12/31の日記

07:01
最後まで足掻き続けた結果
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※ブルー・ストラグラー1


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・捏造設定、ご都合主義あり
・はぐれスター団についての捏造あり
・バイオレット時空、男主人公(ハルト)、ネタバレ注意
・とある転生者と本編キャラ達が出会うおはなし
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『あの転校生がついにやったぞ!ストラグラー!』
「良かった……」
『それでストラグラーはどうする?』
「暫くはここでのんびりするよ。万が一、アカデミーやリーグが訪ねて来たら、私の場所をバラして良いから」

パルデア地方。
そこのとある場所に建てられた一つのテント。

『良いのか?』
「うん、良いよ。スター団の解散が撤回されたという事はまともな大人達にあの時の真実が伝わったという事。きっと大丈夫」
『本当にありがとう。俺達がここにいられるのはストラグラーのおかげだ』
「大げさだね。うん、何かあったら連絡して」

スマホロトムの通話を切る。
再び訪れた静寂にほっと息をつく。
今日もこの場所はとても静かだ。




***

 
「「「はぐれスター団?」」」

グレープアカデミー。
スター団のボスである五人と関わりがあるボタンとハルト。
そして、彼らの友人であるネモとペパーが校長室に呼び出されていた。

「初耳だぞ」
「わたしも初めて聞いた」
「僕もそうだね」

校長のクラベルから告げられた存在に動揺するのはスター団のボス達。
全員の視線がマジボスであるボタンに向けられるが、彼女も首を横に振った。

「そういえば……」
「心当たりがあるの?シュウメイ」

何かを思いだしたのはボスの一人であるシュウメイ。
ハルトに先を促され、彼はそのまま口に出す。

「バリケードを作る時に対外的な交渉をする代わりにテント一式を貸して欲しいという一団がいた筈」
「はあ!?」
「確かにバリケード関係の事はお前に任せたけど」

衝撃の真実に驚く面々。
すると、校長が手を叩く。

「知らなくても当然です。それこそが、彼らの思惑通りでしたから」
「思惑通り?」
「彼らもまた貴方達のことを心配していたのですよ、スター団の事も。とにかく、貴方達がはぐれスター団の事を知らないのは分かりました」

不思議そうにする面々。
すると、扉がノックされ人が入ってくる。

「トップ!」
「こんにちは。皆さん」
「お久しぶりです、オモダカさん」

リーグトップであるオモダカである。
彼女は書類を校長であるクラベルに渡す。

「全員の事件の裏が取れました。彼らも被害者だという事が確定しました」
「そうですか…。なんという事だ……」

悲壮な声。
クラベルはため息をつきながら、重い口を開いた。

「はぐれスター団のメンバー達は少し特殊なのです。彼らもまた昔はスター団を拠り所にしていた」
「昔は?」
「ええ、スター団は大きくなりすぎて統制が取れなくなっていたのです。内部でいじめが起きたり、強引な勧誘による被害、
かつてのいじめっ子達からの報復……。様々な理由があって、彼らは貴方達からこっそりと離れていた」

校長の説明を引き継いだのはオモダカ。
思わず、ネモが口を開く。

「なんでトップがそんな事を知っているんですか?」
「貴方達は疑問に思いませんでしたか?
各地にバリケードを張ったのにジムリーダー達が動かなかった事に」
「「「あ……」」」
「はぐれスター団が私に交渉したんですよ。アカデミー理事長である私に。彼らは被害者だからもう少し猶予を与えて欲しい、と」

生徒達は目を丸くする。
そんな彼らを見ながら、彼女は説明を続ける。

「正確には、はぐれスター団のボスであるストラグラーですね。クラベル校長も動くというので、私がジムリーダー達に静観するように命令をしておいたのです」
「「「……」」」
「事件が真実だった以上、私は彼らに謝罪をしなければいけません。オモダカさん、彼らの場所は分かりますか?」
「ええ。万が一の時は彼らを保護して欲しいとストラグラーから頼まれたので。はぐれスター団達のメンバー達はしるしの木立ちにいます」
「出来る事なら貴方達の同行を頼みたいのです」

校長の問いかけ。
その問いかけに彼らは頷く。



「という訳です。大丈夫です、貴方達の事はパルデアリーグが保護します」
「そうですか……」
「やっとこれで家に帰らなくてすむ……」
「本当にストラグラーは凄いよね」
「うん。絶対に理事長を引っ張り出すって息巻いていたもんね」 

