男女遊戯

□愛し君へ・弐
1ページ/8ページ

 


「おい長曾我部…テメェ今日も懲りずに…」
「Goodmorning my darling!」






殺気に満ちようとしていたその場に似つかわしくない語尾にハートマークが飛んでそうな台詞だった、と一番傍にいた元親はその日の昼休みに慶次と小太郎に語って聞かせた



小雨がちらつくこの日も、元親は予鈴が鳴るまで戦場校の正門の前に立っていて、その影に寄り添う様にして先ほどのハートマークが飛んでそうな台詞を発した張本人である政宗が折りたたみ傘を差して立っていた



そして何時もの如くその元親を迎えに来た…もとい追い返しに来た戦国校の生活指導教師、片倉小十郎はその勢いに圧倒されぽかん、と元親の隣でにやりと笑顔を浮かべる政宗を見ているだけだった



「さっきから長曾我部に色々聞いてたんだけどよ、片倉小十郎・戦国校古典教師兼生活指導教師、27才、独身、実家は白石、園芸部の副顧問で学校の園芸部の畑の片隅で野菜を育ててる、と当たってるか?」
「あ、ああ…」
「野菜を育ててるってのが意外だったんだけどな、それって心根が良いって事だろ?ますます惚れ直したぜ小十郎」




にっ、と笑う政宗に漸く正気を取り戻したらしい小十郎は元親を一睨みしてさっさと退散させるとはぁ…と息を吐く


 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