小説

□表情なんて自分で作れないのに
1ページ/1ページ


どんな表情をして、どんな仕草をしているなんて
自分が知っている範囲にはありません

だからミーがどんな表情をしようともミーには関係ないのです

「死ね、堕王子」
「死ね、カエル」

これは先輩が勝手に被せたんじゃないですかー
と心のなかで愚痴りながらさっきから止まらない溜め息を落とす
飛んでくるナイフを交わして低レベルな言い合いをしていると止めたくても止めれない
ベル先輩は楽しそうに口をつり上げている
何が楽しくて、何が面白いのか教えてもらいたいくらいだ

「……何が楽しいんですか?」
「は?」
「何でニヤけてるかって聞いてるんですよー」
「別に楽しくねーし」

でもやっぱり笑みを絶やさないベル先輩は異常なのか?

「あえていうなら…フランと一緒にいるからとか」
「きも」
「うわ、この後輩うざい」
「堕王子に言われたくないです」

あぁ…聞かなければよかった、と後悔する
そしてふっ、と視界に陰がかかった

「フランはちょっとくらい照れてくれないわけ?」

近い、一瞬でそう悟った
声が頭の上から落ちてくるのだ、当たり前だろう

「…何でミーが照れないといけないんですかー?」
「可愛いだろ?ししっ」
「うわー、この人ショタコンだー」

上を見上げて先輩に口説かれながら会話をする
結構日常茶飯事見る光景であるが、先輩に負けたことはない
ほら口だけは立派ですから、ミー
今回は照れて欲しいらしいですが、ミー自身どうやって照れるか分からないので言われても出来ません
言われてもやりませんけど

「ふーん…あ」
「?」
「ちょっと用事思い出した」
「なら早く行ってくださいよー」

思い出しかたがベタ過ぎる
絶対あれだろ、嘘にしか聞こえなかった

「えー…だって面倒だし」
「早く消えろ、堕王子」
「フランと一緒にいたいし」

言い終わると同時に先輩の携帯が鳴る
タイミングが良すぎる携帯に表示された名前をみるとベル先輩はげっ、と嫌そうな顔をした
そして少し悩んだが携帯を開いて30センチくらい耳から離す

《ヴォォォオオイ!!ベルゥゥ!!遅いぞッ!!》

丸聞こえな電話であった
そして、さっきの先輩の用事は本当だったらしい
隊長は随分御機嫌斜めで、先輩が殺されないかとおもうくらいだ

「だって忙し…」
《知るかぁッ!!早くしろ!》


忙しいって今までミーと言い合いしてただけじゃないですかー
一様マナーを守って口には出さないがそう思った
でも何故かいけないことなのに、嬉しかった感情的

「いいじゃん、俺いなくても」
《ざけんな!!前々から言ってあっただろうがッ!!》
「だから…」
「ミーに貸してください」

先輩の携帯をとり、ミーは普通に電話を切った
そして電源を落として先輩に返す

「おー…フラン」
「何ですかー?」
「怒られるの俺何ですけど」
「はじめっから怒られてたじゃないですか」

そしてふいっ、顔を背けた

「フラン、何照れてんの?」
「うるさいですー」

あぁ、何やってしまったんでしょうー


(ししっ♪)
(嬉しそうにすんな、堕王子)



***
久々な小説upですねー
どことなくはまってしまったベルフラ書いてみました
初がきでした、キャラが掴みきれてない←


.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