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□許されない恋
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俺はアイツが大嫌いだ。
それはもう、殺したいくらいに。
(けどなんでだ?)
最近、ふとした瞬間にアイツの事を考えている。
嫌悪感しか抱かないと思ったがそのなかには少しくすぐったくなるようなものもあった。
それは懐かしいあの――――
(っ違う!絶対に違う!アイツだぞ?しかも、男だし…)
おまけに顔を合わせると
「しーずーちゃん。」
////
「イィァザァヤァァア!!!」
声はいつものように返せるが、顔を見られては不味いので睨むことができない。
それに前のように怪力も出なくなった。
出ることには出るのだが、臨也の前ではどうしても少し手加減しているような感覚に襲われる。
ブンッ
本当に『少し』だが。
いつものように標識を引き抜き、いつもよりも少しだけ弱く投げ回す。
そして、いつものように避けられる。
当たらない。
悔しい反面、ホッとしている自分がいるという事実がここにはある。
臨也はこんな自分に気づいているのだろうか。
傍から見れば、いつもと変わらない光景。
気づいて欲しいような、気づかれたくないような。
とても矛盾している。