【リード・ワールド】

□第九話 授業
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≪神無月 イク≫

戦闘訓練にて、私は『水』の魔法での戦い方を学ぶことになり、今回は皆とは離れ離れになった。

戦争で私達『水』の魔法使いはどのようにして戦えばいいか、そういうのを学ぶらしい。

先生…今は教官の話をまずは座学で聞くんだけど…

「まず、皆は『水』と聞いて何を思い浮かべる?
涼やかな湖か?
それとも井戸の綺麗な飲み水か?
それとも雨のような水か?
戦争で求められている『水』。
それは人を死に至らしめるような『水』だ。
この意味がわかるか?」

そういわれて、ここに集まっている『水』の魔法を得意としている私たちはよくわからない。

『水』を得意としている者は人の体調の良し悪しを『視る』ことができる。

体内に流れる『水』の動きを簡易的にとはいえみれるのである。

そんな私たちが死に至らしめる、というのは…その水の動きを止める、ということであるとは思うのだが…

そう考えこんでいると、先生が私たちをみて言った。

「戦争というのは、残酷だ。
どんな手段をとったとしても、勝てれば良い。
『勝つ』というのはどういうことか。
私達が生き残ることだ。
…生きるのに必要なものはなんだと思う?」

そういわれて、ハッと気が付いた。

水が必要なんだ、生きるためには…

「皆わかったようだね。
水を飲まなければ人は生きていけない。
人だけでなく、それはどんな生物にも当てはまる。
そこで、だ。
皆には今から、毒薬を作り出す魔法と、それを解毒できる薬の生成をしてもらう。
…これが、今日からの授業だ」

そう言われて先生に案内された場所は、学園内部の森の中。

ここで解毒に必要なものの見分けをつけ、そして使用できるようになれ、というのだろう。

これから、人を殺すための毒を作ると考えたら…気が重くなった…







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