華籠恋謳
□獣眼
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「味方の…しかも君の次ぐ立場の者に斬られていく兵達は虚しい死に様だったよ、皆何かの間違いだと言っていた」
再び小さい金属音。
「……俺も、殺すのか…小十郎…」
「……」
「成実も…皆殺して、奥州を手に入れるか?俺を裏切って」
口に出して、絶望した。
裏切られたと言う現実が一気に押し寄せて、振り向けなかった
「…俺に仕えるのに嫌気がさしたか」
「…奥州筆頭、伊達政宗…」
「……」
「ただの軍師でしかない俺にとってお前のその肩書きがどんなに重かったか、分からねぇだろうなお前には」
「…だから殺すのか、俺を」
「ああ…殺す」
ぐい、と腕を引かれ嫌でも目が合う
「“奥州筆頭”をな」