遊戯咏
□魔女と使い魔〜元就と元親〜
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その日、我は巷で噂の鬼が出ると言う海岸に居た。
切り立った崖の上、海から心地良い風が吹き付けて来る。
「……海風と言うのは心地良い物だな……」
「……おい、そこのアンタ、そんな所に居たら鬼に喰われちまうぜ?」
声が聞こえた方を見れば、月明かりを吸い込んだかのような銀髪がそこにあった。
「喰われる?我がか」
「ああ、アンタみたいな別嬪さんが一人歩きしてりゃ良い標的だぜ?鬼の噂は知ってんだろ?」
「……まぁな」
「なら早く家へ帰んな、なんなら送ってやろうか?」