【リード・ワールド】
□第九話 授業
1ページ/4ページ
≪神無月 イク≫
戦闘訓練にて、私は『水』の魔法での戦い方を学ぶことになり、今回は皆とは離れ離れになった。
戦争で私達『水』の魔法使いはどのようにして戦えばいいか、そういうのを学ぶらしい。
先生…今は教官の話をまずは座学で聞くんだけど…
「まず、皆は『水』と聞いて何を思い浮かべる?
涼やかな湖か?
それとも井戸の綺麗な飲み水か?
それとも雨のような水か?
戦争で求められている『水』。
それは人を死に至らしめるような『水』だ。
この意味がわかるか?」
そういわれて、ここに集まっている『水』の魔法を得意としている私たちはよくわからない。
『水』を得意としている者は人の体調の良し悪しを『視る』ことができる。
体内に流れる『水』の動きを簡易的にとはいえみれるのである。
そんな私たちが死に至らしめる、というのは…その水の動きを止める、ということであるとは思うのだが…
そう考えこんでいると、先生が私たちをみて言った。
「戦争というのは、残酷だ。
どんな手段をとったとしても、勝てれば良い。
『勝つ』というのはどういうことか。
私達が生き残ることだ。
…生きるのに必要なものはなんだと思う?」
そういわれて、ハッと気が付いた。
水が必要なんだ、生きるためには…
「皆わかったようだね。
水を飲まなければ人は生きていけない。
人だけでなく、それはどんな生物にも当てはまる。
そこで、だ。
皆には今から、毒薬を作り出す魔法と、それを解毒できる薬の生成をしてもらう。
…これが、今日からの授業だ」
そう言われて先生に案内された場所は、学園内部の森の中。
ここで解毒に必要なものの見分けをつけ、そして使用できるようになれ、というのだろう。
これから、人を殺すための毒を作ると考えたら…気が重くなった…
.