04/20の日記

23:32
ずっと忘れないと誓ったのだ
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※藤丸立香成り代わりは2

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・捏造設定、ご都合主義あり、一部ちゃんねる形式あり
・奏章Uネタバレ全開です
・復讐者クラスサーヴァント特にエドモン、ジャンヌオルタ贔屓
・エドモン✕成り代わり主+ジャンヌオルタが基本です
・視点がころころ変わります
・前作の続きから
***



《藤丸立香》を始めとしたアヴェンジャークラスのサーヴァントがアラヤ側に降臨してから体感的に二週間後。
マシュ・キリエライトはその座を訪ねていた。

(緊張しますね)

彼女は本来なら英霊の座にいるべき存在ではなかった。
マシュ・キリエライトは英霊の力を借りているデミ・サーヴァントだからだ。
しかし、それを良しとしない人物がいた。

(ドクターの話では私の英霊化に先輩が絡んでいるということでしたから)

因みに彼女以外のガイア側の英霊はアラヤ側にいくことを現在は禁じられている。
何故ならアラヤは改革の最中であり、何よりも騒動の中心人物である藤丸立香本人がまだ本調子ではないからだ。

「ああ、来たわね。久しぶり、マシュ」
「ジャンヌ・オルタさん」
「中に入って。他の皆もいるわ」
「はい、お邪魔します」

座の中に足を踏み入れる。
すると、暗い密林の中に一つの塔があった。

「私から離れないで。アヴェンジャー以外が足を踏み入れると迷う構造になっているから」
「侵入者対策ですか?」
「まあ、そんなもんね」

ジャンヌ・オルタはマシュの手を引きながら迷わず塔を目指していく。
そして、躊躇いもせずに塔の扉を開けた。

「おかえり、ルタ。ありがとう」
「別に。これぐらいなんてことはないわよ」

迎えたのは懐かしい声。
忘れもしない大切な先輩。
マシュ・キリエライトに色彩を教えてくれた人。

「せ、せんぱい……」
「久しぶりだね、マシュ。ちゃんと座に至られたみたいで何よりだよ」
「はい……」
「コーヒーで良いか?」
「エドモンさん。お久しぶりですね」
「ああ、久しぶりだな」
「コーヒーをお願いできますか。先輩と同じ味で」
「承知した」

塔の中はマシュが想像していたものと違った。
視界に広がる暖色系の壁と床。
巨大で広いその部屋には複数のコタツや暖房器具が置かれている。
巨大なホットカーペットの上ではロボとゴルゴーンが眠っているし、別のコタツではサリエリが楽譜らしきものを書いており、ヘシアンがその様子を眺めている。

「あの塔は見せかけだよ」
「見せかけですか?」
「この座には複数の英霊がいるから。だから、日によって色々と変わる」

マシュは空いている座椅子に座る。
隣にはジャンヌ・オルタ。
そして、正面には藤丸立香とエドモンの座椅子がある。

「先輩」
「うん」
「これだけは言います。私、先輩に英霊の座(ここ)で会えて嬉しいです」
「貴方を復讐に利用したのに?私は自分の都合で貴方を英霊に押し上げたのに?」
「はい、それでも。わたしは先輩と会えて嬉しいです。皆さんが何と言おうと私は先輩の味方ですから」

すると、藤丸立香は目を丸くした後、何とも言えない表情をした。
そんな彼女にかけられる声。

「だから、言っただろう。マシュ・キリエライトがお前を恨むものか、と」
「だって」
「そもそも、お前が害あるものなら、魔術王が止めるだろうよ」

コーヒーを持ってきたエドモン。
そのまま、彼は淹れたてのコーヒーをマシュの前においた。

「ありがとうございます。エドモンさん。
これ、お茶請けにどうぞ」
「開けましょうよ、再会記念に」
「そうだね。ありがとう、マシュ。私も会えて嬉しいよ」

そう言って立香は微笑む。
それを見たマシュは安堵する。
あの時、泣けなかった先輩はやっと笑えるようになったのだと。



***



【アラヤ専用】雑談板【アラヤ公認】



346ななしのアラヤ

今日、黒聖女が見知らぬ少女を座に案内していたけど復讐者クラスの新人?


