二次創作

□きみがいた屋上
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こんなにも、君が大事。






※アルコバレーノはボンゴレとは違うファミリー
※リボーンとツナは幼なじみ。ツナはリボーンにいろいろマフィア界について教えてもらってた。




さっぱりと晴れた空。
綺麗な青い大空が顔を覗かせている。

白い四角い建物の屋上を吹き抜けていく風は、梅雨明け後の夏の暑さを少し涼しくしてくれるものだった。

屋上がこんなに気持ちいいのも、あとちょっとだな。

今日はまだ風があるからいい。
天気予報によれば、もう来週は夏の暑さだとか。
吹く風に頬を預ける。
さっきまでやってた放課後掃除のせいで、軽く汗ばんでいたのだが、今は風のお陰で汗の後が冷たい。

あいつにここで会えるのも、あとちょっとか。

いつの間にか、ここで過ごすあいつとの時間がこんなに大切に思えるようになっていたなんて、人生何がおこるか本当に分からない。

屋上の、放課後の太陽の向きによって日陰になるところに大の字になって寝転がる。


ガチャ、


静かに扉が開く音がした。
オレが寝ている場所は丁度扉によって見えなくなるところ。扉を開けて、何かを探すような気配がして、あいつが来たんだとわかった。

「オレはここだぞ。」

開いた扉から顔をひょこりと除かせたのは、ふわふわの柔らかそうな毛をもつあいつ。

「あぁ、なんだこんなところにいたんだ、探したよ、リボーン。」
「オレを?どうしてだ」
「コロネロが探してたから」

一瞬、上昇に向かった気分が一気に下降する。まぁ、そんなとこだろうとは思っていたけれど。

「相変わらずここ好きだね」
「まだ涼しいからな」
「来週は暑いらしいよ」
「らしいな」

淡々とした会話に心地よさを感じる。
今この場この時を共有している存在があいつだと感じて、沸き上がる感情が抑え切れない。
と、言っても常にポーカーフェースを貫くオレの気持ちが表に出ることはないし、鈍感に超が10個くらい付くんじゃないかと思われるあいつがオレの気持ちに気付くはずもない。

だけど、この心地好さだけは今お互いに共有していることを感じる。

「そういえば、コロネロが言ってたよ。」
「何をだ」
「行くんだって?」
「………」

責めるわけじゃない、怒るわけじゃない、その口調がしっとりと場に浸透していく。

「あのバカ、オレが言う予定だったのに」

あとで覚えとけ、と心の中で愚痴ったのを感じられたらしい、あいつは、ツナはいつも通りの頼りなさげなにへら、とした笑顔で笑いかけてきた。

そろそろ日の傾きかけてきた屋上。

その光の色はオレンジ。

オレンジに照らされた笑顔。

あぁ、なんてキレイ。

思わずその笑顔に手を伸ばす。どうしてだろう、掴まなくてはいけないような気がしたんだと思う。

きょとんとした表情を伴った笑顔を見て、腕をおろした。

「おまえはどうするんだ」
「オレ?オレはなぁ……どうしよう。」
「行かないのか」
「…………まだ行きたくないんだ」

甘いな、とため息をついた。
なんて甘い考え。
ボンゴレの9代目はもう長くはない。違うファミリーであるオレの耳にもその情報は届いているのだ。
容態は既に一刻を争うものになっているというのに、

「まだ、行けないよ…」

その小さな背中にボンゴレという名前は重すぎる。

「でも、みんな、オレが決めればいいっていうんだ。獄寺くんも、山本も、雲雀さんも、お兄さんも、クロームや骸でさえ……ランボも。」

みんなの未来を背負える自信がないよ。

得意な読心術で聞こえてきたその声が酷く切なくて弱くて、

だから、思わずいってしまった。

なんてことだ。
オレは常に物事はよく考えて行動するタイプだぞ。
こんな思わず、なんて行動をとるなんてめったにないんだぞ。

だけど、おまえはオレのペースをいつも潰してくる。

「なら、オレと逃げるか?」

その台詞があいつの耳にするりと入り込んだのがよくわかった。
びくんと震わせた小さな肩が、それらを語ったからだ。

「リボーン……?」
「オレは強いぞ。なんだってアルコバレーノいちのヒットマンだからな。」
「…………アルコバレーノいちのヒットマンがどっかに行っちゃったら、ルーチェが困るよ?ユニだっているのに」
「そうだな、………でも」
「あはは、ごめんね、リボーン。困らせるつもりはなかったんだよ。」
「ツナ、聞け…」
「大丈夫。まだ、まだちょっと決められないけど、ちゃんとオレも行くから。」


