12/26の日記

08:38
焼きついて離れない
---------------
※こんな感じのトレーナーがブルーベリー学園にいたら?的なお試し書き


***
・捏造設定、ご都合主義あり
・DLC全般のネタバレあり
・一部キャラに厳しめ
・ちゃんねる形式あり
***



「もういい加減にしてください!」

その日、ブルーベリー学園の食堂で絶叫が響いた。
途端に騒がしくなる周り。

「いまなんて言った」
「いい加減にしてください、と言ったんです。チャンピオンスグリ」

ハピナスを連れた一人の女生徒。
彼女は灰色の瞳を鋭くする。

「もう限界です。チャンピオン・スグリ。そして、カキツバタ」
「俺?」
「ええ、貴方達です。今まではタロやゼイユ先輩の顔を立てて我慢してきましたがもう我慢できません」
「カントちゃん……」 
「タロ。流石にこれはもう駄目。パルデアリーグとイッシュリーグ。そして、家にも報告したから」

その言葉を聞いたタロの表情が曇る。
カントと呼ばれた少女はパルデアからの留学生に向き合う。
そして、深く頭を下げる。

「本当に申し訳ありませんでした。この三留野郎の言ったことはどうか忘れてください」
「カント!お前!!」 
「チャンピオンから逃げた元猿山の大将がグダグダ言うな!!!」

さっきよりも大きな声。
彼女のハピナスが心配そうに見つめる。

「タロの言うとおり!部外者であり、パルデアからのお客様の留学生をリーグ部の問題に巻き込むな!!カキツバタ、お前のやっていることは国際問題になる!!」
「お前に何が分かる!」
「……年上が年下に甘えるんだ。これだから、勘違い野郎は」
 
大きなため息。
こんな騒ぎになっても教師は来ない。
これがこの学園の限界。

「あの、わたしはスグリと」 
「存じています、パルデアチャンピオン・アオイ。ゼイユ先輩から聞いていますから。しかし、それとリーグ部の問題は別なんですよ」
「え……?」
「本来ならこれは私達だけで解決する問題なんです。まあ、本当は教師の仕事だとは思うのですが」

戸惑うパルデアの留学生に説明をするカンユ。
彼女はスグリに言葉をかける。

「ゼイユ先輩に許可を貰いました。チャンピオン・スグリ。私が勝ったら、リーグを退部して今までの被害者に謝罪してください」
「……」
「この問題に関しての対処の権限をイッシュリーグから許可を貰いました。カキツバタ、貴方もです。私が勝ったらリーグを退部してください。拒否権はありません」

公式の印が捺印された用紙。
それが示すのはリーグにこの騒動が認知されたということ。
二人はそれに了承し、そして。
この日、ブルーベリー学園は再び揺れ動くのだった……。



***


【激おこ】枕木無双事件について【順当?】 




56名無しのブルーベリー生徒

宣言通り、本当に引きずり落とすとは思わんかった


57名無しのブルーベリー生徒

枕木、凄い強かったんだんな


58名無しのブルーベリー生徒

それな
いつも死んだ目してて暗いやつだなって思ってたわ
ハピナスつれているから余計に


59名無しのブルーベリー生徒

わかる
食堂の時、お前そんな声出るのか!?ってなったもん


60名無しのブルーベリー生徒

まあ、弟君の暴政のせいでメディカルルーム限界近かったもんな
なんか外へ学習する三年についていくから保険医がいなくて、保険医のかわりをずっとしていたのは枕木だもん
そりゃ、リーグ部にブチギレるわ


61名無しのブルーベリー生徒

三留もな 
フェアリーちゃんの言う事をちゃんと聞いておけばな
少なくとも、とばっちりは受けなかった
まさか、弟君を引きずり落とすために留学生を利用しようとしていたとは


62名無しのブルーベリー生徒

アレはマズイよな
枕木が言っていたとおり、パルデアのアカデミーから抗議が来たしな
抗議というか校長本人が乗り込んできた


63名無しのブルーベリー生徒

校長本人が来たことにも驚いたが、まさかパルデアリーグのトップまで来るとは
パルデア人、フットワーク軽すぎない??


64名無しのブルーベリー生徒

本当それ
リーグ部はどうなったの?


