暗黒世界

□罪と心の闇(★)
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気がつけば私は犬夜叉を閉じ込めていた。

光のない闇の中へと。
一人になったときを見計らい、連れ去ったのだ。

独占欲・・・

私自身、自分にこんな感情があるとは思わなかった。

後悔などしていない。
私がコレを望んだのだから・・・。

「もう、外へはださぬ・・・誰の瞳にもお前を写させはしない・・・。」







しばらくしてから様子を見に行った。
手は鎖で縛り動けないようにしてある。
身体も香のせいで痺れているはず・・・。

暗闇に明かりがともる。

私の目に入ってきたのは今まで暴れていたのだろうかぐったりしている犬夜叉の姿。
手首には鎖が食い込み血が滲んでいる。

逃げようとしなければよいのに・・・・。

私は犬夜叉へと近づく。
足音に気がついたのか犬夜叉は顔をあげた。
そして私の顔を見たとたんに、
犬夜叉は『信じられない・・・』とでも言いたそうな顔をした。

そして震える声で

「ま、まさか・・・。お前なのか・・」

「・・・。」

「黙ってねぇで何とか言えよ・・・。殺生丸!!

憎悪の込められた目で私を睨む犬夜叉。
私は何もいわず、犬夜叉の手首に食い込んでいる鎖をなでる。


「・・・傷は痛むか?」

今更私は何を聞いているんだ?
犬夜叉を閉じ込め鎖で繋いだのは私ではないか・・・。



「ッ!・・・てめえ、一体どうゆうつもりだ。こんな所に俺を閉じ込めやがって!!さっさとここからだし・・やがれ・・・!!!」

香が効いていてつらいのだろう。犬夜叉の声にはいつものような迫力はない。


誰が出すものか・・・。



「・・・オイ!聞いてん・・のかよ・・・!!」

愛しいお前の声を聞き逃すはずがないだろう・・・。


「・・・何とか言えよ。用がないんなら・・さっさとコレほどけよ・・・。俺は・・、俺はあいつらんとこ・・・帰らなきゃなんねーだよ・・・!!」

そんなコト言わないでくれ・・。
私は・・・私は・・・。


その犬夜叉の言葉で私の中で何かがキレた


ドカッ

「ぐっ!!」

私は無意識に犬夜叉に蹴りをいれていた。


「黙れ・・・。」

そして私は鎖で繋がれて身動き一つ出来ない犬夜叉をひたすら痛め付ける。


帰るだと?
一体何処へ帰るというんだ、お前は・・・。私がどれほどお前のコトを思ってい
るかわからないのか?
どういう思いでお前を見続けてきたと思っているんだ?
いつになったらお前は私のコだけトを見るようになるのだ?
私にもあの笑顔を見せてくれ・・・


この一方的な思いを私は、『暴力』というなの方法でぶちまける。

そんな行為はいったいどれほどの間続いたのだろうか・・・。

ハッと我に帰ると、私の目の前には全身傷だらけでボロボロになった犬夜叉がいた。
いつのまにか闘鬼神もつかったのだろう・・・。
犬夜叉の身体からは至る所から血が流れている。

・・・だが、いくら痛め続けても傷はいずれ治ってしまう・・・

そしたらお前は・・・








「・・・私がお前を繋いでいるその鎖を外したら、・・・お前はどうする?」



私がそうたずねると犬夜叉は「訳がわからない・・・」とでもいいたそうな顔をしている。


「あの・・・、人間の元へと戻るのか・・?」

コレほどお前のコトを想っているのに。

お前は・・・





「犬夜叉・・・。」

そう呟き、殺生丸は犬夜叉に近づいていく。

胸が押し潰されそうに痛い。
お前はもう私の物なのだ・・・。
他のコトなど考えるな・・・。
考えないでくれ・・・。


殺生丸が近づけば近づくほど犬夜叉の顔からは血の気が引いていく。・・・怯えているのか?


そんなに私のコトが嫌なのか・・・。
ならば・・・・、

その恐怖でお前を従わせるのみだ
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