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□remember doing
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※結構暗め




ふと目を開けると、そこは真っ暗な世界だった。
何も見えない、光さえ閉ざされた空間に僕はひとり存在していた。


何で暗いのか、ここは何処なのかという疑問はあるが、兎に角今の状況を確認するために思考を巡らせた。


僕はさっきまで誰かと話をしていたはずだ。
そしたら急に意識が朦朧として、気がついたときにはここにいた。

僕はこれを知っている。
初めてではない。

これは…影化。


まるで他のものに乗っ取られたかのように自分の意志が反映されなくなる。

そして体が蝕まれていく感覚がはっきりとわかるから気持ちが悪くて仕方がなかった。




「もう諦めろよ」


低いトーンが辺りに響く。


「そうすれば楽になれるんだぜ?」



楽になれる。
その言葉が僕の心の奥深くまで浸透していった。
何も残っていない心の中を代わりに埋めたのは、本来なら僕が嫌う障害に屈する″という行為そのものだった。


聞く耳を持ってはいけないと思いながらも、その一方で受け入れようとしている自分が嫌になったけれど。

それしか、なかった。


eーtestなんて、もうどうでもいい。
耐えるのが辛いなら、いっそ一瞬で終わらせた方が楽に決まっている。


気を緩めた瞬間に肩の辺りで留まっていた影が凄い勢いで上ってきた。


(これで、終わっ……)

「祀木!!」


遠く、ずっと遠くの方で声が聞こえた。
その声は僕の名前を呼んでいる。

何度も。


(…誰だ?)


わからない。
思い出せない。
声は、知ってる。
何処かで聞いたことがある気がする。


(誰、だった…?)



思い出せ、思い出すんだ。

僕よりひとつ年上で、頭がよくて、優しくて…。
僕の大切な…。


『大丈夫だ、祀木!!諦めてはいけない!!』


頭の中をよぎった言葉。
それは今聞こえたものと全く同じだった。
1年数ヶ月前のあの時の。


「クリス、先輩?」


疑問形で口から出た言葉に、向こう側の世界にいる彼が答えた。


「そうだよ、ぼくだ!!」


どうやら僕の記憶は正しかったらしい。
そこにいたのがクリス先輩だとわかると、何故か凄く安心した。

この人は信用してもいい。
僕の中の何かがそう語っている。


「戻ってきてくれ!!」


彼の声と同時に一筋の光が僕のいた世界を照らした。
温かい光に包まれた僕の体には相変わらず黒い斑点があったが、何となく精神的苦痛は消えていた。



理由は簡単。
もうわかっていたからだ。


「イカセナイ」


嫌に片言だった。
気配を感じて振り返ろうとした頃には既に遅い。
人間の形をしながら明らかに人間とは違う何かがそこにいた。

目があった瞬間に生気を奪われたかのように薄れていく意識。
だんだん体がいうことを聞かなくなってきて、その場に倒れ込んだ。



僕はどうなるんだろう。
このまま消えてしまうのだろうか。

それとも…。


自分の答えを出す前に意識を保つことができずに、僕はゆっくりと目を閉じた。



完全に現実から切断される直前に聞こえたのは、嗚咽混じりに僕を呼ぶ先輩の声だった。




remenber doing
(最後に思い出したのが)
(彼の事でよかった…)



――――
何が言いたいんだ俺は!!

感動的な話しにしたかったんだけどな。
これじゃあただ悲しいだけじゃないか…orz


この後どうなったのかはしりません!!←無責任
ご自由に考えてください!!


ネタ自体は月曜日に考えて書き始めたんだけど、可笑しいなぁ、今日土曜日ww←

俺ってダメな子だな←

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