GODEATER

□一章「初任務」
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あの日から数日。
何故かそれほど難しくはなかった訓練を一通り終わらせると、終わらせて早々に初任務だそうだ。
……うん?サカキ博士のメディカルチェック?
精神的に疲れた、と言っておこう。何かある度に『おおっ!』とか『これは!』とか言うのをやめてくれ。

どうやら同行者の生存率90%の凄腕の実力者と一緒に行くんだとか。
ちなみにコウタは一緒じゃない。新人を固めても面倒を見きれないからだろうか。

ミッションの受注を請け負っているカウンターの近くで立っていると、頭を掻きながら男が一人やってきた。
この人が凄腕の実力者なのか?

「あ、リンドウさん。支部長が顔を見せに来いとおよびでしたよ」

「オーケー、見なかった事にしといてくれ」

「分かりました」

良いのかそれで。
仮にも支部長に呼ばれているのだから、顔を見せるくらいはした方が良いんじゃないだろうか。
それとももしかして支部長って嫌われてるのか?

「お。よう、新入り。」

「どうも」

「俺は雨宮リンドウ。形式上、お前の上官にあたる。…が、まあ面倒くさい話は省略する。ま、とりあえずとっとと背中預けられるくらいには育ってくれ、な?」

雨宮リンドウね。覚えた。
思っていたのとは大分違うが、まあ所詮はイメージ、違うこともある。
てか面倒くさい話は省略って。何も考えず生き残ることを最優先にしろと言う事か?
分かってはいたが、つい先日まで平和な世界で生きてきた学生が生き残れるのかこれ。

「あー、もしかして新しい人?可愛いじゃない」

「俺は男です」

男が可愛いと言われても嬉しくない。という意味を込めたんだが、これだと俺がまるで女に見えると思っているようだな。失敗したか。
いや、しかし、露出激しくないですかね。

「風月トオルです。よろしくお願いします。」

「あらあら、礼儀正しいわねー」

どうやらこの女性は細かいことはあまり気にしないようだ。
リンドウさんといい、この人といい、なかなか気さくな人が多いな。

「あーサクヤ君。今厳しい規律を叩き込んでるからあっちに行ってなさい」

「了解しました、上官どの」

そういうとサクヤと呼ばれた女性はこちらに微笑みながら手を軽く振って向こうへと去って行った。
いや、気さくな人が多いのは一向に構わないんだが……
こう、何だ。
階級なんかから思うに上下関係が激しそうだなあ、なんて思っていたんだ。
常識(?)に囚われてはいけないのですね!などと一瞬頭に過ったが気にしないことにしよう。流石に常識を投げ捨てるほど俺は根性が座っていない。
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