65名無しのブルーベリー生徒
 
イッシュの監査が入ってまともになった
今はチャンピオンが空席で枕木が三留の代わりに四天王になった感じ
特別部員に留学生
ただ枕木は留学生帰還と一緒に卒業してパルデアに行くから期間限定の四天王


66名無しのブルーベリー生徒

卒業!?
枕木って二年だよな!?


67名無しのブルーベリー生徒

今回の件で枕木の身内が学園に猛抗議したからブルーベリーを卒業して、そのままパルデアに行くみたい
枕木、かなり優秀で本気でやれば飛び級で卒業出来るぐらいの才能はある
そもそも、校長のスカウト組だからな


68名無しのブルーベリー生徒

初耳
というか、校長のスカウト組なのにリーグに参加してなかったのか


69名無しのブルーベリー生徒

それは本人の言っていたとおり。
ダブルバトルは専門外だから
だから、シングルバトルだった留学生とのバトルは相打ちで引き分けだっただろう?


70名無しのブルーベリー生徒

アレもな凄かった
格の違いを見せつけられた


71名無しのブルーベリー生徒

個人的には枕木に拍手を送りたい
弟も三留も嫌いだし
専門外のバトルでボコされてm9(^Д^)プギャー


72名無しのブルーベリー生徒

わかる
俺は弟君はともかく三留はずっと嫌いだった
強いからって色々とサボりすぎ
学園に来ているんだから学生ぐらいちゃんとやれやっと思っていた


73名無しのブルーベリー生徒

弟君はやっちゃいけないことをしたけど、ちゃんとお姉ちゃんと謝罪したから良いよ
枕木も色々とフォローしていたみたいだし
留学生から事情も聞いてまあ仕方がないと納得出来た


74名無しのブルーベリー生徒

それに比べて三留は
留学生という年下の女を利用しようとするわ、枕木に悪態をつくわ……
かなり株が下がったわ


75名無しのブルーベリー生徒

三留は特に今回は大ポカした 
一応、枕木も留学生を巻き込まないようにするのだったら、あそこまで大事にしなかったって言っているし
そもそも、外部の留学生に頼まずに自分でなんとかしろよ、とは思うよ


76名無しのブルーベリー生徒

枕木の言う通り、家に帰りたくなかったのなら学園関係者になれば良かったんだよ
三留、バトルの実力は高いし


77名無しのブルーベリー生徒

でも、一番の元凶は教師の怠慢だと思う


78名無しのブルーベリー生徒

それな


79名無しのブルーベリー生徒

(深く頷く)


80名無しのブルーベリー生徒

特別講師として来ているパルデアの先生から話聞いたけど、今のアカデミーかなりしっかりしているからな

一連の騒動を聞いたパルデアの関係者絶句していたから
特に校長とトップチャンピオン


81名無しのブルーベリー生徒

枕木暴走元凶の保険医は?


82名無しのブルーベリー生徒

懲戒免職
これは枕木の身内を宥める為の処置
保険医がちゃんとしていれば、枕木も大爆発しなかったし
後はイッシュリーグからブルーベリー校長と教師陣に指導が入った


83名無しのブルーベリー生徒

順当


84名無しのブルーベリー生徒

校長もな、せめて代替の教員をおいておけよ


85名無しのブルーベリー生徒

そういえば、あの姉弟がパルデアに留学するってマ??


86名無しのブルーベリー生徒

留学は確定
パルデアチャンピオンがアカデミー校長とトップチャンピオンにおねだりしたんだって
自分の学校を紹介したいって
弟君もこれでリーグ部を退部になったから
二人でアカデミーに留学するかんじ
その間にリーグ部を立て直しする
ブルーベリーリーグも色々と見直されるんじゃないか


87名無しのブルーベリー生徒

じゃあ、枕木は何しにパルデアへ?


88名無しのブルーベリー生徒

身内に言われたらしい
ちょっと精神的に疲れているから気分転換も兼ねて新天地でチャンピオンランクを取ってこれば?と言われたらしい


89名無しのブルーベリー生徒

???


90名無しのブルーベリー生徒

枕木の身内is何者??