347ななしのアラヤ

違う
あの子は星の大将の知り合い
だから、アラヤが会いにいくことを許した


348ななしのアラヤ

なる


349ななしのアラヤ

ガイア側の英霊か


350ななしのアラヤ

制服みたいなもの着ていたし納得
神秘が薄れているのに良く英霊になれたな


351ななしのアラヤ

あの子はアレだな
星の復讐計画の一環で英霊となった娘だ


352ななしのアラヤ

あー、星の復讐か


353ななしのアラヤ

アレは復讐というかなんというか


354ななしのアラヤ

星大将「人理に中指立てる準備するから無しで」

ガイア側のスカウトを断った衝撃の理由


355ななしのアラヤ

発言内容だけなら守護者案件


356ななしのアラヤ

まあ、星は本当に文句を言って中指を立てただけだから
明確に敵対した訳じゃないし


357ななしのアラヤ

あーでも働き方改革を提案してくれたのは助かった
ガイア側の英霊のことは知らないけど、こっちは星が座に来るまではアラヤと一方通行だったからな


358ななしのアラヤ

星の凄いところはアラヤを否定しないこと
ただ使い捨てシステムに苦言を呈しただけ


359ななしのアラヤ

その理由も貴重な英霊がもったいないからという真っ当な理由
星の大将の好きなところは果ての消滅を許してくれること


360ななしのアラヤ

本当にそれ
今までガイア側の奴らは憐れみを持って接してくるんだよな
摩耗の果ての消滅なんか絶対駄目って
俺達が求めているのはそれじゃない


361ななしのアラヤ

星「消えたいならしょうがないよね。生きることだけが幸せじゃないから」

星の大将のスタンスは一貫してこれだから


362ななしのアラヤ

但し、怪我を放置すると普通に怒る
後は休みの日に休まないのも駄目


363ななしのアラヤ

まあ仕事の効率が落ちるのは事実ですし


364ななしのアラヤ

参考例としてジャパンのブラック企業の映像を見せてくれたがアレは衝撃だった


365ななしのアラヤ

見た見た
何あの悪夢みたいな人間の末路


366ななしのアラヤ

わかる
戦場と違って簡単に死ねないからまさに生き地獄だもん


367ななしのアラヤ

働き方改革を提案した理由が分かった
まあ、星が言っている弾切れ問題も分かる
段々と英霊全体の数が減ってきてるし


368ななしのアラヤ

なのに、こちら側の仕事は増える一方だったもんな
そりゃ、星の大将も復讐者達の独占を宣言するよな


369ななしのアラヤ

そもそも、今いる最弱先輩以外の復讐者達は星の大将以外に扱えないと思う


370ななしのアラヤ

わかる
しかし、復讐者達は強すぎない?
俺達が複数でかかる仕事を単騎でぱぱっと終わらせていたし


371ななしのアラヤ

黒聖女「今日のノルマ、終了と」
俺「早くないですか?」
黒聖女「こんなのカルデアにいた時に比べれば準備運動みたいなものよ。特に私達は火力特化型が多いし」
俺「えぇ…、どんだけですか」
黒聖女「サーヴァント達が過労という概念を覚えるぐらいの仕事量。まあ、マスターはかなり気を配ってくれたけど」

黒聖女との会話


372ななしのアラヤ

ヒェッ


373ななしのアラヤ

あーそうか
復讐者クラスって忘却補正があるから


374ななしのアラヤ

なるほど
忘却補正があるからカルデアの経験をそのまま活かせるのか


375ななしのアラヤ

それが復讐者クラスの強みだよな
星の大将もそれが分かっていたから彼らと歩むことを決意したのかもしれん


376ななしのアラヤ

個人的にはこの掲示板とかの娯楽が増えたのも嬉しい
ここって宝具以外のものは持ち込めなかったし


377ななしのアラヤ

わかる〜
仕事に不満はないんだがたまには休憩したい時もある


378ななしのアラヤ

それな
アラヤ英霊専用の酒場が有り難え
酒が飲めるのはデカい


379ななしのアラヤ

わかる
しかも、評価ポイントで飲めるからタダみたいなものだし


380ななしのアラヤ

確か酒場の雰囲気が苦手な奴らのために食事処もあるよな


381ななしのアラヤ

あるある
ドリンクバーとかランチタイムとかモーニングとか凄いな


382ななしのアラヤ

これも確か星の大将の考案?


383ななしのアラヤ

そう
働き方改革の一角
疲労回復にもなるし、魔力回復もする
俺達が魔力的な意味でギリギリな事に気がついたらしい


384ななしのアラヤ

ほえー、流石人類最後のマスター


385ななしのアラヤ

食事処は現世のファミレス?というのを参考にしたらしい
星の大将も黒聖女と一緒に良く通ったらしいぞ


386ななしのアラヤ

サーヴァントに食事がいらないとかそういう事じゃなくて
なんかこう働いた実感が欲しかった


387ななしのアラヤ

分かるマン
しかし、ファミレスって美味しいね


388ななしのアラヤ

星が言っていたがファミレスは基本的に庶民のお店らしい


389ななしのアラヤ

納得した
向こう側と違ってこっちは庶民も多いし


390ななしのアラヤ

落ち着く理由はそこか〜


391ななしのアラヤ

まあ、タダみたいなものだから
これからも通い続けるぜ


392ななしのアラヤ

それな!


