暗黒世界

□罪と心の闇(★)
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「く、来るな・・!俺に近寄るな!!」

力無き身体で抵抗する犬夜叉。
しかし、鎖で繋がれていて逃げることができないでいる。

フフフッ、無駄なコトを・・。

ペロッ・・・

「ひゃ・・!!」

殺生丸は犬夜叉の首筋の傷から流れる血を舌で舐めとった。

愛おしい・・・。

首が終わると今度は胸へ。
「や、やめ・・。くっ!!」

胸の傷は深いらしく犬夜は痛みのあまり顔を歪ませる。

もっとお前の声が聞きたい。

もっとお前に触れていたい。

もっと・・・。




「・・・・・・逃しはせぬ・・」

ひたすら傷から流れる血を舐める。
犬夜叉も体力の限界なのかもう抵抗はしない。
洞窟に犬夜叉の力無き声が響く・・・。







一通り舐め終わった殺生丸は犬夜叉の顔をジッと見つめる。

殺生丸の細く、キレイな指が鎖に繋がった犬夜叉の手首へとのびる・・・。

この鎖さえあれば・・・

グッ・・・

殺生丸の爪が犬夜叉の手首に食い込む。

「・・ッ!!」

お前はここから逃げられない。

私とずっと一緒にいられる・・・・・



なのに・・・、




何故お前はそんなに辛そうな顔をするのだ・・・。


「そんなにあの人間のコトが大事なのか・・・?」


「・・・・あぁ・・。」


ドックン・・


再びあのまがまがしい感情が込み上げる。

犬夜叉を離したくない、どこへもやりたくないという独占欲・・・。

私はスッと立ち上がり出口へと向かう。

私から犬夜叉を奪う奴は許さない。

犬夜叉に帰る場所があるというのなら、あやつらの所がいいというのならば・・・。


「ならば・・・殺すしかないな・・・」
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