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□pass each other
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※栗→祀てか相互片想い的な



好き。どうしようもなく好きなんだよ、お前が。

お前に恋するだなんて、過去のぼくは思ってもいなかったに違いない。


相手は男なのに…。

どうかしてるんじゃないかって何度も言い聞かせた。

きっとこれは別な意味の好きという感情に過ぎないんだと我慢していた。


そんなある日、ぼくは祀木の家に遊びに行った時のことだ。

最初はちょっとした好奇心からだった。



「祀木はさ、好きな人とかいるの?」


ぼくが然り気無く聞くと、隣でコーヒーを飲んでいた祀木が吹き出した。


「な、何ですか急に」

「何ってほどじゃないけど、気になったから」

「いませんっ」


じゃあさっきの慌てようは何だったんだ、って言いたくなったけど可哀想だからやめておいた。

それからぼくも祀木も何一つ話さずに、時間は過ぎていくばかり。


「先輩はいるんですか?好きな人、とか」


先に重苦しい空気を破ろうとしてきたのは、彼の方だった。

自分ばかりじゃ不公平だ、何て変なこと考えているだけで、ぼくが誰を好きだろうが別にいいんだろ?

そう考えたら自分でも知らないうちに速答していた。


「いないよ」


嘘、ついちゃったな。

だってさ、ぼくが好きなのはお前だ!なんて言ったらきっと気持ち悪いって思われるから。


それならいっそのこと、気持ちを仕舞ったまま今まで通り仲良くしてた方がいいじゃないか。



…でも、一回だけなら、いいかな?



「…好き」

「え、何か言いましたか?」

「いや、何も…」




大丈夫。
気にしなくていいよ。

もう言わないから。


これからも、ずっと。




pass each other

(もしぼくが告白してたら)
(未来は変わっただろうか)



――――
今こんな気分だった。
言わないで終わるのが一番後悔するんだよ、栗須!←
あ、eーtest前かなコレ

栗須って笑顔だけど色々溜め込んでそうだよな、って思った。

因みに題名はすれ違う″って意味ですww
相互片想いっておいしい気がするのは俺だけか?←

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