華籠恋謳

□誰かの一番になる為に
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誰かの一番になる為に産まれて来たんだ、なんて



昔は信じてなかったけど






「佐助!」
「んー、何旦那」
「慶次殿がまた来るという書状を送って来たでござる!」
「えー、また?頑張るねぇ」
「もう近くに来ておられるかもしれぬ…!俺は逃げるぞ佐助ぇ!」
「頑張って〜」



槍を持って駆けて行くこの旦那にしたってそうなんだよね…



風来坊の“一番”だもんね、旦那は




それに旦那にとってもある意味風来坊は一番だろうし、


…ドキドキさせられる回数において、だけどね。
それ以外はうちの大将には敵わない敵わない




…でも最近は何だかんだ言いながら傍にいて嬉しそうだしねぇ。ほだされてるなぁ旦那…








言わずもがな、奥州のお二人さんはお互いがお互いの一番。



竜の旦那は良くも悪くも片倉の旦那に依存してるし


片倉の旦那はまさに竜の旦那が“命”そのもの。




…多分小さい頃から一緒に居るって言うのも関係してるんだろうけど、絶対お互い裏切ったりはしないんだろう。







瀬戸内のお二人は?



鬼の旦那は確実に毛利の旦那が一番なんだよね…蹴られても燃やされても…



毛利の旦那にとっての鬼の旦那は…



…どうなんだろう?





でもたぶん、一番なんだろう。
鬼の旦那と一緒にいる旦那はどこか雰囲気が柔らかいから…






じゃあ俺はどうな訳?

と自らに問う



……小太郎が一番…



一番…………


主である旦那と比べたら?



…でももし小太郎と旦那が崖から落ちそうになってたら俺様は絶対旦那を助けるだろう
うん。間違いない




…まぁでもそれは大事、の種類が違うというか…。




好き、の一番は小太郎なんだよね。やっぱり




小太郎はどうなんだろうなぁ…

少なくとも俺以外に“好き”な部類は居ない…とは思ってるけど




もっぱら一番の敵は北条氏政…かな?




やっぱり好きな相手には一番に思って貰いたいもんだよね。



…ちょっと会いに行きますか…





小田原まで!
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