しるしの木立。
チーム・シーのアジトから少し離れた場所に彼らはいた。

「私からもお詫びを申し上げます」
「クラベル校長には感謝してます。貴方のおかげでアカデミーも大分通いやすくなっていたので」
「貴方達は学校に?」
「こっそりと行ってました。団活動に疲れていたし、ストラグラーが新しい教師は良い人達ばかりだから、行ったほうが良いって言われて」

その人数は五人ほど。
昔はもっといたらしいのだが、ボスであるストラグラーの支援を受けて、スター団から離脱して各々の道へ進んでいるらしい。

「それで貴方達のボス、ストラグラーですが」
「全ての事件の裏が取れたという事は、ストラグラーの事件についても裏が取れたという事ですよね」

金髪の生徒からの指摘。
それに頷くオモダカとクラベル。
 
「ね、ねぇ、クレイン。本当に教えるの?」
「ああ、勿論だ。タイニー。この前、ボスから連絡があってな。トップや校長が来た場合は居場所を教えて良いって言ってた」
「相変わらず、驚異的な直感力だよね〜。ストラグラーは。ね〜、リーテン」
「そうだね、ピエニ。ところで、クレイン。今、ストラグラーはどこにいるんだい?」

サブリーダーである金髪の男子生徒クレイン。
やや心配性な少女のタイニー。
対象的なマイペース少女ピエニ。
色黒とサングラスが特徴的なリーテン。
そして、彼らのボスであるストラグラーの五人。

「私達のボスってパルデア地方を一年中巡ってるの〜」
「この前はナッペ山に行ってたな」
「随分、アクティブちゃんだな……」 

ペパーの指摘に頷くはぐれスター団の面々。
タイニーと呼ばれた少女がボタンを見つめる。

「ストラグラーは強いよ。スターダスト作戦が無かったら、あの人が動くつもりだったから」
「え……」
「タイニー。終わった事だ。お前が転校生のハルトか。ボスもお礼を言うと思うが、俺達からもお礼を言わせてくれ、ありがとう」

全員が頭を下げる。
戸惑いながらもハルトはそれを受け入れた。

「マジボスにも感謝してるよ。正直、これ以上は僕達で抑えられる自信が無かったしね」
「ストラグラーはオコゲ林道にいます。あの人のテントは目立つと思うので」

そして、彼らは慣れた手つきでテントなどを片付けた。
そのまま、オモダカが連れてきたリーグ職員と共にタクシーに乗って行った。



***



オコゲ林道。
一行のうち、スター団のボス達とペパーはアカデミーに戻った。
ここのポケモン達のレベルはかなり高く、またボスであるストラグラーは大人数で来ることを望んでないと言っていたからだ。

「凄い所にいるね……」
「確かにここなら人は滅多に来ません。ポケモンのレベルも高く、近くに街も施設もありませんから」

ハルトの呟きにそう返すオモダカ。
すると、見慣れない大きなテントが立っていた。

「ガラルのテントだ……」
「えっ、そうなの?」
「あれは……」

テントの側にいたのはラウドボーン。
そのポケモンは一行を見つけると吠えた。

「ありがとう、ラウド」

優しくかけられる声。
テントから出てきたのはスター団のマークをつけたスポーツキャップを被った一人の少女。

「ようこそいらっしゃいました。トップと校長先生方。私の名前はアスル。ストラグラーと名乗っていました」

少女ことストラグラーは微笑む。
こうして、彼らははぐれスター団のボスと出会うのであった。


「まずはどこから話しましょうか」
「アンタがはぐれスター団を結成した理由は?」
「貴方と同じです、ボタンさん。最終的にスター団を崩壊させるためです。但し、内部からするつもりでした」

ボタンを見つめる鋭い視線。
青色の瞳は苛烈さを物語っている。

「貴方がいなくなり、スター団が肥大化をして末端の団員が暴走し始めていたんです。勧誘ノルマが一番分かりやすいでしょうか」

巨大なテーブルセットを出した彼女は紅茶を飲みながら話を始めた。

「タイニーはそのノルマの被害者です。あの子は真っ当だったスター団を知らない」
「だから、ボタンを見る目が厳しかったんだ」
「ええ。後、私とリーテンはいじめっ子の報復を受けた組ですね。リーテンは木立に吊るされ、私はオージャの湖にドボンです」

ネモの言葉に頷きながら、するりと飛び出した発言に子供達の動きが止まる。

「それって普通に殺人じゃ」
「紛れもない殺人未遂ですよ、生徒会長さん。私だけじゃなくこのラウドボーンも落とされましたから。私もリーテンもポケモンに助けられて無事でしたけど」