だから、イタリアで待っててよ、リボーン。


「………そうか」

オレンジの光はあの一瞬だけ瞬いて、あとには夕暮れの匂いが立ち込めてきた。

静かに立ち上がり扉に向かってあるきだすツナの後ろ姿に言いようもない焦燥感がわいた。

「あ、ルーチェ?リボーンいたよってコロネロに………って、いたの。」

扉の向こうにいたルーチェにかける声が、学校の下校のチャイムにかぶる。
リボーン、と声をかけられて、手を差し出された。



なぜ、なぜこの時、無理矢理にでもその細い腕をとって、現実から逃げ出さなかったのか。

今でも夢に見る。

あの屋上で、あの夕日で、あの笑顔を。

こんなに後悔するならば、

なぜ、なぜあの時、その頬に触れなかったのか。

もう、あそこに戻ることはない。




「おい、行くぞコラ、リボーン」
「…………あぁ。」

外では激しい爆音がする。

あいつが近くまで来ているのだ。

どく、どく、と一定のリズムを、心臓が奏でる。

ボンゴレとアルコバレーノの争いはもはや避けられないところまで来ていた。
ボンゴレを快く思わない第三勢力の仕業だとは分かっていた。アルコバレーノはいわば当て馬に過ぎないと、関係者ならば周知の事実だった。

その第三勢力は、ボンゴレにアルコバレーノを当て、その弱った所を叩くつもりだろう、と。

だが、ボンゴレの外聞上、嵌められたにせよアルコバレーノの行った所業を許すわけにはいかなかったのである。

「しかし、強くなりましたね、十代目ファミリーは。」
「当たり前だ。オレが赤ん坊の時から仕込んでるからな」
「修業だコラ」
「あれを修業というセンパイ達はおかしい」
「なんか言ったかコラ」
「なんにせよ、授業料払ってほしいくらいだね」

屋敷のテラスから、アルコバレーノ・ファミリーの中心である7人が顔を覗かせる。オレも、テラスに長い手をかけて、下を見た。

オレは、争いの中にあいつの姿を探した。

そして見つける。

オレンジの美しい炎を両手のグローブから放つ、神々しいまでのその姿を。

「ダメツナが。」

立派になりやがって。

口角が、斜め30度に上がる。
どく、どくとまだ鼓動は鳴りやまない。

なんのことはない。

あいつに会えたからだ。

テラスから飛び降りた。
あいつの目の前に着地する。
ダークスーツがやっと似合うようになったか、と会わなかった間の成長を感じる。




あいつに会えたことが、こんなに嬉しくて。


こんなに切ない。


あの時に腕をとって逃げ出していれば、


こんな未来は来なかったのだろうか。




「久しぶりだね、リボーン」


十年たった今でも、その声は高くて、少しだけ甘い。

「ちゃおッス。ダメボス。元気にしてたか?」
「リボーンこそ。相変わらずエスプレッソばっか飲んでたんじゃない?香がする」
「そういうツナこそ、相変わらずエスプレッソ飲めないんじゃないか。」
「苦いもん」
「ダメツナが」


ツナがグローブを目の前に掲げた。
臨戦態勢だ。

分かってるじゃないか


オレはさらに笑みを深くすると、愛銃に指を滑らせた。


「本気でこいよ」

「リボーンこそ」



あの時、と今だに後悔ばかりが残る。

だけど、きっと、オレは、多分、今


お前と戦えることに


すごく、すごく興奮してる

「行くぞ」


オレは、じゃき、と愛銃を

心の奥深くで密かに想いを抱いていたやつに、


向けた。


それから、暫くして
アルコバレーノと戦うボンゴレに背後から奇襲をかけるように戦いを挑んだファミリーがいたが、
十代目ボンゴレ沢田綱吉率いる守護者部隊に敗れる。





20111206

ランボの頬っぺたマーク


リボツナLOVE!!
リボーン最高!!

と、思って最近二次創作に嵌まってたので、書いてみたんですが……

何コレ……
何、コレっ

ごめんなさ〜い
ひとまず、リボーンのかっこよさがまったく出ていない……
もう、だめっ

でもまた書けたら書きたいな……


















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