91名無しのブルーベリー生徒

俺知っているけどかなりの有名人 
その上で語るけどあの人達なら言いそうな発言である


92名無しのブルーベリー生徒

マジか


93名無しのブルーベリー生徒

枕木がリーグ部に入らなかったのって
その身内も関係していそう


94名無しのブルーベリー生徒

あー、確かに
身内が有名人なら三留に厳しい理由も納得
何甘えた事言っているねん!みたいになったのかもな


95名無しのブルーベリー生徒

でも、似たようなフェアリーには優しいじゃん


96名無しのブルーベリー生徒

フェアリーちゃんはサボってはないからな
後は留学生っていう同性を利用したことにも怒っている


97名無しのブルーベリー生徒

ありえそう
あの時の視線、ぜったいれいどだったから


98名無しのブルーベリー生徒

後は先輩である姉貴や友達のフェアリーに気を遣っていたんだろうな


99名無しのブルーベリー生徒

ところで、枕木の手持ちポケモン変わったのが多くなかった?


100名無しのブルーベリー生徒

ヒスイ系統のポケモンが多かったからな
ちなみにヒスイ系統はかなり珍しいぞ
今だに研究が進んでない


101名無しのブルーベリー生徒

そうなの?


102名無しのブルーベリー生徒

ヒスイ地方については良く分かっていないからな
色々と解明されてないことが多い


103名無しのブルーベリー生徒

アカデミーの教師とテラスタルさんが枕木を質問責めにしていて笑った


104名無しのブルーベリー生徒

ヒスイ系統のポケモンを見て二人同時に興奮しまくって最終的にトップと校長に正座させられたのには笑った


105名無しのブルーベリー生徒

アカデミーの先生ってまともだけど、あの先生だけはぶっ飛んでいたよな


106名無しのブルーベリー生徒

ほんそれ


107名無しのブルーベリー生徒

聞いたところにいると歴史の先生らしい
つまり、テラスタル先生の同類www


108名無しのブルーベリー生徒

なるほど理解


109名無しのブルーベリー生徒

話変えるけど
三留ってどうなったの?


110名無しのブルーベリー生徒

三留は色々と揉めてる 
とりあえず、このまま留年するなら最悪退学か他の学校に転校するかもだとさ


111名無しのブルーベリー生徒

あーだろうね
留年は家庭の事情()があったから良いけど
個人的にはリーグ部は留年した時点でさっさと辞めるべきだったと思うよ


112名無しのブルーベリー生徒

それはそう
俺がリーグ部に入らなかったのも三留がいるからだもん


113名無しのブルーベリー生徒

ガチ切れした枕木が猿山の大将とか言っていたけどまさにそれ
三留がトップや四天王に居座っていると後進が育たない


114名無しのブルーベリー生徒

本当そう
リーグ部目的で来た生徒って大体がヤツのこと嫌いだから


115名無しのブルーベリー生徒

三留もな、周りの言葉に耳を傾けろよ
フェアリーちゃんとか料理人君はわりと苦言してくれただろう
嫌われ役()じゃなくてガチで嫌われていたことに気づいてなかったのは驚き


116名無しのブルーベリー生徒

本当にそうなんだよな
しっかりしろよ、年上なんだから


117名無しのブルーベリー生徒

あれで枕木はかなり我慢したほうだな
とにかく、三留はアイツの親しい人ばかりに迷惑かけているから
俺ならもっと追い打ちをするために三留の身内に映像を送りつけるわ


118名無しのブルーベリー生徒

なる
弟君がいなくても爆発していたな、これ




・・
・・・



***



ブルーベリー学園からその知らせを聞いたノボリはすぐにポケモンに飛び乗った。
片割れであるクダリや職員達も快く送り出してくれた。
自分にとってカントは大切な身内であり、それと同時に恩人でもあった。

「……カント」

アルセウスの気まぐれに巻き込まれた自分の為に歯を食いしばってあらゆる仕打ちに耐えてきた。
ヒスイの旅では彼女に大いなる経験を得られたが、それと同時に癒えることない傷を負ったことをノボリは知っている。

「ノボリ兄さん……?」
「そうですよ、ゾロアークではないですから安心してください」

ブルーベリー学園につくと早速謝罪を受けそうになったが、ノボリはそれを全て断った。
その謝罪はカント本人に向けられるもの。
まあ、本人は案の定一部の人間以外の謝罪をもういいと切り捨てたらしいが。

