マーメイド

□泡になって沈んでいく
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その夜、夢を見た





人間になった人魚姫がゆっくり、沈んでいく夢。





悲しそうだけど、どことなく満足げな笑顔。




手を伸ばすと人魚姫は笑って拒むんだ。




人魚姫は泡になって幸せなのだろうか。



そんなこと、私にはわからない。






























































「・・・・。」



なんだか、眠れなかった。



失恋した痛みよりもマサキくんに言われたことのほうが気になって眠れなかった。



変な夢も見るし。



こういう時って誰かに相談したらいいのかな。



うーん・・・。



「なあに、暗い顔してんだよ!」



「うわあ!み、水鳥さん・・・。」




みんなの練習を見ながら、マサキくんを見てぼんやりしていたらしい。




「何か、あったの?」




茜さんが不安そうにわたしの顔を覗き込む。




「・・・いいえ。」




無理矢理、笑って首を左右に振る。



きっと、ふたりとも見透かしてるんだろうなあ・・。



「そっか。」



「無理しないでね。」



二人とも、気を使ってくれたのか。



優しく笑ってくれた。



そうだ、今日は図書室に行ってみよう。




人魚姫の本を借りたら、何かわかるかもしれない。




もう一度、練習風景を見ながらわたしはぼんやりと考えた。

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