01/01の日記

06:28
同じ目的に向かって
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※ブルー・ストラグラー2


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・捏造設定、ご都合主義あり
・はぐれスター団についての捏造あり
・バイオレット時空、男主人公(ハルト)、方言は適当、ネタバレ注意
・新しい保護者が美術教師な世界線(四天王ルート)
***



「以上がスター団についての報告です」

ポケモンリーグ。
そこにはトップチャンピオンとパルデアのジムリーダーが集まっていた。
オモダカからの報告を聞いた面々は表情を引きつらせる。

「いや、こんな事が本当にあったの?アンタを疑う訳じゃないけどさ」
「十分あり得るわよ、グルーシャ君。だって、才能ある人間が苛めを受けるなんて当たり前。虐められた人が今度は苛める側になるものを良くある話なのよ」

グルーシャの言葉に反応したのはリップ。
すると、オモダカはカエデとハイダイに質問をする。

「カエデさん、ハイダイさん。彼らの様子は?」
「みんな良い子よ〜」
「そうだな!手持ちも強いから砂漠にも安心して送り出せる」

ボスであるストラグラーから頼まれて、オモダカははぐれスター団の団員をパルデア地方各地に配置している。
特に希望者が多いのが、この二人の所なのだ。

「そうですか。また何人か預けても宜しいですか?」
「構わん。しかし、はぐれスター団の団員は優秀だな!」
「はぐれスター団?」

ハイダイから出てきた言葉に首を傾げるのはライム。

「ええ、ここまでが前置きです。今回はこちらがメインの議題です」

そして、オモダカは新しい資料をジムリーダー達に配る。

「あ、この子……」
「やはり、ナンジャモは知っていましたか」

資料にあるとある少女の写真。
それは少し前にSNSでバズっていた動画に映っていた少女だったから。

「彼女の名前はアスル。またの名をストラグラー。はぐれスター団のボスである子供です」
「思いだした!この娘、ジムで見たぞ!中々、芸術的な作品を作っていた!!」

大声をあげるコルサ。
そんな彼にオモダカは言葉をかける。

「その作品も壊されましたね。いじめっ子によって」
「何!?」
「詳しくは二枚目の資料に」

二枚目の資料にはオージャの湖で起きた一連の事件の事が書かれている。

「良く無事でしたね」
「運良くポケモンに助けられたそうです。但し、殆どの荷物を失ったそうですが」

アオキの言葉にそう返す。
そして、ジムリーダー達に告げる。

「こういった理由があるので、リーグとしては彼女のバッジの再発行を認めたいと思っています。そのために各地のジムを巡ると思うのでバトルやジムテストをするかは各々の判断に任せます」
「了解しました」
「そういう訳で緊急会議は終了です。お疲れ様でした」

全ての話が終わり、ジムリーダーの面々が会議室から出ていく。
今頃、あの少女は新しい親と対面を果たしているのだろう。
そんな事を考えながら、オモダカもまた会議室を出て行くのだった……。 



***



「宜しくお願いします」
「トップや校長から事情は聞いてますですよ」

マリナードタウン。
そこにある一軒家に四天王のハッサクさんと私がいた。

「あの本当に良いんですか?」
「トップが言っていたと思うのですが、これは利害の一致です」

四天王兼アカデミー教師のハッサクさん。
彼はそう前置きをして、事情を説明してくれた。
端的に言えばお家騒動らしい。

「そんなに大切なら早く連れ戻せば良かったのに」
「全くです」

私の呟きに頷くハッサクさん。
向こうだってパルデアの人材不足は知っているはずだ。
まあ、彼の話を聞く限り暴走しているのは一部の人間のようだが。

「この家ならドラゴンポケモンを出しても問題ないはずです」
「本当だ……!」
「さあ、出してみなさい」

警察に保護されて親や苛めの話が問題になって。
私は帰る場所を失ってしまった。
新しい親の候補は色々あったが、そこで問題になったのは手持ちにいるドラゴンポケモンである。
何でもパルデア地方ではドラゴンつかいの数が少なく、ドラゴンポケモンに対応した物件が少ないとのこと。

「みんな、出てきて」

私は再びテント生活を覚悟したが、そこで名乗り出てくれたのがこのハッサクさん。
彼は自分の持っているこの自宅を提供してくれるということ。
まあ、裏事情を話すと教師と四天王を兼任しているのでテーブルシティから離れたこの家に中々帰れないので、誰かに住んで欲しいということらしい。

「これは……」

私のポケモン達を見た瞬間、ハッサクさんの目の色が変わった。
やっぱり、強者には分かるんだよね。

「ここまで良く育てましたね」
「ありがとうございます」

彼が私のポケモンを観察するように私のポケモンもハッサクさんを観察している。
私の人間不信を知っているポケモン達は人間達への警戒心が高い。

「アカデミーの方にも通い直すと」
「はい。校長先生が是非と」

因みにはぐれスター団の皆は各々の就職先を決めている。
スター団とは違い彼らは密かにアカデミーに通い、授業の単位をしっかりと取っていた。
まあ、そうするように私が厳命したからなのだが。

