遊戯咏
□落花流水・拾壱
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刻一刻と過去から未来へ回り続ける歯車。
大小いくつもの歯車か噛み合い、動いている
それはパズルの様で
あと一つ、
あと一つで全てが動き出す
その行く末が創造か破滅かは…未だ、誰も知らない
落花流水
最終章
“記憶の彼方”
政宗は夢を見ていた。
何も無い暗闇にぽつんと一人立っている
(夢……か?)
ふと気配を感じて後ろを見れば今まで其処に居なかったモノがいた
(龍………)
蒼の鱗に包まれた巨大な龍が身体を丸め横たわっている姿を見つめていた政宗はある事に気が付いた。
右目が、潰れている
(独、眼竜……)
ふと頭を過った言葉を反芻しながら政宗は竜に近づく。
頭だけで政宗の上半身ほどの大きさを持つ竜は呼吸はしているようだが微動だにしない
(……悲しんでる…のか)
そっと頭に手を触れると竜の感情が頭に入って来る
―片割れを喪ってしまった、もう上には昇れない。一人ではどうすることも出来ない
(…やっぱり、悲しいのか………大事だったんだな…片割れ、ってヤツが…)
―あいつが居たから高みを目指す事が出来てたんだ…
(そうか…………お前は、俺の……)