「サブウェイは大丈夫なの?」
「大丈夫です。クダリも笑顔で送り出してくれましたよ」
「そっか」

慎重に部屋の扉が開かれる。
部屋の中でハピナスとカントが心配そうにこちらを見つめていた。

「イッシュリーグや彼らの親御様から謝罪の言葉が届いていますよ」
「彼らは悪くないのに」
「それでも子供の責任を取るというのが『大人』というものです」 
「……」

黙り込む彼女を見つめながら、クダリはハピナスが淹れてくれたお茶を受け取る。
通常個体より大きなソレはヒスイではオヤブンポケモンと呼ばれていたポケモン。

「兄さん、怒ってる?」
「怒る理由がありません。貴方の主張は正当なものですから。コトブキ村の時も今回も良く我慢しましたね、カント」
「っ!」
 
泣きそうな表情で自分に抱きつくカント。
頑張り続けた彼女を慰めるようにクダリは優しくその頭を撫でた。
コトブキ村の追放とウォロの豹変。
その二つの事件は子供のカントに癒えない傷を残してしまった。

「……わたし、よわいこなのかな」
「弱くはありませんよ。クダリも貴方の実力は認めているではありませんか」
「タロちゃんや先輩に迷惑をかけた……」
「迷惑ドンと来いです。いざとなれば、わたくしがフォローしますから。ヒスイでの貴方のように」

彼女はウォロにブチ切れて全てを暴露した。
そのまま彼とは喧嘩別れの形になり、全員で元凶をボコして自分と一緒にイッシュに帰ってきたのだ。

「クダリと話したのですが、片付けが終わったらパルデアに行くのはどうですか?カント」
「パルデアに?」
「ええ。トップチャンピオンは歓迎してくれますし、心機一転も兼ねてアカデミー入学やジムチャレンジをしてみては、と」

これはオモダカからの提案だ。
今回の事件を受けて、ブルーベリー学園に不信感を持ったのは事実。
それならば、パルデアに来るのはどうかと。

「アカデミー入学はやめておくね。もう学校生活は良いや」
「我々は集団生活に向きませんからね」
「うん、そうだね。やっぱり、私にも兄さん達と同じ血が流れているみたい。でも、ジムチャレンジはしてみたいかも。テラスタルの本場、気になるし」

タオルで顔を拭いたカントはそう結論を出す。
相変わらず目は死んでいるが、その表情は明るい。

「ノボリ兄さん」
「何ですか?」
「私、やっぱりポケモンが好きだよ。アルセウスの事は許せないけど」
「そうですか。それは当然の事でしょう」

彼女の言葉に同意するかのようにハピナスも首を大きく縦に振っている。

「だから、ポケモンバトルを言い訳にしているカキツバタの事が許せなかったと思う」
「全てを許す必要はありませんよ」
「うん、そうだよね。私、もっともっと強くなるよ。何があっても対処できるようにパルデアの旅は出来るだけ徒歩で行く」
「その意気です」

決意を新たにしたカント。
そして、安堵したように笑顔を浮かべる。
その表情を見たクダリは、ほっと胸をなでおろすのだった……。



***



【激おこ】枕木無双事件について【順当?】
 


530名無しのブルーベリー生徒

枕木の保護者ってあの人かよ!?


531名無しのブルーベリー生徒

あーそうか
あの死んだ目ってどこかで見たことあるとは思ったんだよな……


532名無しのブルーベリー生徒
 
ま さ か の 黒 車 掌


533名無しのブルーベリー生徒

圧が強い
まあ、枕木の事を考えれば妥当なんだが


534名無しのブルーベリー生徒

サブウェイ、大丈夫なの?


