01/21の日記
06:53
クール&ドライ
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※アイザック成り代わり
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・捏造設定(特にポセイドン関係)、ご都合主義あり
・聖戦後蘇り設定、成り代わり少女がカノンにドライ
・ポセイドンが成り代わり少女に甘い
・視点がコロコロ変わります
・お試し書き
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「だって、別にどうでもいいから」
私の発言を聞いた海闘士の皆が動きが凍った。
こんにちは、何故かアイザックに成り代わった聖闘士星矢オタクの女です。
正直に言うと、聖闘士に成り代わらなくて良かったわ。
だって、仮面の掟がキツすぎる。
「ライア!」
「話はちゃんと聞いているよ、ソレント。ジュリアン様は、ポセイドン様は、カノンを粛清しろって言っていたの?私のクラーケンは何も言っていなかったけど」
二次創作で良くある蘇りを果たした海闘士は現在話し合いの真っ最中。
議題は海闘士を騙していたカノンの処分についてだ。
「そ、それは……!」
「お前は悔しくないのかよ!?ライア!」
「だから、どうでも良いんだって」
イオの抗議。
それを淡々と流す私。
「聖域からの異分子って言うのなら、私も同じじゃん」
「……だが、お前はクラーケンに認められてる」
「ありがとう、クリシュナ。でも、カノンだってポセイドン様から許可を貰っている」
鱗衣に認められてるかは謎だが。
だって、聖闘士の技しか使っていないし。
それを言うのなら私もそうなのだが、これにはちょっとした事情がある。
「お前はカノンを庇うのか」
「違う。興味がない。ポセイドン様がカノンを殺れといえば全力で殺るよ、海闘士として。もしくは、ジュリアン様が悩んでいるようだったら協力するよ、私達のトップだからね」
興味がないというか、正直に言うと彼を最初から海闘士の一員として見てなかったというのが本音だ。
何なら元敵であったカミュ先生や氷河よりも優先順位が低い。
「皆がカノンを私刑にしたいと言うのなら止めないよ。でも、協力はしない。私の力はポセイドン様の為のもの」
「相変わらずだな」
「だって、カノンがあの計画をやっていなかったら、私はもうとっくの昔に死んでいたよ?」
その言葉を聞いた皆の顔色が悪くなる。
因みに私は経歴を隠すような事はしていない。
別にやましいことでもないから。
「だから、お礼として私刑には参加しない。でも、それだけ。皆がそれで納得するのなら好きにやれば良いよ」
なんか気まずくなって来たので離脱しよう。
言いたい事も言い終えたし。
そして、私はいつもの場所へと向かう。
「ライア様」
「やあ、テティス」
「いつものですか?」
「うん。今回は蘇生を許可してくれたお礼も兼ねてちょっと高級にしているけど」
向かうのはポセイドン様の玉座の間。
その途中でテティスと会った私は軽く会話を交わす。
貴重な女同士の海闘士だからね。
「ジュリアン様に何かあったら超能力で連絡してくれる?ソレントはまだ話し合い中だから」
「はい、分かりました」
彼女と別れ、玉座の間に入る。
私はポセイドン様が封印されている壷の前に供物を置いた。
(……)
そして、小宇宙を高めつつ祈りをする。
蘇生関連のお礼と、後は聖域に行く許可や海闘士の皆やカノンについての諸々を報告していく。
(あ、届いたみたい)
ポセイドン様の小宇宙を感じる。
そして、光が収まり目を開ける。
「か、可愛い……」
見ると私の肩には小さなアカエイみたいなものがぷかふか浮いている。
これ、もしかすると鱗衣?
(なになに……)
マニュアルが頭の中にダウンロードされているので読む。
どうやらポセイドン様は気を利かせて鱗衣をペンダントにしてくれたらしい。
しかも、アイテムボックス付き。
要するに海底神殿に物を持ち込む時は、この中にいれると良いということ。
因みに肩に乗っているのはミニアカエイではなく、ミニクラーケン。
これは私の使い魔みたいなものらしい。
(異世界転生小説かな?)
多分だが、ポセイドン様は私が前世ありの転生者な事に気がついている。
これはただの直感だけどね。
ねんがんのスケイルペンダントをてにいれたぞ!!
