03/05の日記

19:49
助ける気がないならその子達、私にちょうだい?
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※ハーデス(星矢)成り代わり


***

・捏造設定、ご都合主義あり
・クロスオーバー要素、CP要素あり
・苦労神ハーデス様
・アテナ側に辛辣です

***



「人の子よ、お前にはハーデスになって貰いたい」

無茶苦茶な申し出だと思いながらも、私はその頼みを承諾した。
この世界の神様のフリーダムさに頭を抱えるまで後数分後。




「は?」
「無事で良かった」
「湊」

真っ白な空間。
そこで抱えられているのは私こと冥界の神であるハーデス。
因みに彼は私の配偶神であるヒュプノスこと有里湊。
名前から分かる通りキタロー君です。

「何が起きたの」
「アテナのニケが君を直撃して、冥界が揺らいだ。あ、傷はペルソナでもう治したから」
「冥闘士の皆は!?」
「大丈夫。綾時が回収済み。それでガチギレした琴音が暴れてる」
「駄目じゃん!」

思わずツッコミを入れる。
とりあえず、力を行使して冥界を復活させる。
細かい所は追々変えていこう。

「うわぁ……」

白い世界から抜けると死屍累々の光景が。
そこには薙刀を振り回している琴音と倒れ伏している青銅聖闘士達の姿が。

「荒垣先輩」
「アンタか。とりあえず、殺しは止めた」
「ありがとうございます」

因みにタナトスこと潮見琴音はハム子ちゃんです。
こちらは彼女の恋人の荒垣先輩。

「本当にいい加減にしなさいよ!アテナの傀儡が!アンタ達が『アテナ』の関係者なんて私は絶対に認めないから!!」
「琴ちゃん」

荒ぶる彼女の肩を掴みながら、私は愛称の名前を呼ぶ。
それに気がついた彼女は私の姿を見て、嬉しそうに顔を輝かせる。

「コラスィ!良かった!目を覚ましたのね!」
「うん、ありがとう。とりあえず、薙刀を仕舞おうか」
「でも……」
「お願い、タナトス」
「分かった。ハーデスがそう言うのなら」

因みにコラスィと言うのは私の本名というか人の世にいる時に使う名前だ。
ハーデスは神としての名前だからね。

「落ち着いたか、琴音」
「全然」
「後で皆でラーメンでも食べに行きましょうか」
「本当!?」
「良いかな?湊」
「俺は構わない。折角だから、綾時とザグレウスも誘おう」
「勿論」

和気藹々とする私達。
それを呆然と眺めるアテナ。

「ハーデス……」
「何かしら?まさか、忘れた訳じゃないでしょう?貴方だってゼウスから聞いているはずよ。本来の私は女だって」
「……」

黙り込むアテナこと沙織さん。
彼女達には悪いが私は全てを説明する気はない。

「まあ、良いわ。貴方が聖戦に勝ったのは事実。褒美は聖闘士の蘇生で良いわよね?」
「え……?」
「というか、過去の聖闘士達も熨斗をつけて返すわ。奴らのせいで冥界がかなり圧迫されているし」
「ハーデス。貴方は……!」
「帰って。私の場所を壊した貴方とは話したくないの」

私は権限を発動させて彼女達を追い出す。
ついでに、もう一つの入口は完全に塞ぐ。
すると、綾時がこちらに来た。

「ハーデス。パンドラはどうする?」
「家と共に放置。もう知らんわ、あんな裏切り者。綾時、冥闘士の皆は何か言っている?」
「君の事を心配しているよ。とりあえず、今はザグレウスが行っている」
「分かったわ。とりあえず、聖闘士達は追い出しましょうか」

力を使い、聖闘士達を蘇生させる。
また煩い奴らが何か言ってくるかもしれんが無視だ無視。

《ザグレウス》
《母上。無事だったか》
《冥闘士の皆はどう?》
《問題はない。ただ皆がアテナ達にキレている。ああ、オルフェと恋人は俺の家にいるから心配しないでくれ》
《とりあえず、冥闘士には現状維持の指示を。今から皆でラーメン食べに行くからザグレウスもおいで》
《分かった!すぐに行く!》