535食堂のブルーベリー生徒

枕木「黒車掌兄さん。こんなに休んで大丈夫なの?」
黒車掌「大丈夫でございます。むしろ、周りからはもっと休めと言われているので」

近くにいたから会話うちこみ
写真とかはポケモンに牽制かけられるけど、これぐらいは許されるらしい


536名無しのブルーベリー生徒

おう、食堂が凄いことに



537名無しのブルーベリー生徒

おお


538名無しのブルーベリー生徒

トップチャンピオンきた


539名無しのブルーベリー生徒

トップ「お久しぶりです、枕木さん。体調、回復したようで何よりです」

枕木「ありがとうございます、トップさん」

トップ「そして、黒車掌さん。情報提供感謝いたします」

黒車掌「やったのは白車掌ですから、お気になさらず」

枕木「白車掌兄さん、そんな事をやっていたの?」

黒車掌「枕木の事が心配だったのですよ。元々、イッシュリーグに思うところはあったみたいですから」

枕木「イッシュリーグに?私が四天王への挑戦を拒否したから?」

黒車掌「違いますよ。貴方のスカウトを後押ししたのはリーグなのです」

まさかの爆弾発言


540名無しのブルーベリー生徒

……これは


541名無しのブルーベリー生徒

黒車掌の発言もヤバいが、枕木の発言もさりげに凄い


542名無しのブルーベリー生徒

フル持ちか〜!


543名無しのブルーベリー生徒

これは監査入ったのも納得
というか、リーグ部に入らなかったのは本当に何でだ?


544食堂のブルーベリー生徒

トップ「ジム制覇者でしたか。何故、四天王への挑戦を取り止めに?」

枕木「ちょっと事故に巻き込まれて」

黒車掌「わたくしと一緒に事故に巻き込まれてイッシュへ戻れなかったのですよ」

トップ「それは大変でしたね」

枕木「その時に色々あって、バトルは好きなんですけど、集団で競い合うのはあまり好きじゃないって気がついて」

トップ「確かにそういう方はいますね。なるほど、貴方達はその傾向が強い、と」

黒車掌「そうですね。ですが、周りの人々が子供には学校へ行かせるべきだと……」

トップ「なるほど。枕木さんは彼女と話が合いそうですね」

枕木「彼女?」

トップ「ええ、そうです。才能がありすぎて同世代のトレーナーから怯えられている子供ですね。ギリギリ学生ですが、アカデミーに通わずに要職をしています」

黒車掌「なるほど。彼女をあの職に就かせているということなら...。パルデアは信用しても良さそうですね」

トップ「勿論です。片割れの御方に宜しくお伝え下さい」

そのまま、食堂を出ていく三人
俺もななしに戻る


545名無しのブルーベリー生徒
 



546名無しのブルーベリー生徒

おつ〜



・・ 
・・・



***



パルデアの新チャンピオンであるアオイが泣きながらアカデミーに帰還した。
当然ながら大騒ぎになったし、彼らの友人達も大いに憤慨した。
迎えに行ったオモダカとチリの表情は完璧に虚無であった。

アオイの話を聞いたパルデアの面々はその内容にドン引きした。
特にアカデミー教師たち。
三人が帰還する少し前にクラベル校長がブルーベリー学園に直行した理由を知った。

「……心配な人がいるんです」
「心配な人?スグリ君やゼイユちゃんじゃなくて?」

ここは保健室。
保険医である彼女はアオイにカウンセリングをしている。

「あの二人はキタカミに帰れば良いんです。でも、カント先輩は」
「カント先輩?」
「食堂で私の事を庇ってくれた人です」
「ああ。例の子ね」

ミモザの言葉に頷く彼女。
そのまま話を続ける。

「ゼイユから話を聞いたんですけど、不甲斐ない先生の代わりにずっとジョーイさんみたいな事をしていたって」
「え……?」
「ブルーベリー学園、保健室とかが無いらしくて」
「保険医は」
「……三年生に同行して学園にいないらしくて」

ミモザの顔色が悪くなる。
放任主義と聞こえが良いが、それはもう学園という名のただの無法地帯ではないのか。

「ミモザ先生、チャンピオン。よろしいですか?」
「オモダカさんですか?」
「はい。アオイさんにお客様です」
「大丈夫そう?」

頷くアオイ。
ミモザが許可を出すと、オモダカと見知らぬもう一人がいた。
おそらく、彼がアオイのお客様だろう。

「はじめまして」
「は、はじめまして!」

白。
白色の車掌服に身を包んだ男は帽子を取り、優雅に一礼する。

「ぼくの名前はクダリ。ウチの子を心配してくれてありがとう」
「ウチの子…。カント先輩の事ですか」
「そう。あの子なら大丈夫。ぼくの片割れが向かっているからね」
「片割れですか?」
「そう。ぼく達は双子なんだ」
「そうなんですか」

