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□加速する想い
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不意に彼の動きが止まる。
今日は今までより格段におかしい。
「しずちゃん?」
衝動的に近づいてしまった。
この距離なら確実に殺られる。
だが、大丈夫。直感的にそう思った。
案の定俺が声をかけても彼は動かない。
本当に、どうしてしまったものだろうか。
「しずちゃん、大丈夫?」
まるで何かを考え込むような顔に驚愕の色が
広がる。
それさえも綺麗だと思える。…末期だろうか。
「は?」
「いやだって、ここ最近変でしょ。」
気付かれた。
こんな表情。そして、
何かにすがるような、
そんな表情。
加速する。
俺の名前を呼びながら、物を振り回す君も。
「関係無い。」と意地を張る君も。
全てが愛しい。
加速する想い
本心とは裏腹にこの場を去るこの身体。
嗚呼、
それでも、
俺は君が愛しい。