「ポセイドン様、ありがとうございます」
膝をついて礼を述べる。
反応はないがこれは構わない。
(とりあえず、ジュリアンさんに連絡しておこう)
海闘士の戸籍とか住所ってどうなっているんだろう?
とりあえず、レターセットが欲しいから現金が欲しいんです。
折角、生きかえったのならやりたい事をやるだけなのだ。
ウキウキとした気分で私は玉座の間を後にした。
***
「……これでチャラにします」
最後の一撃。
渾身の一撃を受けた筈なのに平気そうな顔をしている男に少しだけ腹が立つ。
「ライアはどうした?」
海龍のカノン。
そして、聖闘士のカノンでもある。
あれから話し合いの結果、海闘士は彼を一発ずつ殴るという結論に至った。
「あの子はここにいませんよ」
「……そうか」
「言っておきますけど、彼女は貴方にまったく興味がありませんから」
「は?」
最初は私刑も考えていたのだがあの男と私闘という不毛な争いをするのも嫌だった。
それにライアの言う通り、我々には神殿の復興という使命がある。
「《私は面倒なので貴方に会いません。ポセイドン様とアテナさんの許可は得ているので》彼女の伝言です」
「待て」
「しかし、ライアの言った通りだったな。騙したコイツが一番悪いけど、俺達も馬鹿だったな」
「まあ、そうだけど。ポセイドン様に会えたのは良かったんじゃない?」
「そうだな」
「じゃあ、ソレント。説明は任せる」
「さあ、お仕事頑張りますか」
目的を果たし、満足した海闘士の面々は復興作業に取りかかる。
呆けるカノンに私は声をかけた。
「とりあえず、座ってください」
「……おう」
「お茶はセルフで」
近くにある椅子に座り、計画書を渡す。
その内容を見た彼は目を見開いている。
「これはお前が」
「違いますよ、ライアです」
「は?アイツが」
「そういう所ですよ、彼女が貴方に会いたくない理由は」
改めて話を振った私は確信した。
ため息をついて、カノンに告げる。
「カノン。貴方、ライアの事を見下しているんでしょう?」
「そんな事はない!」
「ありますよ。無意識なのかかもしれませんけど、貴方がライアにかける声は蔑みの音があった」
ライアは感受性の高い子だ。
そんな彼女がカノンの感情に気がつかない訳がない。
「……」
「後悔するのは勝手ですけど、本当にライアは貴方に興味がありませんから。謝るだけ無駄だと言っておきます」
「そうか。アイツはどこに?」
「聖域です。今まで話し合いをしていた我々の代わりに色々な事を任せていたので暫くは休みですよ」
重いため息と共に吐き出された疑問。
そう、彼女は聖域に遊びに行っている。
ポセイドンやアテナの許可は得ていることは知っているので、ソレントとしては何も言うことはない。
「とにかく、手伝ってください。仕事をしない人はいりませんから」
「分かった」
「では、私はジュリアン様の所にいるので」
落ち込んだらしいカノンの様子を見た私の溜飲が下がる。
これで面倒くさい力仕事は彼に任せて良いだろう。
とりあえず、良いものを見せてくれたライアに手紙でも書いておこうか。
***
「聖域だー!」
やって来ました聖域。
海の中も楽しいけど、地上もそこそこ楽しいよね。
(ポセイドン様、マジ神だな)
海闘士の戸籍だが、ジュリアン様の会社に所属する会社員ということになっていた。
社会的な身分ってマジで大切だからね。
私の年齢とかはちょっと誤魔化されていたけど(現在肉体年齢十四才)。
「写真とか撮りたいな…。許可が出たらやるか」
ちゃんと給料も出たので高いパソコンを買いました。
因みに小宇宙で動く特別仕様です。
何かクラーケンのスケイルペンダントに入れたら、そんな風に変化していた。
うん、摩訶不思議。
(カミュ先生のボルシチ楽しみ)
レターセットを手に入れた私は早速アテナさんに手紙を書いた。
色々なお礼と聖域に入る許可が欲しいというありきたりな内容。
あっさりと許可が下りたので、我が師と氷河に手紙を書いて今に至る。
「おい、ここからは」
「はい、許可証」
雑兵の人にアテナさんから貰った許可証を渡す。
すると、案の定私を凝視してくる。
「クラーケン」
私は肩に乗っている使い魔クラーケンにこっそりと命令を下す。
すると……。
「お通りください」
「ありがとう」
許可証を返して貰い、私は十二宮に足を進めるのだった。
うーん、初めて間近で見たけど本当に長いな!