そして、彼は持ってきた袋をアオイに渡す。
戸惑う彼女に対してクダリは説明を続けた。

「それ、イッシュリーグからのおわび」
「イッシュリーグからですか」
「うん、そう。ブルーベリー学園はイッシュリーグの管轄だから本当は四天王かチャンピオンあたりが来るべきなんだけど、今回に関しては悪手だからね。カントの身内であるボクに白羽の矢が立ったってわけ」

不思議そうな表情をするアオイ。
すると、オモダカが説明をつけ加える。

「彼らは双子でイッシュ地方のバトル施設を運営しているんですよ」
「まあ、今は休止中だけどね」
「えっ!?大丈夫なんですか?」
「大丈夫。最近、働きすぎたし本業の方はやっているから」
「本業…。車掌さんですか?」
「そう。まあ、そのアイテムは好きに使ってよ」
「分かりました。カント先輩は大丈夫ですか?家に帰れそうですか?」

ずっと心配だったのだ。
死んだ目をしていたし、顔色も悪かった。
アレはそう、かつてのペパーと似たような表情をしてきたのだ。

「大丈夫。ただ、イッシュに帰る前に暫くこっちにいることになりそうかな」
「パルデアにですか?」
「うん、そう。こっちなら、あの子を知っている子もいないし、良い気晴らしになるかなと思って」

その時はよろしくね。
そんな言葉をかけられてアオイは微笑む。
和やかな雰囲気が保健室に流れたのだった……。



その名の意味は
 (たとえ強引でも)



***



番外編が出る前に書き上げたかったポケモンDLC中心話
前後編やった率直な感想としては、もう少し色々と何とかならなかったのかなと。
特に後編とブルーベリー学園とカキツバタ周りね
ブルーベリー学園を一言で言うのなら、魔法のないホグワーツ
カキツバタに厳しい人が多いのはやっぱり三留設定のせいだと思います
あの設定本当に蛇足
後、殆どの人が前編からのキャラであるスグリに愛着を持つのは当然だと思うので
勿論、後編のスグリにも悪いところがなかったといえば違いますが

そもそも、ブルーベリー四天王との交流が少なくてリーグ部立て直しに積極的になれなかったのが正直な本音 
この手のパターンはメインのキャラが好きにならんとどうにならん
ゼイユからスグリとリーグ部の立て直しを頼まれて、色々と企んでいる時にカキツバタに会ってみたいな展開で良かったんじゃないかな
顔見せとしてキタカミ編の時にネリネとかを出せば良かったと思う(ゼイユの同級生だしね)
アカデミーとの差別化をしたかったとしてもモブ生徒やモブ教師はともかくブルーベリー四天王やネームド教師二人は何とかなったでしょう 
DLCで個人的に良かったのは特別講師システムとオモダカさんの株が上がったことです

続きを書くとしたらキタカミ姉弟と主人公のパルデアの話中心
カキツバタは成り代わりで書きたい
以下、登場人物設定
()内の名前は掲示板の呼び方




◯カント(枕木)
この話の主人公 イッシュ地方出身 
ブルーベリー学園2年生
ハピナスを連れた目が死んでる系女子 
ある事情があり、リーグ部に所属せずに保険医の手伝いをしていた
ポケモン知識持ちの転生者(知識はアルセウスまで)
サブマスの親戚の一人であり、貴重な子供なので溺愛されている
シアノ校長のスカウトを受けてブルーベリー学園に入学したが学園の在り方に疑問を抱いていた
ゼイユは尊敬出来る先輩(とある人を思い出して懐かしい)、タロとは親友の間柄
なので、カキツバタの印象は元々良くなかった(性格の相性も悪い)
彼女達に気を遣ってリーグ部のゴタゴタには介入しないつもりだったが、流石にカキツバタの行動を見てブチギレた

実はノボリと巻き込まれてアルセウス世界に飛ばされており、なんだかんだで主人公の役割をやりきっている
なので、その経験から色々と無理を押しつける年上そのものが地雷になってしまう
リーグ部に所属しなかったのもヒスイを経由してきた手持ちポケモンたちを気遣っていたためとカキツバタがいるからという理由がある

※手持ち※(アルセウスをボコボコにしたメンバーでもあるので事情を知っている)