393ななしのアラヤ

とにかく、星の大将には感謝だな



***



案の定、寝落ちをしてしまった二人を見てため息をつくエドモン。
しかし、その表情は優しいものだ。

「二人共、部屋まで運んでおくわ」
「ああ、頼む。こちらは向こうに連絡しておく」
「晩御飯の時間までは寝かせておきましょうか」
「そうだな」

私は二人の少女を抱える。
そして、近くにある寝室に入る。

(本当に不思議。念じれば部屋がでてくるなんて)

私達の座に決まっている部屋はあの巨大なリビングとキッチンがあるあの場所のみだ。
その他の場所については念じれば出てくる仕組みになっている。

「よいしょ、っと」

二人を起こさないようにベットの上で寝かせる。
幸せそうに眠る二人を見ると思わず表情が緩んでしまう。
まるで、カルデアにいた時のようだ。

(折角だから、纏めておこうかしら)

思い立ったら吉日。
近くにある机からノートを引っ張り出し、慣れた手つきでペンを取り出す。
そして、私はあの時の事をゆっくりと思い出し始めるのだった……。


「は?」

思わずついて出たのは驚きの声。
だって、自分は泡沫の夢の存在。
自主退去を選んだとはいえ、正規英霊ではない自分に未来などなかったはずだ。

「おう、起きたか」
「アンタは。座の先輩か」
「現状を把握しているようで何よりだ」

感覚を確かめる。
どうやら今の自分は霊体化しているようだ。
あたりに視線を向けるとそこには複数の結晶。

「ここは英霊の座なの?なんか暗くない?」
「今は人理が不安定だからな」

結晶の中には同じアヴェンジャークラスのサーヴァント達が眠っている。
そう、カルデアから自主退去を選んだ彼らがそこにいた。

「何があったの?」
「あー。お前さん達の愛が思っていた以上に強すぎた」
「は?どういうことよ」

気まずそうな顔をするアンリマユ。
彼はそのままぽつりと話し始めた。

「だから、自主退去が世界にとって予想外だったんだよ」
「予想外って」
「人理としてはアヴェンジャークラスを理解してくれればそれで良かった。けど、カルデアのマスターは理解しすぎてしまった」

簡単にするとお前達の愛が世界の思惑を超えたんだよ。
その意味を理解した私はため息をつく。

「なんとなく私がここにいる理由が分かったわ。要するにエドモンのせいね」
「おう。それで合っている。因みにアイツの別霊基がカルデアに登録されたから、さっき召喚されたぞ」
「茶番じゃないの!」

とりあえず、後でエドモンを燃やそう。
決意を新たにした私は先輩の話に耳を傾ける。

「そもそも、マスターは人類最後の希望だ。あそこで折られたら困るのは世界だ。そして、カルデアの戦力低下を望んでいなかった」
「でも、あの子は選んだ。色々な事を飲み込んで私達の別れを受け入れた」
「受け入れたが納得はしてなかったぞ」

それはそうだろう。
マスターちゃんはエドモンと恋仲だ。
恋人達の別れとしてはあまりにも唐突なものだ。

「抑止力が別世界のマーリンを喚ぶほどには荒れていた」
「別世界のマーリン?」
「ああ。とにかく、来たるべき時が来るまではオレがアンタ達を預かることになった」
「来たるべき時?」
「いつかの未来、カルデアではない場所で藤丸立香はアヴェンジャーを召喚する」

アンリマユが告げた言葉に息を飲む。
それはつまり。

「あの子はまだ安らげないの……」
「そう悲観するな。他のアヴェンジャーはその未来まで眠ることにした。お前はどうする?ジャンヌ・オルタ」

大筋は理解した。
つまり、彼らは藤丸立香以外のマスターを認めないということだろう。
  
「私も同じよ。エドモンの思惑通りに進むのはアレだけど、マスターに泣かれて困ると良いわ」
「そうか。なら、眠ると良いさ。来たるべき時までな」

結晶が私の身体を包んでいく。
すると、どこからともなく花の香りがした。
そのまま私は温もりにこの身を預けるのだった……。



***



初めてのアラヤはマシュにとって驚きの連続だった。
久しぶりに見た先輩は思っていた以上に元気そうだったし、他のアヴェンジャークラスのサーヴァントも歓迎してくれた。

(こんなにくれて…。やっぱり、先輩には敵わないません)

アラヤ内にあるファミレスとやらも楽しかったし、そこにいた英霊達も優しくしてくれた。
ファミレスの食事も美味しかったが、先輩やジャンヌ・オルタが作ってくれた晩御飯も良かった。

「おかえり。マシュ」
「ただいまです。ドクター」

因みにガイアの境目まではサリエリが見送ってくれた。
エミヤから守護者の実態を聞いた時は少しだけ心配したがあれなら大丈夫。

(本当に良かった)