「こんにちはー」
「おっ!客人とは珍しいな!」
金牛宮。
白羊宮には主はいなかったので、メイドさんに許可証を見せて通り抜けさせて貰った。
「アルデバランさんですね。初めまして」
「どこかで感じた事のある小宇宙のような」
「きっと先生か氷河ですね」
不思議そうに首を傾げるアルデバランさんに対して私はサングラスを外す。
「初めまして。クラーケンのライアです」
「思い出した!カミュの弟子か!」
「はい。今日は先生と弟弟子に会いに来ました。通行の許可を下さい」
「そうか!好きに通って構わんぞ!」
「ありがとうございます」
豪快に笑って許可をくれた。
実は我が師以外の黄金聖闘士とは初対面である。
次の双児宮も主が不在なので、素通りさせて貰った。
(うわぁ)
お次は巨蟹宮なのだが。
一気に纏まりつく小宇宙が重くなる。
(深海って感じだな)
これは多分冥界の結界から漏れている?
うーん。でも、巨蟹宮だからな。
「シネ」
「!」
シンプルな殺気。
しかし、まだまだ甘い。
「!?」
「冥界にご案内〜」
凍気を込めた拳で受けとめ、そのまま念力で飛ばす。
但し、私の念力が安定する条件は無機物限定なので、もしかしたら亡者がバラバラになったのかもしれないが。
亡者の良い所はゾンビと違って、臭いとかがないところだよね。
(あー。空気が美味しい)
巨蟹宮は真っ暗だったので、日差しが明るくて心地よい。
真新しいブーツで地面を叩く。
ため息をついて、懐から出したサングラスをまたかけ直した。
***
「おやすみ、ライア」
宝瓶宮。
愛弟子である彼女が寝入ったのを確認した私はそっとある場所へ向かった。
(元気そうで良かった)
離れ離れになってしまった弟子。
もう一人の弟子である氷河からある程度の事は聞いていたが、それでも心配はあった。
(困ったものだな)
久しぶりに再会した彼女と色々な話をした。
海闘士として選ばれたライアはそこそこ上手くやっているらしいのでほっとする。
「待たせたな」
「カミュ」
「どうかしたのか?ミロ」
向かった先は教皇宮。
そこには作戦を知っている黄金聖闘士達が集まっていた。
「いや、何でもない」
「カミュ。ご苦労だった」
「いえ……」
アイオロスの言葉。
それにそっけなくなってしまうのは、もうどうしようもない。
「怒っているのか?」
「ええ、ライアの師匠としては怒っていますよ。でも、これは黄金聖闘士としての仕事ですから」
彼女は元聖闘士候補で現海闘士。
だからこそ、聖域に叛逆を起こすのではないのかと疑われていたのだ。
「だから、俺は反対したんだ」
「だよな。寄ってたかって年下の子供を監視するのは」
ため息をつくのはアイオリアとミロ。
因みにここにはムウとアルデバランとシャカはいない。
「そもそも、あの子はこの作戦に気がついていますよ」
「何?」
「シベリアに向かう少しの間、ライアは聖域にいましたから」
その期間は一ヶ月も満たなかった。
しかし、彼女はたったそれだけで聖域における女の扱いというものを悟っていた。
「まあ、だろうな」
「鱗衣を持ってこなかったのもわざとだろうね」
「そもそも、俺達の事はどうでも良いんだろう」
私の言葉に同意を示したのはデスマスク、アフロディーテ、シュラ。
相変わらず、この三人は他者への分析能力が高い。
「どうでも良い?」
「俺達の思惑なんて興味が無いんだろう。それでも聖域に来たのは師匠であるカミュがここにいるから」
「わざわざ修行地のシベリアではなく、聖域に来たのも師匠の格を落とさないようにするため」
「愛されているね、カミュ」
「ええ。誰が何と言おうと今でもライアは大切な弟子です」
アフロディーテの言葉にそう返す。
きっと同じような事を氷河も言うのだろう。
