戦国BASARA
□気怠さは浮かれているから出るものだ
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「…」
雲ひとつない真青な空を見つめる。
前で何やら話しているが一向に耳に入ってこない
授業中なのだから当たり前なのだが。
本当はノートを取らなければいけない時間。
いつもなら必死になって視線が黒板とノートを行き来するのだが、今日は何故かやる気が起きず、鉛筆を握る気さえもない
授業内容はさほど難しくないもので後でまとめればなんとかなるだろう
今の内容を覚えてる気はしないけれど。
カキカキとペンが走る音だけが響く
今日は珍しく、誰も騒いでいない
静かな教室が更に気怠さを煽る
クラスを一瞥してまた視線を窓の外に移す
どうしてこうも怠いのか、
明日はこの学校でバザーがある
高校上がって初めてのものだ
少し浮かれてしまっているのかもしれない
そこまで考えてふっと苦笑する
本当は違う、そんなものじゃない
(明々後日…なんでござるよな…)
そう、明々後日だ、
月末でもあるその日は幸村が彼に想いを伝えて丁度三ヶ月目
贈り物だって用意してある
どこか女々しいとも思うがどうしても意識してしまう
事実、明々後日は彼に食事に誘われている
己が一生かかってもいけなさそうな所に、だ
自分と同じように意識してくれているのか、そうではないのか、
後者だと少し寂しいな、なんて思いながらもそれでもいい、サプライズになる。と矛盾した思考にまた苦笑を零す
あと五分、何をして暇を潰そうかと考えながら見慣れた人影がある校門に視線を落とした