マ王

□Happy Halloween!後
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「取り敢えず、前髪だけ切りましょう」
「……うん」


今女の子だからなのか、村田よりもギーゼラの方が安心する。


「あと女性なので、女性用の下着をつけて下さいね」
「やだ」
「陛下」
「……はい」


ギーゼラってこんな怖かったっけ。逆らえない。
前髪を切った後は、優しい手つきで髪を梳かしてもらった。オプションにカチューシャを付けられた。


「さぁ、服を着替えましょうか」
「ギーゼラ楽しそうじゃない?」
「気のせいでしょう」


そして手を引かれて部屋を出ると、村田にかわいいとベタ褒めされた。
とても嬉しくない。
衣装部屋に行くと言ったら、何故か村田まで付いてきた。
そしてしばらく歩けば、絢爛豪華な衣装がズラリと並ぶ部屋に到着した。
もちろん村田は外で待機。


「陛下は青がお好きでしたよね」
「うん」
「これなんかどうです?」

ギーゼラが俺に見せてきた服は、レースたっぷりの、かわいさ溢れるドレスだった。


「……かわいいデスね」
「そうでしょう! じゃあこれにしましょうか」


やっぱり気のせいじゃなく、ギーゼラのテンションは確実に上がってる。


「下着は黒ですね」


ギーゼラはなんの戸惑いもなく俺に女性下着を見せる。
でも不思議と羞恥心は湧いててこなかった。いつもなら、赤面してあわてるのに。


「……あれ?」
「どうしました?」
「いや、なんでも」


ギーゼラからドレスと下着を受け取ると、ゆっくりと着替え始める。
慣れない下着の付け方は、多少助けてもらったりしながら着替えていく。





「キャー! かわいいですわ陛下!」
「……ありがとう」


あまり褒められると、恥ずかしくて少し顔が赤くなる。
俺は近くにあった大きな鏡の前に立って、一回転してみた。
すると遠心力によってスカートとレースが浮かぶ。
なぜかドレス着ているのが楽しく感じる。
俺おかしくなったのかな。


「お綺麗ですよ」
「……ほんと?」
「ええ。ヴォルフラム閣下もお喜びになります」
「よ、喜ぶかな?」
「それはもう!」


あまりにもギーゼラが褒め倒すので、もう1回鏡を見る。
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