戦国BASARA

□想う
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俺は忍。道具だ。
人の感情なんて持っちゃいけない。
なのに、
想う
なんでアンタは俺を人に戻そうとするの…?

俺の主は男の、それも敵の武将に恋をした。
偶然か否か、あちらも同じ気持ちだったようで二人はすぐに恋仲になった。
でもこの乱世の中、そう簡単に会えない――筈なのだが、たびたび鍛練の為などと称してふたりは刃を交じ合わせる。
そんなことが続けば、自然と従者――自分達の会話も多くなる。
見た目とは裏腹な不器用な気遣いに俺はすぐに恋に堕ちた。

”ドウシテ俺ニ優シクスルノ…?”

でもやはり従者にとっての1番は主。
己の主とやり合っている彼に向ける眼差しは深い尊敬に満ちていた。
もしくはそれ以上の感情もあるのかもしれない。


嫌だ


やめて


”ソンナ眼デアノ人ノコトヲ見ナイデ”


しかしそれは所詮全て己の欲望。
叶うことはない。

それでも、貴方への想いは募るばかり。
苦しいだけなのに。


今日もまた、あの人へと思考を馳せる。
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