お花夫婦・親分子分
□笹の葉に願いをのせて
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「フェリシアーノさん、ルートさん。今日は日本では七夕と呼ばれる日なんですよ。」
そう言って菊は楽しそうな微笑みを浮かべた。
そしてその両手には、葉や枝の細い植物と、細長い紙束が握られていた。
「ヴェー、タナバタって何?菊ー」
フェリシアーノは首を傾げた。
すると菊はこう付け加えた。
「七夕というのはですね、織姫と彦星という二人の恋人が年に一度だけ会える日なんですよ。
日本ではですね、この日にこの短冊という紙に願い事を書き、笹に吊るすのが風習なんです」
「へー、何かロマンチックだねー!ねぇ、ルートルート。俺たちもやろーよー!!!」
フェリシアーノは、楽しそうにルートの方を見つめ言った。
「うむ、そうだな。ちなみに菊、願い事というのはどのようなことを書けば良いんだ?」
「何でも良いんですよ、自分が叶えたいことで。お金持ちになりたいだとか、これからも健康に過ごしたいだとか、二次元に逝きたいだとか・・・あ、あとは」
菊は何か思いついたようにフッと笑った。
「あとは・・・?」
二人はその続きを待つかのように菊に迫る。
「そうですね・・・、好きな人とずっと一緒にいられますように・・とかどうでしょうか。お二人にはピッタリの願い事だとおもいますよ」
笹に掛ける飾りを買ってくるので、少し待っててください、と付け加えると菊はその場を立ち去った。
真っ赤な顔の2人だけがその場に取り残された。