「ジム巡りをしながらのんびりやる予定です」

この世界ではバトルが強ければ食うに困る事はない。
バッジを複数持つ優秀なトレーナーはポケモンリーグにスカウトされるからだ。
だからこそ、私は出来る限りアカデミーの出席やジムバッチを取ることをメンバー達に通達した。

(特にクレームとかは無いみたいだし。作戦は成功だったみたい)

スター団の格好をしていなければ、アカデミーや街で目立つことはないし、宝探し中は授業を受ける生徒が激減するのである意味チャンスなのだ。

「アスルさん」
「はい」
「前校長とクラベル校長。そして、警察とトップから全て聞きました。ここまで良く頑張りましたね」

優しい言葉。
大きな手が私の頭を優しく撫でる。
たったそれだけの事なのに、いつの間にか涙を流していた。



***



「いや、本当に優秀やね」

ポケモンリーグ。
書類を捌く速度は学生とは思えないほど、手慣れている。

「慣れてますから」
「慣れてる?」
「ええ、はぐれスター団の細々としていた事をしていたのは私です」

あれから再びアカデミーに行き始めたアスルだが、それと同時にポケモンリーグにも所属するようになった。
周りの大人達はそれに反対したが、本人が望んだという事でとりあえず二足の草鞋を履くようになった。

「トレーナーのレポートとかID更新関係のものは纏めて私がやっていたので」
「あの面倒な書類を!?」

因みに二回目のジム巡りは僅か一ヶ月で終了し、チャンピオンランクにもなった。
勿論、この合間にアカデミーで必要な単位を取っている。
彼女の卒業はもう確定しており、卒業式までの間はこちらの仕事を中心にやっていく予定だ。

「大した手間じゃないですよ」
「アオキさんに勝るとも劣らない社畜やわ」
「そうですか?もう少しで一足になるので、あの人達よりはマシだと思いますけど」

そして、卒業の後は。
ポピーに代わる新しい四天王として君臨する予定だ。
これは現四天王である彼女がアスルと入れ替わる形でアカデミーに入学する為である。

「そういえば、トップが言っていたポケモンの選出終わってるん?」
「パーティは大体決まりました。後は細かい調整ですね」
「早っ」

使うタイプはポピーと同じくはがねタイプだ。
会話をしながらも、お互いに仕事の手は止めない。

「ただポピー先輩と被らないようにした結果、はがね単タイプが少なくなりましたが」
「そらしゃあない」

他の地方に比べてパルデアは複合タイプのポケモンが多いのだ。
だからこそ、チリも四天王用のパーティを組むときにわりと悩んだ記憶がある。

「一番手はチリちゃん先輩で宜しいですか?」
「多分、そうなるな。自分、面接官したくないんやろ?」
「そうですね。アレさえなければ、一番手もやぶさかではなかったのですが」

最後の書類を終え、アスルは淹れてあったカフェオレを手に取る。
ついでに、近くにあるチリのデスクにも同じものを置くとお礼の言葉が返って来た。

「お疲れさん」
「お疲れ様です」

部屋にいるのはアスルとチリの二人だけ。
他の職員は皆帰宅している。

「こないに遅くなってハッサクさん怒るんちゃう?」
「今はアカデミーの方が忙しそうです。それとは別に問題が……」
「別の問題?」

カフェオレの入ったマグカップを持ちながら、顔を歪める少女。
彼女はそのまま説明を続けた。

「ハッサクさんが竜の一族の人なのは知っていますよね。新しく養子になった私に一族の人が干渉するようになって」
「ああ、それはあかん」
「なので、なるべく一人にならないようにと。あの人も貴方なら問題ないと言ってくれたので」
「なるほど」

まあ、いざとなればバトルで蹴散らしますけどね。
そう語るアスルの言葉はただの事実なのだから恐ろしい。

「そういえば、気になっとった事があるんやけど」
「何ですか?」
「あの四人やスター団の事はトップに紹介せんかったのは何でや?」
「そうですね…。私は自分勝手ですから、あの人達よりはぐれスター団の事を優先しました」

チリの質問に彼女は目を丸くしたが、すぐにいつもの表情に戻った。
そして、更に言葉をこぼす。

「はぐれスター団の団員の中にはスター団にトラウマを持っている子が多いです。彼らのトラウマであるスター団の人達を近づけさせる気はありません」
「手厳しいな。自分、スター団の団員だったんやろ?」
「だからこそです。スター団の在り方を愛していたからこそ、私は内部崩壊を狙っていました。そして、弱者を守るためのスター団がその弱者を傷つけたのを許すつもりはないです」

