華籠恋謳

□獣眼
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そして、松永の元にたどり着いた時にはもう兵は俺の後ろにはついていなかった。



ただ着いて来られなかっただけだと思っていた。




その瞬間が訪れるまで












松永の元にたどり着いた時、奴は俺達を見てニヤリと笑った






「……何が可笑しいんだ、松永サンよぉ。悪いが前と同じ手は食わねぇぜ?」
「ククク……まだ気づいていないのかね、独眼竜」
「何…?」
「何故君の兵は此処まで来ない?」
「……?」





「ま、政宗様…」







か弱い声で俺を呼んだのはふらふらとこちらへ向かって来る一人の兵



地面に倒れ込んだそいつを抱き起こし問う




「隊は!アイツ等はどうした!」
「全滅…で、す……は、やく…逃げ…」
「誰にやられた!三好か?!」







震える手で兵が指差したのは、俺の背後








「…っおい!しっかりしろ!小十郎!兵は―…」



「一発で殺せてなかったとはな…俺の腕も落ちたモンだ」






刹那、鈍い音が聞こえた








そう、刀で首をはねた時のあの鈍い…













目の前に転がって来たのは…
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