エドモンを始めとしたアヴェンジャークラスがカルデアから退去してしまって。
それは寝耳に水の出来事だった。
引きこもっていた彼女は別世界のマーリンを喚び寄せた。

(やっと先輩は取り戻せたんだ)

あのマーリンのおかげで先輩はまた歩き出すことが出来た。
そして、長い時を経て。
私達とまた再会することが出来た。

「本当に敵わないな、立香ちゃんには」
「ドクター?」

テーブルの上に置かれたのは一つの石。
一見そこら辺にもあるただの石に見えるのだが。

「マシュ。先に言っておくよ。明日からボクは死ぬほどへこむけど気にしないでね」
「それは……」
「立香ちゃんから貰ったこれを観てみたけど冒頭から結構キツかったから」

藤丸立香は後輩である彼女にいくつかのお土産を持たせた。
ロマニに渡されたのはその一つである。

「ドクターの自業自得では」
「うーん!正論!別世界のマーリンにも同じ事を言われたよ!!」
「あのマーリンさんは何者なんですか?」
「世界の許可を得て色々とやっているマーリンだよ。ボク達の知っているマーリンより感性は人間寄りだけどね」

そこがまたたちが悪い所でもある。
そう言って、彼はため息をつく。

「立香ちゃんがアヴェンジャー達を独占した理由も何となく分かったよ」
「え?」
「人理に中指を立てたかったのも本音だけど。きっと彼女は無かったことにはされたくなかったんだよ」
「先輩らしいです」

別世界のマーリンと別れ、脇目もふらずに新しいアヴェンジャーを召喚。
彼を召喚した時に一瞬だけ見せた何かを決意した表情。
その顔をマシュは一生忘れることはないだろう。
いつかこの世界が終わるまでは。



藤丸立香は再会する
 (たとえ本人が忘れても)



***


エドぐだ世界線第二弾
今回はマシュとの再会が中心 
本編としては次で完結予定  
イドモンとかエデとか成り代わりのお土産とかを色々回収予定 
アヴェンジャー二人の聖杯戦争とかは番外編で書くかも
このシリーズは番外編がメインです

以下、いつもの

◯藤丸立香成り代わり
ブラック企業駄目絶対なアラヤの英霊
摩耗問題を何とかしかったのは八割ぐらいはエミヤのため、二割は他のアラヤの英霊の為である
彼(エミヤ)が摩耗で消えるのは絶対に阻止しないとまずいことを知っているので
復讐の為にマシュを利用したのは罪悪感を抱いているがロマニに対してはそこまでではない
ガイア側の英霊が色々と言っていたのを聞いたのでマシュにお土産を持たせた
アラヤの英霊からの呼び名は星もしくは星の大将、復讐者のリーダー、人類最後のマスターなど

◯マシュ
永遠の後輩、ガイア側の英霊
ソロモンの座でロマニと同居中
アラヤが彼女にだけ許可を出したのは他の面々だとアラヤ側の英霊が刺激されそうだから
初めてのファミレスに興奮した
特殊な英霊の為、アヴェンジャー達と同じくカルデアの出来事に関しては殆ど覚えている

◯ジャンヌ・オルタ
巻き込まれ被害者
アヴェンジャークラスの唯一のツッコミ役
エドモンと同じく現世に長い時間いたのでジャンクフードが恋しくなってファミレスを成り代わりに考案した
アンリマユから真相を聞いた後、他のアヴェンジャーと同じくボイコットした
カルデアの旅が終わった後、戻ってきたイドモンを殴った

◯エドモン
成り代わりの共犯者兼恋人
ある意味で人理の予測を裏切った 
その結果、別世界のマーリンに説教され恋人の吹っ切れスイッチを押してしまった
その後にまさかの別霊基が召喚されたのは完全な誤算
なお、その事に関してカルデアの出来事が終わった後に他のアヴェンジャー達からフルボッコされた

◯その他アヴェンジャー
巻き込まれた被害者その2
自主退去には納得しているがエドモンのその後の行動はアレだったので殴った
人理は人の心が分からない…と思いながらも成り代わり以外に召喚されるのも癪だったのでボイコットした

◯アンリマユ
アヴェンジャークラスの大先輩
後輩を援護した結果、色々と壮大なすれ違いが起きて大爆笑した
後輩達がボイコットするのは分かっていたので来たるべき時が来るまで彼らの本体を預かっていた

◯ロマニ
魔術王
成り代わりのプレゼントで精神がべこべこにへこむのは確定している
 
◯アラヤの英霊
働き方改革のおかげでマシにはなった
ブラックからグレーぐらいには落ち着いた
最近やっと娯楽が導入されてハッピー
カテゴリ: 藤丸立香成り代わり

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