そして、ボールから飛び出したのはヘイラッシャ。
彼女は優しくその身体を撫でる。

「しかし、リーテンはともかく私の事件は良く立件出来ましたね」
「犯人の一人が自白しました。それと元はぐれスター団の団員が彼らの音声を手に入れて私に渡してくれました」
「そうですか。因みに残りのクレインとピエニはスター団団員からの苛めです。とりあえず、今までの団員の分はこの封筒に纏めておきました、どうぞ」

そう言いながらオモダカとクラベルに茶封筒を渡すアスル。

「ありがとうございます、アスルさん」
「思い出しました。アスルさん、貴方ジムバッジ保持者ですね」
「え!?」

その言葉に瞳を輝かせるネモ。
苦笑を浮かべる周りの人々。

「バッジを全て集めて、リーグに行こうとした時に襲撃されたんです」
「それは……」
「ラウド以外のポケモンも取られてボールも破壊されましたし。そういえば、奴らはどうなりました?」
「トレーナー資格剥奪の上で更生施設行きですね」
「まあ、そうでしょうね。流石にあんな危険物は他国も持て余すでしょう」

オモダカの言葉を聞いた少女は始めて楽しそうに笑う。

「これを。貴方が求めていたものです」
「中身を見ても?」
「どうぞ」

今度はトップチャンピオンが封筒をアスルに渡す。
中身を見た彼女は目を見開く。

「正気ですか?」
「本人の承諾は得ていますよ」
「自分で言うのも何ですけど、よくもまあこんな厄介者を」
「養子がいるのなら余計な虫がつかなくて済むそうです」
「なるほど、虫除けですか。じゃあ、この書類を出せば良いんですね?」
「ええ、お願いします」

会話は進んでいく。
話し合いを終えたアスルは立ち上がり、
クラベルに頭を下げる。

「お久しぶりです、校長。スター団の件、ありがとうございました」
「礼を言わなければいけないのはこちらの方です。それに私は謝罪もしないといけません」
「貴方は何も悪くありません。私も流石に襲撃されるとは思ってもみなかったですし」

対するクラベルも頭を下げる。
しかし、彼女は疲れたように首を振った。

「それと、転校生と生徒会長。それにマジボスも。ありがとうございます」
「お礼はバトルで良いよ!」
「噂には聞いていたけど、本当にバトルジャンキーだ…。色々落ち着いたら良いですよ」

ネモの要望に苦笑いを浮かべるアスル。
思わずハルトが口を挟む。

「ネモに付き合うと二時間ぐらいバトルするはめになるよ」
「知ってますよ。アカデミーには足を運んでいましたから」
「はぐれスター団のみんなはアカデミーに来ていたんだね」
「ええ。アカデミーは生徒が多いですから、逆に隠れやすいんですよ。それにスター団を何とかしても、退学したら意味が無いですし」

彼はそのままはぐれスター団のボスに疑問をぶつけた。 
すると、ボスである彼女はあっさりと理由を答えてくれる。

「私は多分警察では行方不明者扱いになっていますけど」
「え……?」
「ハルト君。ネモさんにボタンさんも。何でいじめっ子達は私とリーテンだけを襲撃したと思いますか?」
「何でって」
「答えは簡単で残酷です。私もリーテンも親に望まれていない子供だからですよ」

告げられた言葉に息を飲む。
爆弾発言をした本人は平然としている。

「もっと言うと、たとえ死んだとしてもどうでも良いと思われてます」
「そんな事って」
「あるんですよ。親の庇護が無いことはそれだけで苛めの理由になるんです、残念な事に」

そして、はぐれスター団にはそういう子供も多かったんです。
自分の道具にするためにアカデミーに入れられた子もいました。

「だから、私は彼らのボスになったんです。この問題はスター団やアカデミーではなく、ポケモンリーグの力が必要でしたから」
「確かにそれはそうですね」
「パルデアリーグが人材不足なのはジム巡りで分かっていましたから。万が一、スター団が総崩れした時はリーグに頼る予定でした」

オモダカさんが話の分かる方で良かったです。 
そう笑ったアスルはまるで大人のようで。
これが彼らとはぐれスター団のボスであるストラグラーとの出会い。



***



おはこんハロチャオ。
話が進まないので思わず現実を叩きつけてしまった知識あり転生者です。
子供達よ、すまない。

(あー、でも。養子か)