アスルの青い瞳に宿る苛烈な炎。
それを見たチリは楽しそうに笑う。

「あの四人についてはもう論外です。アカデミーに紹介するならともかくパルデアリーグに紹介するのはあり得ません」
「アカデミーはアリなんや」
「アカデミーは個性を大事にしますから。あの四人は個性的すぎます。なら、STC部署の方が合っているでしょう」

パルデアの大穴に侵入したアカデミー生徒の四人。
トップであるオモダカはパルデアリーグ本部に彼らを採用しようとしたが、それに待ったをかけたのはクラベル校長とこのアスルだ。
結果的に彼らは本部ではなく、新しい施設であるSTC関係の部署に配属することになった。

「それにボタンさんは運営に喧嘩を売りましたからね。そんな彼女がこっちに来たら、士気がただ下がりですよ」
「あ〜。まあそれはそうやな」
「スター団に関しても同じです。まったく、せめてリーグに話を通しておくべきでしょう」

トップであるオモダカが許したので大きな問題にはなっていないが、LP不正発行や各地のバリケード問題でスター団関係者に不満を持っているリーグ関係者は少なくない。

「強いトレーナーはとにかく我が強いですからね。本部の皆さんとは折り合いが悪いでしょう」
「それ自分にもあてはまっている事分かっているん?」
「勿論です。でも、私はニャースぐらいは被れますから」

すると、ノックの音。
チリが返事をすると、ハッサクが部屋に入って来た。

「お疲れ様です、ハッサクさん」
「お疲れ様です、大将」
「チリ、ありがとうございますですよ。問題はありませんでしたか?」
「全然なかったよ。じゃあ、またな」
「はい、お疲れ様でした。お先に失礼します」

頭を下げたアスルは自然な流れでハッサクの手を取り部屋を出て行く。
残されたのはチリ一人。
しかし、すぐに別の人達が部屋に入って来た。



***



「お疲れ様です」
「チリ。お疲れ様でした。どうでしたか?彼女は」

入ってきたのはアオキとオモダカ。
トップの問いかけにチリは椅子に座りながら答える。

「あれはもう大人やな。正直、学生とは思えん」
「そうですね。貴方が交渉に応じた理由が分かります。アレは社会を知っている人間の動きだ」

リーグ上層部は例の四人組よりも、はぐれスター団のボスであるアスルの方を警戒してた。
その理由はあまりにも子供らしくない彼女の行動理由である。

「そして、一部の人達に辛辣やね。感情が出るのに地雷が分かりにくい子や」
「いいえ。違いますよ、チリ。あの子の地雷は逆に分かりやすいです」
「へ?」
「あの子の地雷は仲間を脅かすものとパルデアの発展を阻害するものです」

オモダカの言葉に目を丸くする二人。
そんな二人を見つめながら、彼女は説明を続ける。

「アスルは本当にスター団とこのパルデアを愛しています。だからこそ、それらを脅かすものは敵なのですよ」
「どういう事ですか?スター団を愛しているのに彼女はその崩壊を狙っていた。それは貴方が良く知っているはずだ」
「ええ、あの子が愛しているのはスター団の団員ではありません。スター団の在り方です」

その意味を理解した二人が目を見開く。
つまり、そういう事だ。

「だからこそ、自分が愛するはぐれスター団の団員を外に逃がした。彼女が本当にスター団の全てを愛しているのなら、ボタンさんやボス達に事情を話して協力をすれば良かったのです」

だけど、アスルははぐれスター団を密かに設立した。
その瞬間、彼女からの愛を失ってしまった。
きっとボタンを含めた関係者は誰も気がついていないのだろうが。

「苛烈ですね……」
「あの子は人間の裏切りの痛みを知っていますからね。だからこそ、事を大きくしたスター団を許せなかったのでしょう」
「なんかスター団に同情するわ」
「だから、私は彼女をリーグに所属させたのです。それこそ、あの子は愛するものに関しては全力で守りますから」

その一番良い例がポケモン達だ。
彼女は多数のポケモンと良好な関係を築けている。
それはアスルの愛情が深く大きい事を証明しており、彼女のポケモンが強い理由でもある。

「策士やな、トップ」
「アスルはとっくに思惑に気がついていますよ。気がついた上で動いているのです」
「それがパルデアの発展に繋がるからですか」

何とも思いっきりが良い。
そして、彼女のパルデアへの愛が伝わってくる。

「そういえば、四天王パーティの構成が決まったって言っていました」
「流石早いですね。まあ、彼女なら当然といえば当然ですが」

オモダカの珍しい褒め言葉に顔を見合わせる二人。
そして、疑問をぶつける。

「トップはどうしてあの子を評価しとんの?」
「貴方達は疑問に思いませんでしたか?親の庇護が無い彼女がどうやって生活を成り立たせていたのかを」
「前校長が支援していたのでは?」

