコトも笑みを浮かべる。


「はじめまして、玲奈ちゃん。サスケの母です。」


挨拶を返すと、ミコトはサスケを軽く肘でつつく。


「サスケ、よかったわね〜!こんなかわいらしいお友達ができて。」

「う、うん」


ひやかされて恥ずかしかったのか、サスケは照れたようにほんのり頬を染めてそう返した。


「ねぇ母さん、兄さんは?」

「イタチなら2階にいるわ。」

「そっか。じゃあ、玲奈ちゃん行こう!」

「あっ、ダメよ!サスケ!イタチは今勉強中なんだから!」

「大丈夫だよ!すぐだから!玲奈ちゃん、こっち。」

「ちょっ、サスケ!」


そんな母の言葉も聞かずサスケは玲奈を連れて、イタチのいる2階へと駆け上がる。


「もう、サスケったら…。」


呆れながらも、ミコトは小さく笑う。


「イタチのことが本当に好きなのね…。」
























サスケは玲奈を連れて階段を駆け上がり、イタチの部屋へ入った。


「兄さん!」

「あぁ、サスケ。ん?その子は…?」


イタチは玲奈を見て首を傾げる。


「俺の友達だよ。」

『はじめまして、涼白 玲奈です。』


玲奈が挨拶すると、イタチも柔らかく微笑む。


イタ「あぁ、俺はサスケの兄のイタチだ。」

サス「じゃあ俺、玲奈ちゃんと遊んで来るね!」

イタ「あぁ、気をつけてな。」

サス「うん!行こう、玲奈ちゃん!」

『うん!』


2人は手を繋ぐと、イタチの部屋を出て行った。


イタ「涼白 玲奈…か。」


残されたイタチは1人、ぽつりと呟いた。
























『サスケくん、お兄ちゃんいたんだね。』

「うん、強くてかっこいいんだよ!」

『へぇ〜いいなぁ…。』

「えへへ。玲奈ちゃんはきょうだいいる?」

『ううん、私ひとりっこなんだ。』


そんなことを話しながら遊んでいる内に、あっという間に時間は過ぎていった。


『あっ、もうこんな時間だ!それじゃあ私、帰るね。』

「うん、わかった。」

『今日はすごく楽しかったよ!ありがとう。』

「俺もすごく楽しかった!」

『今度は、私のお家にも遊びに来てね。』

「うん!」

『じゃあまたね!』

「ばいばーいっ!!」


笑顔で手を振りながら2人は別れた。
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