マ王

□自覚
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頭の中で、ふと・・・疑問が湧いた。


『俺はヴォルフラムをどう思っているんだろう』



「疲れた」


ここは魔王専用の書斎。只今俺とギュンターは、机の上で勉強中だ。
出入り口の脇には、コンラッドが護衛として立っている。
もともと脳筋族の俺は机での作業が苦手なために、始めてそうそうギブアップしていた。
自分で言うのもなんだが、情けないとは思う。


「陛下、休んでいる場合ではありませんよ」
「ちょっとは休ませてよー」


グッタリする俺を見て、一瞬ギュンターは堅い表情を緩めるが、直ぐに拳を握り締め、熱く語りだす。


「なぁーにを言ってるんですか! 勉強も立派な魔王の仕事なのです!」
「うぅ」
「では次に」


場の頃合いを見計らっていたのか、コンラッドが苦笑交じりに口を挟んできた。
出来ればもうちょっと早めに出てきてほしかったよ、コンラッドさん。


「ギュンター、少々やり過ぎじゃないか?」
「貴方は黙ってなさい、コンラート」
「コンラッド助けてぇ・・・死んじゃうよぉ」


彼に効果が有るとは思えなかったが、少し目を潤ませて訴えてみた。
野球のスパイクを親にねだった時と同じ方法だ。確か親父には効いたんだよな。


「・・・しょうがないですね」


畜生、わざとらしいため息を吐かれた。
でも結果オーライ!


「ユーリ!!」


予想外の爆音に驚き扉の方へ目をやると、自称婚約者、のヴォルフラムが、怒り心頭の様子で怒鳴り入ってくる。
俺もおもわず顔を引きつらせて相手の名前を呼んでしまった。


「ヴォルフラム・・・!」
「何をずっと、ギュンターと一緒にいるんだ!」
「しょうがねーじゃん。ギュンターが離してくれないんだから」


ヴォルフラムは話を聞く気もないのか、ぶつぶつ呟く俺の腕を問答無用で引っ張っる。
状況の変化についていけていない俺は、ヴォルフの成すがままになってしまう。


「行くぞ」
「え、行くってどこに」


ヴォルフの気迫に押されながら俺がひょこひょこついていくという異様な形に、しばらく唖然としていたギュンターも我に返ったらしく、俺たちの間に割り込んできた。


「どこに行くんですか、どこに。陛下はまだお勉強があるんで」
「そう言ってはずっと、ユーリと一緒に居るじゃないか!」


あまりの怒りにヴォルフラムは涙目だ。
俺は泣き出すんじゃないかと、少し心配する。
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