知識あり転生者の私がスター団にいた理由は単純。
私の前世知識にはパルデア地方のものはなかったし、知っている地方に行こうにも親に疎まれている私はパスポートすら取れない有様。

(だから、チャンピオンランクになってリーグに現状を訴えようと思ったのに)

まさかの報復である。
いや、まさかという程でもないか。
あの時のアカデミーは世紀末過ぎるものだったし。

(……新しい親はそこそこ権力がある人みたいだし、やっと自宅テント生活も終わりかな)

襲撃の時に私はラウドボーン以外の全てをなくした。
手持ちも、スマホロトムも、ジムバッチなどの荷物も。
冗談抜きでヘイラッシャが私達を助けてくれなければ、二人共湖の底に沈んでいただろう。

(まあ、後でもう一回確認しておこう)

助かった私が周りに保護を求めなかった理由。
それはスター団の暴走とネット上に顔が晒されていたからである。
幸いにもスマホロトムはとある人から貰えたし、この世界ではヘアサロンは安いからちょくちょく髪型や目の色を変える事で見つからずに済んでいた。

(まあ、もう少しぐらいはのんびりしようかな)

はぐれスター団の皆もやっと安心して暮らしていけるようだし。
アカデミーの方も落ち着いている。
林道から見上げる星空は相変わらずの満天であり、私はいつものようにゆっくりとカップを傾けた。



ブルー・ストラグラー1
(はぐれ星の行く先は)



***

DLCが出る前に好き勝手書いておけシリーズ第一弾
スターダストストリートは良いストーリーだったけど、色々と疑問に残った事も多かったので
何よりはぐれスター団の事が気になってしょうがなかったので
彼らは無事に保護されたのだろうか
オリ主の新しい親は二人ほど候補にあるのですが、どっちにするかは悩み中
いっそのこと、両方のパターンを書いてみようか
以下、オリ主とはぐれスター団の捏造設定


◎ストラグラー/アスル
オリ主
アルセウスまでのポケモン知識有りの転生者であり、はぐれスター団のボス
虐待気味の親に世紀末なアカデミーに放り込まれ、彼女なりに色々と足掻き続けていた
元々スター団の一員だったが、マジボスの意思を無視したスター団に危機を覚え、密かにはぐれスター団を結成
水面下で同志を集め続け、スター団の情報を外部に流し続けた

パルデア地方の知識は無かったが、スター団の暴走を見て、このままでは彼らがパルデアにおける悪の組織になってしまう事を察知
トップチャンピオン兼アカデミー理事長であるオモダカと交渉をして、ジムリーダー達がスター団排除に出ないように交渉をしていた
本人は無自覚だが恵まれている同世代に対しては辛辣

◎クレイン
はぐれスター団のサブリーダー
ゲームでスター団の帽子をくれる人 
アスルと同じく暴走するスター団に危機感を覚え彼らに注意をしたが、それが原因でスター団団員からの苛めに遭う
オリ主の過去の詳細を知っている唯一のはぐれスター団員
顔出しが難しい彼女の為にはぐれスター団員達を統治していた  

◎ピオニ
マイペースな少女
あまりにもマイペースで調子を崩さないのでクレインと同じく周りのスター団員から疎まれていた
はぐれスター団の方針を気に入り、そのまま団入りをした
音楽家としての才能が一流であり、アカデミー時代はそれが原因で苛めを受けていた

◎リーテン
サングラスと色黒な肌が特徴的な男子生徒
オリ主と同じく親に恵まれなかった為にスター大作戦の後にいじめっ子達からの報復を受けた
その時、相棒であるヨクバリスに助けられそのままはぐれスター団に入る
ピオニとは最近良い仲になっているとかいないとか

◎タイニー
はぐれスター団の中では新人
やや押しに弱い所がある普通の少女
勧誘ノルマによって無理矢理スター団に入団させられた
なので、マジボスことボタンやスター団に対しても不信感を抱いている
有言実行をしたはぐれスター団の面々には心を開いており、逆境の中でも心が折れない彼らに憧れている


※はぐれスター団
スター大作戦の後に作られた組織
結成者はストラグラー
トレードマークはスター団マーク付きのスポーツキャップ
はぐれスター団団員の紹介を受け、三つの掟を守ることを誓えば入団出来る

※はぐれスター団三つの掟
その一、団員はコードネームを名乗ること
その二、ポケモンは出来るだけ鍛えるべし
その三、来る者拒まず去る者追わず
カテゴリ: SV色々

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