log

□加速する想い
2ページ/3ページ

不意に彼の動きが止まる。

今日は今までより格段におかしい。

「しずちゃん?」

衝動的に近づいてしまった。

この距離なら確実に殺られる。

だが、大丈夫。直感的にそう思った。

案の定俺が声をかけても彼は動かない。

本当に、どうしてしまったものだろうか。

「しずちゃん、大丈夫?」

まるで何かを考え込むような顔に驚愕の色が
広がる。

それさえも綺麗だと思える。…末期だろうか。


「は?」

「いやだって、ここ最近変でしょ。」


気付かれた。


こんな表情。そして、


何かにすがるような、


そんな表情。




加速する。




俺の名前を呼びながら、物を振り回す君も。


「関係無い。」と意地を張る君も。


全てが愛しい。



加速する想い



本心とは裏腹にこの場を去るこの身体。

嗚呼、

    それでも、
                  俺は君が愛しい。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