・ハピナス(元オヤブン)
・オオニューラ
・ヒスイウォーグル
・ヒスイヌメルゴン
・ガブリアス(元オヤブン)
・ダイケンキ


◯アオイ(留学生)
パルデアチャンピオン
主人公から色々と説明されて納得
アカデミーが恋しくなって思わずやって来た校長とトップチャンピオンに色々とぶちまけた
スグリとは改めてキタカミで決着をつけ和解。
その後でエリアゼロへ一緒に行った
アカデミーの友達に会わせたくて、スグリとゼイユの二人を誘った
初めて見たヒスイポケモンにワクワク
ブルーベリー学園の事は心配だが、心はアカデミー(パルデア)にあるので何があればそちらが優先される

◯タロ(フェアリー)
主人公の同級生で親友
彼女の身内の正体も知っていたので、だからこそカキツバタに良く注意をしていた
一連の騒動は起こるべくして起こったなと思っている 
それと同時に何も出来なかった自分自身に無力感を感じている

◯ゼイユ(姉貴・姉)
主人公の尊敬するひと(あの厳しさがかつての隊長を思い出すから)
シアン校長にアオイのことを話した後も迷い続けていた
最終的に主人公と話し合い、もし主人公がスグリに負けた場合は二人でアオイに協力を仰ぐという計画を立てていた
三人でキタカミに戻り二人の和解を見届けた後にエリアゼロに同行した
言動は荒いが身内は基本的に大切にする
自分に対してまっすぐな好意を向けてくる主人公やアオイには甘い

◯スグリ(弟)
リーグ部を退部した
その後にキタカミに戻りアオイとゼイユを話し合いとケジメのバトルをして和解する
全ての謝罪を終えて休学しようと思ったが、アオイの熱意に負けてアカデミー留学することになる
主人公はきっかけを与えてくれた恩人の先輩だと思っており、同じカキツバタ嫌い同士だからまた話したいとは思っている

◯カキツバタ(三留)
この世界線ではスグリの地雷より先に主人公の地雷を踏んだことにより運命が変わった
タロと違い彼女に信頼されていなかったのでその家庭事情も知らなかった
色々と周りに言われたのでリーグ部に復帰するつもりはない
主人公との相性は最悪であり、お互いがお互いの地雷となっている関係


◯クダリ(白車掌) 
サブマス白
片割れではなく可愛がっていた身内まで巻き込まれたので一時期は色々と不安定だった
記憶を取り戻したクダリや帰還してきた主人公からヒスイのことは聞いているので、わりと二人に対しては過保護
主人公の報告を聞いて即座に二つのリーグに抗議文と証拠諸々を提供した

◯イッシュリーグ
クダリの抗議文を受けてパルデアリーグと協力
ブルーベリー学園の実態を知って即座にテコ入れを始めた
実は主人公にブルーベリー学園入学を勧めたのはこの組織なので迅速な行動をしたという裏設定

◯オモダカ(トップチャンピオン)
同じくクダリのリークを受けて調査
留学を中止しようとしたが、クラベル校長と話し合いアオイの願い事を叶えることにした
出来ることならゼイユとスグリにもパルデアに来て欲しいと思っている
調査の過程で主人公の背後関係を知ったので、保護者であるサブマスにパルデア行きを勧めた

◯クラベル校長
オモダカからの調査報告を聞いて即座にアカデミーから飛んできた
アオイからの暴露を聞いてイッシュリーグにスクールカウンセラーの手配を要請
そして、友人でもあるシアノ校長にガチ説教をした
ブルーベリー学園のあまりの無法地帯を見てかつてのアカデミーを思い出してしまった

◯パルデア組
ブルーベリー学園の状態にドン引きした
修羅場に慣れているアオイだから良かったものの、他のトレーナーだったら危なかったと思っている
主人公の怒りは当然のものだと思っておいる人が大半

◯ノボリ(黒車掌)
サブマス黒
主人公の尽力により記憶を取り戻しヒスイから帰還してきた
ヒスイの手持ちとイッシュの手持ちを使い分けている
ヒスイの事を引きずっている主人公の一番の理解者であり即座にブルーベリー学園に向かった
今回の事件で彼女が吹っ切れて前に進めることを願っている
カテゴリ: SV色々

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