マ王

□Happy Halloween!前
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「僕達も手伝うよ」
「それはとても助かります。いつもならお手を患わせる事態にはしないのですが」
「良いんだよフォンクライスト卿。眞魔国の為だもんね」
「ああ、なんと慈悲深いお言葉ッ」


やばい……入りはいる隙間が見つからないぞ。


「ちょ、ちょちょ! まず俺の質問に答えてくれないかなギュンター。何の準備? 何か祭りでもあるの?」
「祭りではありません。陛下のお国でもあるのでしょう? “はろうぃん”と言う天災を防いだり、子供たちを悪の手から守る儀式が」
「……は?」


惚ける俺の後ろで掌で口を覆い、笑い声を押し殺してる村田の声が聞こえた。
口が引きつるのを感じながら、村田ね肩を揺すって怒鳴る。


「村田ー!!」
「あながち間違いじゃないと思うけど?」
「ギュンター完璧信じてんじゃん!? どうすんだよ〜」


疲労の為か俺たちの声が届いていないギュンターは、今だに悠々と俺達に語り続けた。


「なので私は、クマハチの衣装で仮装しようかと」


これまたラブリーな仮装ですね、ギュンターさん。
おまけにこの国一の美貌だから、嫌に似合ってしまっている。


「あ、ああ……可愛いと思うよ」


苦笑で返すしかないが、褒められてよほど嬉しかったのか、そんな事もお構い無しに汁を多量に出しながら身体をくねくねさせていた。


「さっすがフォンクライスト卿だね! 祭りごとには彼がいなくちゃ(笑)」
「笑いながら言っても効果全然ないぞ村田」





……――と言うわけだ。
おかげでランタン作りに俺は勤しむ現在に至る。
ちなみにコンラッドは獣耳に尻尾。ヨザックとお揃いだと言っていた彼の顔は笑っていなかった気がする。


ヴォルフラムはたぶん……ゾモサゴリリュウ? にゃーにゃー言って頑張っていた。たぶんあいつも村田に丸め込まれたな。


「よしッ、完成! 村田〜、完成したぜ」


くり抜いた身と、空になった外身を同時に相手に手渡す。
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