戦国BASARA

□こんな日も
3ページ/4ページ

「政宗殿。」
「ん?」
振り向いた彼の頬にキスをする。
唇にはしてやらない。
刹那驚きに包まれる顔。

「なっ・・・。」
「『どうせバレやしない』でしょう?」

途端に引き寄せられる身体。
己のものとは酷く違った乱暴だけど優しくて深いキス。

期待していなかった、わけじゃない。

「んぅ・・・!」
「・・・・。」
呼吸ができない。
いつもより余裕がないのは手に取るようにわかる。

そうしたのは、自分だけれども。


「・・・・はっ」
暫くしてやっと放された唇。
動かない口と引き換えにキッと睨む。
朱い顔では効果はないのかもしれないけれど。
言葉の代わりに抱きしめられる。
「お前が悪い・・・。」
耳元で囁かれたそれはひどく擽ったかった。
「政宗殿・・・。」
「っいくぞ・・・!」
さっきとは打って変わって乱雑に引かれてく手。
いくら鈍い俺でもわかるバレバレの照れ隠し。
おもわず笑みが零れる。
「…なんだよ。」
「いえ…行きましょう?」
今度は俺から握りしめる。
幸せだ。



雨は好きではないけれど、こんな日も悪くない


次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