瞬間移動で現れたのは私の息子のザグレウス。
私と湊の息子である。
さて、とりあえずいつものお店に行きますか。



***



「美味しい……」
「良かったな」
「落ち着いたようで何より」

日本にあるラーメンチェーン店。
そこのオーナー権を持っている私は店を貸し切りにしてラーメンを味わっている。

「湊、美味しい?」
「ん。旨い」
「相変わらず、君達は良く食べるよね」

ワイルドの二人はとにかく食べる。
まあ、その身に世界を宿しているのだから納得の燃費の悪さである。

「ザグレウス、美味しい?」
「ああ、勿論」

今頃、アテナは聖域にいるのだろう。
とりあえず、他の神々が介入してくる気配はなし、と。

「良かったのか?」
「何が?」
「連中を復活させて」
「もう十分でしょう」

荒垣先輩の問いかけ。
聖闘士達を冥界で拘束していたのは、あくまで見せしめの為だ。
蘇生をしたのは聖戦勝利の褒美。

「しかし、容赦なくやられたな」
「母上は情けをかけたのに」
「はいはい、拗ねないの」

原作を知っている私はアテナと争うつもりはなかった。
なのに、結局は原作通りになってしまったのだから恐ろしい。

「今回はかなり手加減してあげたからね。
大丈夫。連中の出方は分かったから。
今度は聖戦さえ起こさせないから」

今回の聖戦が起きたのはポセイドンのせいだ。
ちょっかいをかけられて目覚めたポセイドンが私を手に入れようとアテナをつついた。
まあ、この事実はアテナ達に言うつもりはないが。

「アテナの相手、いい加減に面倒なんだよね。もう冥界の防備ガチガチにしちゃおうかな」
「良いと思う」
「もう少し領域を広げたいよね。魂の数も増えてきたし」

ラーメンを食べながら作戦会議。
この世界は生命の数と冥界の広さが釣り合っていないのだ。

「コラスィ」
「なに?」
「そもそも、冥闘士達を戦わせる必要はないと思う」
「ふむ」

そろそろ二桁に突入しそうな勢いでラーメンを食べている湊。
彼は淡々とした表情で続ける。

「俺達が悪役になる必要はない。だから、アテナの為の敵を新しく作ってやれば良い」
「なるほど!それなら私の親友が悪役になる必要がないもんね」
「ちょっと待て、君達まさか」

ワイルド二人の考えに気がついた綾時が声を上げる。
荒垣先輩も何かに気がついたようだ。

「シャドウを作り出す」
「……そう来たか」
「大丈夫なのか?俺達の世界のようになったら」

荒垣先輩の懸念はもっともである。
しかし、それを否定したのは綾時。

「ワイルドの彼らが消える事になったのはあの世界に本物の神がいなかったからだよ。だから、滅びを司るニュクスに対抗するには命をかけなければならなかった」
「けど、この世界には神と闘士がいる。だから、普通の人間が頑張る必要はない」

そんな彼をサポートしたのは息子のザグレウスだ。
発想としてはぶっ飛んでいるが、悪くはないと思う。

「ただこの世界で影時間を作るにはクロノスの許可がいるんだよね…。ああ、丁度良いか。他の連中も巻き込もう」
「良いのか?母上」
「大丈夫。皆、アテナには思うところがあるだろうし」

この世界のアテナはマトモな神ではある。
しかし、彼女は人間に肩入れをしすぎて他の神々の反感をかっている。
なので、この作戦に協力してくれるだろう。



*** 



「作戦成功。これで女神も私達に構ってる暇は無いでしょう」
「他の神々もノリノリだった」

私の発案であるシャドウ大作戦は大喜びで受け入れられた。
世界にあるあらゆる負のものをシャドウの中に詰め込み、人類の敵として解き放つ。

「でも、母上。他の神々が地上に介入してくる可能性は」
「ありえないよ、ザグレウス。この世界の神々は本当に人間を嫌悪しているから」

基本的にこの世界の神々は人間の身体を依り代にして復活する。
それはつまり人間の腹を使うということであり、他の神々にとって耐え難い苦痛になるのだ。

「個人的にはポセイドンに罰が下って良かった。ハーデスは俺のものだから」
「そうね。元はアイツが原因だから」

満足そうな湊と琴音。
ポセイドンはアテナに味方した罰として今回の作戦に加わることを禁止された。
というか、このままだとアテナ共々神界を出禁にされると思う。
まあ、古い神だから支配領域までは取られないと思うけどね。

「アテナはどう出るだろうね」
「好きにさせておけ。俺達はやるべき事をやるだけだ」
「そうだね」

シャドウが消えればタルタロスに還り、
それらは世界のエネルギーとなり、冥界などを支える原動力になる。
つまり、シャドウという負のものをタルタロスを通じて正しいエネルギーに変換しているのだ。