彼にとってライアは命の恩人なのだから。
「だからこそ。もしも、彼女が女神の障害になるのなら、今度は私が討ちます。かつての氷河のように」
「!」
「失礼します」
とりあえず、一番言いたかった言葉を叩きつける。
そのまま、振り返らずに宝瓶宮へと戻ることにする。
今はとにかく彼女と再会した幸せに浸りたかった。
再会の連鎖
(この再会に幸福を)
***
他のネタを書いたらぱっと浮かんだのでささっと書いてみました
改めてアイザックの事を調べ直したのですが、思っていた年齢が低くてびっくりした
本当に聖闘士星矢は年齢詐欺が多くて驚く事が多い
以下、この成り代わりにおける登場人物のあれこれ
◎ライア
アイザック成り代わり少女
元聖闘士候補、現クラーケンの海闘士
前世知識あり原作知識あり
但し、流れを変えたら色々マズいのではと考えて殆ど何も変えなかった
博愛主義者ではあるが、優先順位はきっちりしているためブレない
優先順位は
ポセイドン(ジュリアン)>海闘士(雑兵含む、カノン除外)>一般人>女神・ハーデス・カミュ・氷河>聖闘士及び冥闘士関係者>カノン>敵対者
みたいな順番になっておりこれが彼女の行動基準
なお、人の好き嫌いはあるが敵対しなければ表には出さない
クールというよりはややドライだが、本人的にはこれで良いと思っている
◎カミュ
水瓶座の黄金聖闘士
成り代わり少女と奇跡の再会を果たす
他の成り代わりと違うのは同期以外(特に年上)にはやや辛辣気味
これは成り代わり少女や氷河の影響で己が彼らの師匠であるという自覚が大きいためである
女神の意思と聖域の体制は別物と考えており、この考え方が根幹にあるのでたまに毒を吐く
内心では聖域の保守主義にうんざりとしているが、面倒なので文句はいわない
氷河と成り代わり少女の戦いを知り、万が一の時、今度こそは自分が弟子達を葬るのが師匠の役目だと考えている
◎氷河
シベリアトリオの中では一番拗らせてはいない
これは兄弟である星矢達の影響
それでも二人の理解者であることに変わりはなく、彼らの幸せを願っている
成り代わり少女が日本に行きたいと言ったので現在色々と準備中
◎ソレント
セイレーンの海闘士
その立場から海闘士のリーダーを務める
自分に臆さず意見を言ってくれる成り代わり少女の事を頼りにしており、出来るだけ彼女の願いは叶えてあげたいと思っている
後、海闘士の中では真面目に自分の話を聞いてくれるので元々の好感度は高い
◎ジュリアン/ポセイドン
成り代わり少女の影響で一番変化した存在
この成り代わりにおけるジュリアンは記憶を失っておらず、ポセイドンとも和解済み
今は共生関係に落ち着いている
ジュリアンは年下の子供であり数少ない女海闘士のテティスと成り代わり少女を可愛がっている
ポセイドンは成り代わり少女の前世知識から、人間が生み出すものに興味を持ち始めた
彼女の神に対する考えや供物にも満足しているので褒美として色々と特別扱いをしている
◎テティス
人魚姫のテティス
主に海闘士達に仕える兵士の管轄と諜報活動がメイン
成り代わり少女から教えて貰った歌で度々ライブを行っている(海闘士関係者限定)
おかげで、彼らの離反が減ったので嬉しい
成り代わり少女との関係は仲が良い友達兼同僚で色々と女子トークをしている
最近は成り代わり少女から聞いたネット上の活動に興味津々
◎その他の海闘士
成り代わり少女の発言を聞いてカノンへの私刑を思いとどまった
成り代わり少女の事を妹のように可愛がるが彼女に論破されることも多い
それでも、可愛い年下の同僚というのは全員一致している
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