遊戯咏

□変わりゆくココロ変わらないモノ
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「相変わらず片付いてんなぁ…ん?」
「何だ」
「あれアルバムかぁ?あんなモン今まで無かったよな」
「……今日兄上が押し入れから出して来られてな」
「…ちょっと見」
「見せぬぞ」
「何でだよ!減るモンじゃねぇだろうが」
「喧しい、それよりさっさと分からぬ所を言え」




そう言って椅子に座る元就の一瞬の隙をついて元親は本棚から一冊アルバムを引き抜いた




「!」
「さてと…」
「止めぬか馬鹿鬼!」
「お、やっぱり俺の家にあるのと大分被ってんな…でも元就の母さんは几帳面だよな、毎回毎回コメントまで書いて…ん?」
「ばっ、馬鹿者!読むでない!」








「“元就は元親ちゃんをお嫁さんにしたいんだそうです”…?」
「〜っ!!//」
「お…おい…コレ……」
「喧しい!帰れ!落ちて骨折でもしろ!」
「まっ、待て待て待て!落ち着け元就!」
「今の貴様が好きな訳ではないわ!昔、の…」
「……元就…」
「……貴様が女の格好をしておったからだ!だから…」
「…俺を女だと思ってた、と」
「し、仕方なかろう!一つ上だと言うのによくこけるわ、泣くわ、弱いわ…男になど思えるか!」





珍しく感情を露にして真っ赤になって怒鳴る元就の頭を撫でてやりながら元親はふと思い当たる事があった



「……って事は俺が此方に帰って来てから態度が変わったのは」
「貴様が筋肉ムキムキの変態露出狂になっていたからだ」
「…後半は聞き流してやるけどよ、でも言っただろ?強くなって帰って来るからってよぉ」
「……計算外だ」
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