「タルタロスの上映も好評だな」
「皆、聖闘士には煮え湯を飲まされたからね」

因みにシャドウは影時間にしか出ない。
なので、各国の首脳陣からも称賛を得ている。
聖闘士達は結構一般社会に迷惑をかけてきた事を自覚した方が良い。

「さて、冥界の整備をやろうかな。タルタロスの方はタナトスと荒垣先輩に任せるね」
「分かったわ」
「ああ、任せておけ」

私達はエルシオンを出て冥界に降り立つ。
すると、ラダマンティスがやって来た。

「ハーデス様、ヒュプノス様、怪我の方は?」
「治ったから大丈夫。ザグレウスは?」
「ザグレウス様なら河の方に。お呼びになりますか?」
「なら、良いよ。案内頼める?」
「仰意」

久しぶりの冥界観光だ。
暫くしたら、また別世界の方へ旅行しても良いかもしれない。
そんな事を考えながら、私は湊の手を取るのだった……。



冥界の王は王手をかける
 (彼女は人の恐ろしさを知っている)



*** 



約束の日記念小説
前から書いてみたかったハーデス成り代わりとミックスしてみました
アテナに対して辛辣なのはデフォです
原作のハーデス様から考えるとしかたないと思います
好きなものをとにかく詰め込みました
以下登場人物設定とか


◎ハーデス成り代わり少女/コラスィ・ハインシュタイン
ある神からハーデスに成り代わって欲しいと頼まれた元オタクな人間の少女
前世知識及び原作知識あり
神々の間では女神として認知されているが、人間達からは男神として認知されている(ヒュプノスの策略)
星矢世界の命と農耕を司る古参の神であり冥界の王だが、とある神の頼みで別世界にいることも多々ある。
ギリシアの神々の中では人間に対して優しい方だが、流石にニケで刺されてキレた
性格はとにかくマイペース
アテナほど人間に肩入れもしないが、他の神々ほど人間を見下してもいない
ヒュプノスとは夫婦関係だが、知るのはアテナ以外の神々と冥界関係者のみ
ペルソナ3世界ではギリシア人と日本人のハーフであり、高校一年生の転校生でペルソナ使い
アルカナは死神であり、ペルソナはハーデス

◎ヒュプノス/有里湊
ペルソナ3のキタロー メインリーダー
色々あって星矢世界のヒュプノスをすることになった
ペルソナ世界にやって来た成り代わり少女に一目惚れをして、そのままヒュプノスをすることに
ついでに綾時も連れて来た
琴音とは双子の関係であり、同じワイルドであるので魂の双子
基本的に眠たげで無気力
成り代わり少女に色目を使うやつは抹殺する

◎ザグレウス
成り代わり少女と湊の子供
半神半人であり、家族が大好き
基本的に冥界におり、冥闘士と神々の仲介役をしていることが多い
司る力は輪廻転生

◎望月綾時
色々あった結果、成り代わり少女の元へ引き取られた
ワイルド二人組に振りまされながらも楽しそうに過ごしている
基本的にヒュプノスのサポートが仕事

◎ファルロス
本編では出ないが綾時とは別に存在する
夢を渡って冥闘士のスカウトなどを行なったり、地上の偵察などをしている

◎タナトス/潮見琴音
ペルソナ3のハム子、サブリーダー
有里湊の双子の妹
双子なのに名字が違うのは母方の親戚に引き取られたから
理事長の策略により、キタローと同じ時期に転校してきた
必死に荒垣先輩を口説いて恋人の座に収まる事に成功する
双子の兄とは違い勝ち気で男勝り
自分と大切な人を死別させる前の世界に憤りを覚え、大切な恋人と共に星矢世界にやって来た

◎荒垣真次郎
荒垣先輩
一行の中では一番の常識人
どう頼んでも恋人達が生存出来ない世界に見切りをつけてやって来た
星矢世界に愛着がないので、彼らがどうなろうとどうでも良い

◎冥闘士
成り代わり少女がトップなので割と結束力は高い
冥界にしか自分の居場所を持たない者も多いのでそれらを荒らした聖闘士達に対する憎しみは強い


◎アテナ
人間達の守護者
神々の中ではやや潔癖な性格であり、あまりにも人間に肩入れするので他の神々達からは煙たがられている

◎パンドラ
裏切ったので冥界を追い出された
カテゴリ: 星矢成り代わり(無印)

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