報告書にあった前校長との繋がり。
スター団はそもそもアカデミーにおける苛めの被害者達だ。

「前校長がした経済的な支援は新しいスマホロトムの為に名義を貸すことだけです」
「は?」
「あの子は自力で金銭を得ていたのです」
「トレーナーとのバトルでですか?」
「いいえ、テラスタルのポケモンとの報酬ですよ」

あの子はずっとリーグに結晶の場所を報告しLPを貰い、中のポケモンからアイテムを得ていたのです。
オモダカの説明に納得した様子の二人。

「あー。高レベル帯のテラスタルポケモンを相手しとったんか。そら強いわけや」
「アスルとの交渉に応じたのも、そこが理由です。元々、彼女がリーグに対する貢献度が高かった」
「そして、全てのジムバッチを持っとる。アンタが逃がすわけないな」

笑い合う女性二人。 
そんな彼女達を見てアオキは内心で合掌する。

「ええ、そういう事です。それでどうですか?チリ」
「自分は賛成やで」
「アオキ」
「彼女が了承すれば」
「後は保護者のハッサクですが…。就任は卒業した後でと説得すれば良いでしょう」

話をどんどんと進めていくトップチャンピオン。
どうやら、新しい同僚が出来ることは確定事項になりそうだ。
その時の事を考えながら、唯一の男である彼は減ったお腹を擦るのだった。



ブルー・ストラグラー2
 (はぐれ星は輝き始める)



***

はぐれスター団捏造話第二話
とりあえず、構想が纏まったハッサク先生ルートを先に書きます
因みにこっちのルートは四天王中心
もう一つのルートはジムリーダー中心になる予定です

自分がポケモンSVで一番恐れているのはアップデートやDLCでオモダカさんがラスボスになる事です
もう推しがラスボスになるのは嫌です
アルセウスの悪夢が再び
他のゲームならいざ知らずポケモンでやられるのはキツイ
いや、ラスボスになるとゲーム内でもう会えなくなるかもしれないのが普通に嫌です
パルデア地方の業は前教頭と博士が背負ってクレメンス
いや、アルセウスのあの人みたいに匂わせがあった上でラスボスになるなら良いですよ
でも、匂わせはオモダカさんに関しては切り札ポケモン関連ぐらいですよね、多分 
後、人物の掘り下げが殆どない
剣盾のローズ委員長よりも無いよね
クラベル校長と同じくただの不器用な良い人であってくれ、オモダカさん
何が言いたいかと言うと、アップデートやDLCの内容次第では私の二次創作は無かったことになる可能性があるという事です(その場合はちゃんと注意書きには明記します)
以下、登場人物のアレコレ


◎アスル
はぐれスター団のボス
いじめっ子の報復をきっかけにお小遣い派からLP派になった
主な収入源はテラスタルバトル
この度、念願の保護者と自宅を手に入れた
そして、次期四天王内定
愛するパルデア地方の為に色々と水面下で計画を立てている

◎ハッサク
オリ主の新しい保護者
彼女の事情を聞いて保護者に名乗りを上げた
まさかの四天王内定に驚くが、理由を聞いて色々と納得することになる
おや、ハッサクさんのようすが……?

◎チリ
パルデア四天王
とにかくやる事が多いので、アスルの加入にはすぐに賛成した人
アオキと同じく無茶振りをするオモダカについて行ける数少ないトレーナー
チリちゃん先輩という新しいあだ名もなかなか気に入っている

◎オモダカ
トップチャンピオン
基本的に求めるハードルが高いので、彼女についていける人は限られる
元々、LPが多いアスルの事は気になっていた
しかも、全てのジムバッチ保持者!?
囲わないと!みたいなノリでオリ主の事をさっさとリーグにスカウトした
根本の考えが似ているので実はオリ主との相性は良く、保護者の名乗りがなければ自分がオリ主の保護者に名乗り出ていた

◎アオキ
パルデア四天王
非凡が故にオモダカの無茶振りに答えられるトレーナーの一人
自ら望んで社畜になりそうなオリ主に驚きつつも、四天王になれるのなら大丈夫だろうという謎の信頼を寄せている

◎ポピー 
パルデア四天王(休業中)
アカデミー入学準備中
オリ主にポピー先輩と呼ばれてご満悦
連絡先も交換し、早速友達になった
新しい友達と何か楽しい計画を立てている模様

◎前校長
オルティガのじいや
スマホロトムを失ったオリ主の為に名義を貸した
スター団やアカデミー関係者にはぐれスター団の事がバレなかったの一番の理由は彼とオリ主が手を組んで暗躍していたからである
カテゴリ: SV色々

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